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【職歴紹介】会計事務所のお仕事④ 外国人技能実習生の監理団体 その実態は!

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お久しぶり、職歴紹介シリーズ第四弾です!

社会保険労務士の資格をとって会計事務所に就職したわけでしたが、当初は社労士の仕事ができず、やがて社労士部門に配置換えされるも、事務所がやっている様々な業務に関わらざるを得ない状況が続きました。

その様々な業務のひとつが、外国人技能実習生の監理団体の業務でした。
これが結構きつい仕事で。

今回はそんな、外国人技能実習生の業務に関わった経験を語ります。



前回の記事です。

外国人技能実習生制度の仕組み

まず、外国人技能実習生の制度って何なんでしょう。
この制度にはいくつかの団体が関わっています。

まず、全てを取り仕切っている機関、JITCO(ジツコ)と呼ばれる「公益財団法人 国際人材協力機構」
十中八九、天下り団体です。
そして次のような団体が関わっています。

①外国の現地で研修生を集めて日本に送り込む「送り出し機関」

②外国人研修生を受け入れて、技能を学ばせる(周知のように実態は違う)「受け入れ企業」

③日本で送り出し機関と受け入れ企業を取り持ち、外国人技能実習生の入国後のサポート、実習状況や制度の違反がないかなどの監査をする「監理団体」

Eの働く事務所は③の監理団体の業務を行っていて、短期間ではありましたがEがこの業務を担当していた期間がありました。

外国人技能実習生の実態

既に周知のように、この「外国人技能実習生」の制度は多くの問題があります。
まず世間のイメージは、不正の温床とも言われるように低賃金での強制労働に近い、技能実習環境です。
そう、実態は「技能実習」に名を借りた低賃金労働者の駆り集めです。

実はEの妻も出会った頃は技能実習生でした。
ちなみに出会ったのはEが会計事務所を退社した後で、Eが当時関わっていた業務と妻との出会いは全く関係ありません。

ただ妻の当時の労働環境も、他社よりは比較的マシな方ではあったものの明らかな法令違反の実態があったため、Eは元社労士ならではのある手段でそれを(割と穏便に、Eがやったとバレずに)やめさせることに成功しました(妻に関わることはまだここでは詳しく語れません)。

現在、来日する技能実習生はフィリピンやベトナムからが多く、経済成長した中国からはほとんどなくなっているようですが、Eが関わった技能実習生は100%中国人でした。


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当時の技能実習生の労働環境

実はEが技能実習生の監理団体の業務に関わった頃、事務所の中では廃れていた業務でした。
というのも前任者がほぼ一人で10社ほどの受け入れ企業の監理業務をしていたんですが、その前任者が辞めてからは若手の会計職員が一人で片手間に業務をさせられていました。

そうなると、本業の会計業務で手いっぱいの担当者は新たな受け入れ企業の開拓などするわけもなく、研修生が帰国するにしたがって業務縮小
Eが入社当時は3社しか残っていませんでした。

事務所で唯一中国語が話せる、ということでEは専属で業務をするようになる前から、担当者について通訳代わりに受け入れ企業に同行していました。

ちなみにEはその会計事務所からは一度、不採用通知をもらっていました。
他の応募先も軒並み不採用で、せっかく社労士資格を取ったのに全く生かせずに終わる寸前でした。

大ボスの税理士先生がEは司法書士事務所勤務経験があって相続税の業務に役立ちそうなことと、中国語ができるから外国人技能実習生の業務に役立ちそう、ということで不採用通知を送った後に電話してきて、逆転採用になったという経緯がありました。

受け入れ先企業で見た技能実習生の実態はというと、
普段は世間がイメージするような過酷な強制労働、賃金不払い、とまではいきません。

Eは中国語でやり取りができるので、受け入れ企業の経営者や同行する担当者に知られることなく、隠密に実態を技能実習生本人に聞き取りをしたりしていたんですが、みんな基本的には同じ国からの同僚たちと楽しく過ごしていました。
実際Eの妻もおおむね楽しく過ごしていました。

しかし、3つの受け入れ企業(+妻が働いていた企業)ともに、賃金は都道府県の最低賃金
しかも法令違反がありました。
監理団体のEが把握していたