外国語学習 自己紹介

元日本語教師が見た外国語を勉強しても伸びない人の3つの特徴 

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元日本語教師のEです。
外国語の重要性が年々増している今日この頃。
外国語、特に会話の勉強を頑張っている人は非常に多くいますよね。

Eはこれまでに日本語教師としても、英語と中国語の学習者としても、多くの外国語学習者を見てきました。
その中には「これじゃどんなに勉強しても進歩しないだろ~」とか「これじゃ勉強しているとさえいえないだろ~」と思えるような学習者を見かけることも少なくありませんでした。

今日はそういった、外国語を勉強してもなかなか伸びない人の特徴を、Eの目撃談も交えてお伝えします。

外国語教育を受ける側の問題とは

これからの時代(今までもそうでしたが)外国語の会話を習得することは重要度を増していきます。
外国には複数の言語が混在する国がたくさんあります。というかほとんどの国では複数の言語を持ち、自分が話す言語とは別の言語が身近に存在しています。

日本人は一部の人を除けば、周りには日本語を話す人しかいません。
では、日本の外国語教育はどうなっているんでしょうか。
近年、学校教育も英語のカリキュラムの開始年齢も下がり、教える語彙数が増えるなど、社会的にも英語教育の重要性は認識されているようです。

が、残念ながらALT(Assistant Language Teacher)と呼ばれるネイティブの英語講師の数は、コロナ禍の影響もあって充分ではないようです。
外国語教育を供給する側にはさらなる改善が必要なようですが、受ける側はどうなんでしょうか?

Eは台湾での3年間の日本語教師の経験と、どちらも30代前半で始めたんですが英会話と中国語会話の学習経験があります。
その過程で、多くの外国語学習者を見てきましたが、一部の学習者は学習する上での大きな障壁を抱えていると感じました。
もともと狭くて険しい外国語学習という道路に、自ら壁を築き上げている感じです。

どうやら下記のように、いくつか類型があるようです。
今回は英語学習、という広いジャンルの中でも「外国語会話」について語ります。

①そもそも会話しようとしない人
②自分の固定観念を捨てられない人
③語彙を増やそうとしない人

これらを解説します。

①そもそも会話しようとしない人

Eはもともと人見知りしないし、普段からよくしゃべる方で、何なら人前でしゃべるのも好きな方なんで正直言って本当のところは理解できないんですが、外国語会話のレッスンに参加しておいてほとんどしゃべらない人って、何のために勉強しているんでしょうか?

Eがかつて通った駅前留学のNOVAの授業でも、Eが教えていた台湾の地球村という語学学校での日本語の授業でも、教師が自己紹介を求めたり、発言を求めると嫌な顔をする生徒が少なくありません。
ひどい場合は、自分の発言の順番が来ても「あ~」「え~」と口ごもるだけで結局何ひとつ発言できずに終わる人もいます。
これはいい大人でもいます。

教える立場からすると「この人はムリヤリ勉強させられていて、やる気がないのかな?」と思ったり、下手をすると「授業の邪魔だな~」とさえ思うこともあります。
それでも、仕事としてやるからにはそういう人でも無視はできません。

教わる立場からすれば、例えばEがNOVAのように教師1人生徒3人で授業を受けていて、そういう生徒がいるとはっきり言って邪魔で、足を引っ張る存在としか思えません。

英語の未熟さ以外の理由で、レッスンの場でしゃべらない人は、人見知りなどその人の性格から来るんだとは思いますが、これって少なくとも会話練習をする場面では改善するべきです。

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人見知りの克服法

人見知りや、もともと無口な性格のせいで本来外国語の会話の練習のためのレッスンの場でありながら、言葉を発することが困難、という人の克服法は、

とにかく数をこなしましょう!

Eは「人前で話すことが好き」と言いましたが、はじめから好きだったわけではありません。

過去の記事でも語っていますが、人生最初の日本語教師としての授業は授業開始1か月前から緊張の極致で、初授業の時間が刻一刻と近づくにつれて授業のことを考えるだけで動悸が起こるほどした。

それが、日々授業をこなすことによって慣れていき、教壇で講義したり会話練習という形で生徒たちとコミュニケーションを取る中で、人前でしゃべることの楽しさを徐々に覚えていったわけです。
つまり、数をこなせば平気になる、ということです。

日本語教師初授業についての記事です



これは、間違えた英語を使って恥をかくのが怖い、という人にも言えます。何度も恥をかくことで何とも思わなくなりますが、そもそも外国語を間違えることは、恥と感じる必要さえありません。
ちなみにEはこれまでに1億回くらい間違った外国語を発してきました。

数をこなすうちに、外国語でコミュニケーションをすることの楽しさを感じられていくはずです。

Eが新卒の頃にやっていた飛び込み営業にはメンタルを鍛えられました。
営業に入った会社で無下に扱われると、はじめのうちは傷つきましたが、そのうち「そりゃあ普通はそうだよな~」としか思わなくなりました。

②自分の固定観念を捨てられない人

外国語会話の学習の場面で、学習以前から持っている固定観念を捨てられないがために、学習に障害をきたしていると思える人を何人も見ました。

実例を紹介します。

Eが約20年前に駅前留学のNOVAで教師1対生徒3の授業を受けていたときのこと

推定40代のサラリーマンS氏。やや横柄な態度から会社でも上の立場でやや威張ってる感じの人か?
英語のレベルは当時のEと同じくらい。Eは最低レベルのクラスから始めて2か月ほど経ち(仕事を辞めたばかりで毎日通っていました)クラスのレベルが2つほど上がったところ。

その日の授業はEの通う校舎では初顔の先生
たぶん本名は「Stewart」。授業冒頭の自己紹介で「Stew」と呼んでくれとのこと。
Stewの発音はカタカナで書くなら「スチュー」と聞こえる発音。

当然、ごく普通にEはその先生を「スチュー」と呼ぶ。
が、S氏はなぜか「ストゥュー」と、なんともお上品な発音で呼ぶのでした。
明らかに違和感を覚えたのは先生も同じで、「No, I'm Stew」とS氏の発音を直そうとします。
でもなぜかその後何度言い直してもも変わらず、S氏の発音は「スチュー」ではなく「ストゥュー」

Stewは笑顔が絶えず朗らかな若者。そんなStewも少しイラっとしている感じ。
Eも同じくイラっとする。

ところがS氏は自分が間違っている自覚がなさそう。埒が明かない。
たまりかねてEは日本語で「先生はスチューと言ってるんだからそのままスチューで呼べばいいんですよ、シチューみたいに」といらぬ世話を。

そこでStewもあきらめて「It's OK」と。S氏は困惑顔。
その後、授業の流れ的にS氏が先生の名前を呼ぶ場面はなく一件落着

このS氏の自覚ゼロの発音間違いの原因を分析すると、日本人特有の固定観念があるからだと踏んでいます。
例えば「Disneyland」を「デズニーランド」と発音するとかっこ悪い、英語らしくない、といった類の。

S氏は英会話教室の場では、より英語らしい発音をしなければならないとでも思ったのでしょう、ネイティブ教師の固有名詞の発音まで無意識で「英語らしい発音」に変換していたのでした。

Eは過去の記事で、外国語の発音はとにかくネイティブのコピー以外に正解はない、と言ってきました。
もちろん、Eも含めて大人になってから勉強を始めた場合、100%正確にコピーすることは不可能です。

が、S氏のように自分の中にある独自の「英語らしい発音」という固定観念を捨てられない、というかS氏のように自分が固定観念を持っていることすら気づけていない学習者はどんなにがんばっているつもりでも、ある地点から前に薦めなくなってしまいます。

同じS氏にはこのような事例もあります。

別の日にまたS氏と授業が一緒になりました(同レベルで同時間帯の授業に出ると同じ生徒とよく顔を合わせます)。

その校舎でも古株の先生が授業で話しているときに「That is ei~」と言っていました。
後の言葉を思い出しながら「ei」と。カタカナで書くなら「エイ~」と伸ばしていました。
Eはすかさず「What does ei means?」と先生に聞きました。

先生によると「ei~」と聞こえていたのは「a」
「This is a pen」に使われる「a」です。そう、エービーシーの「エー」。
ネイティブはよくこのように「a」の後の言葉がすぐ出てこない時に「a」を「エイ~」と伸ばしたりします(ネイティブではないEのフィリピン人の妻もよく使います)。

なるほど、と思ってEもその後マネして使うこともあるんですが、後日またS氏と同じ授業で顔を合わせました。
授業が始まる前、S氏はEにこう言いました。
「この間の先生ひどかったよね。「ア」のことを「エイ」とか言いやがって

Eは「ストゥュー」のこともあったから、まあこの人の固定観念はきっ鋼鉄のハンマーでも打ち砕けないんだろうな、と納得しました。
「This is a pen」の「a」の発音が「ア」しかない、というのは完全にネイティブでもないS氏の勝手なイメージ、固定観念です。

似たようなケースはNOVAの他の生徒からも見受けられました。

大学院生のT君
やはりEと同じレベルで同じ時間帯の授業でよく一緒になる。
T君はEが昇級してくるだいぶ前から今のレベルにいて、なかなか次のレベルに上がれない。

授業の後にT君から、Eが授業で使っていた言葉が何といっているのかを聞かれる。
それはこのような英語の省略型でした。
 going to → gonna
例:I'm going to go to school → I'm gonna go to school

中学校で英語教育を受ける以前から洋楽を聴いて歌っていたEはこういった省略型の知識があり、誰にに教えられるでもなく授業中の会話でも使っていました。
もちろんNOVAのネイティブ先生たちも普通に使っています。

EはT君に他にもこのような省略型があって先生たちもよく使っていることを教えました。
 want to → wanna
 kind of  → kinda
 have to → haveta


するとT君は、もうその場にはいないさっきの授業の先生に、いや全てのネイティブに向けてこう言い放ちました。
be going to と言え!

外国語を学ぶときのマインド

外国語の学習において究極のゴールは自分がネイティブになること。
だから正解はあくまでもネイティブが話す言葉です。ネイティブが使う言葉は全てが正解であるとも言えます。

日本に置き換えてもそうですよね。
例えば、最近の言葉「推しメン」とか「ワンチャンあるかも」とかはまさに英単語を含んだ略語ですが、外国人から「間違っているからそんな言葉は使うな」などと言われる筋合いはありません。
日本の文化の中で生み出された日本語ですから、間違いという方が間違いです。

S氏やT君はかなり極端な例ですが、外国語学習者は多かれ少なかれ固定観念を抱えています。
それはEも同じです。

カタカナ英語に囲まれ、ネイティブではない英語教師の英語教育を受けてきたEにも非常に多くの英語に対する間違った固定観念があります。気づいていないものもたくさんあるはずです。
が、そういう固定観念を正すことが外国語学習でもあります。

英会話学校の授業は別に生徒同士で競ったりマウントを取り合う場ではありません。
どんどん自分の間違いを直してもらいましょう。
自分の固定観念をネイティブのハンマーで打ち砕いてもらいましょう!

最近Eの妻は、Eの間違いだらけの英語に慣れすぎたせいか、最近間違いを指摘してくれなくなりました…

③語彙を増やそうとしない

このパターンは非常に多いです。
時々「英会話は中学英語さえマスターすれば簡単にできる」などという話を聞きますが、大間違いです
あれは初学者向けに教材を売るための宣伝文句に過ぎません。

本当に中学英語の語彙だけでコミュニケーションしようとすれば、永久に自分の言いたいことを半分も言えなかったり、ネイティブの話をほとんど聞き取れずに終わることでしょう。

実際、NOVAの生徒にも「語彙は中学レベルだけで行く」と公言している人もいました。
ただその人の場合、語彙どころか文法も中学レベルさえ怪しい感じで、Eと同しレベルのクラスにいながらネイティブ教師とほとんど意思疎通が取れていませんでした。

これも日本に置き換えればわかることです。
日本人は国語の授業で小学校から高校まで漢字を習い、読解を学び、膨大な語彙を身に着けます。もちろん実生活でも様々な語彙を覚えます。
流行語が生まれればそれも覚えます。

外国語会話を勉強するということは、そういったネイティブと渡り合うということでもあります。

Eは日本語教師の経験があるし、学校以外でも多く日本語を学ぶ外国人と交流がありました。
すると、相手の日本語能力のレベルによってどの程度の語彙があるかの予測がつきます。相手の語彙の範囲に合わせた日本語で話したり、伝わりそうになければ相手の言語で話したりします。

が、そういった経験や知識のないほとんどの人は相手の話す日本語が拙いからといって語彙を適切に調整して話すことはそうそうできません。
そう考えると、学ぶべき語彙が中学レベルで足りるわけがありません。

Eは中国語を勉強した期間が長いんですが、幸い中国語は文法が簡単
中国語は発音がかなり正確にできないと伝わらないという難点があるものの、まあ発音は実践の場でバンバン練習。
その一方、早い時期から机の上ではほぼ語彙中心の勉強にシフトしていきました。

ネイティブの語彙量に対抗

このノートはEが学習開始から約4年経過の頃のもです。
台湾から帰国した後に使っていたノートが残っていました。

大学ノートのこのベージは、何かの小説を読んでわからなかった単語を覚えるために書き留めたものです(たぶん若者向けの流行小説です)。

誰もが知る通り、中国語の文字は全て漢字です。
この単語帳として使っていた大学ノートに書き込まれた単語の何割かは漢字から意味は分かるけど発音を知りたいためだけに記されたものもあります。
それを除いてもかなりレベルの高い語彙の勉強も行っていた痕跡があります。
学習開始2年目頃からは、机での勉強のほとんどをこのように語彙を増やすために費やしていました。

Eはこの後、TOEICを受験した時期がありますが、その時にもこれと同様のノートを作り英語の語彙の勉強も欠かせませんでした。
もちろんその時は文法もリスニングも手いっぱいで、語彙だけに集中できたわけではありませんでしたが。

語彙の勉強にはライバルがいる、と思ったほうがいいです。
そのライバルとは、常にあなたが学ぶ言語に囲まれ、さらに学校教育でも十数年その言語を学んできたネイティブたちです。
そんな強力なライバルに立ち向かうのに、半端な心構えで対抗できるわけがありませんよね。

ここ数年、ほとんど英語の語彙を増やすための勉強はしていません。
が、普段家族と英語で話しているのでやはり自然に語彙は増えます
最近覚えた語彙は、妻とケンカした時に覚えた「insult (侮辱)」とか、セブの自宅近所の空き家を購入し、改築するのに妻と相談しているときに覚えた「pillar(柱)」とか「hollow block(壁などに使うコンクリートブロック)」などです。

まとめ

外国語会話の勉強は、コミュニケーションのための手段を勉強している以上、心理的な要因が勉強を推し進めたり、時には阻んだりします。

今回は主に心理的な要因で、外国語の学習に自ら壁を作っている人の例を紹介しました。
ぜひ自らの勉強の姿勢をチェックしてみてください。

というわけで、これからは机の横に単語ノートを置いておくことにしようか、と考えているEでした。
次回をお楽しみに!

今はオンラインで学べる時代。
それにしてもNOVAはコスパがいいですね。

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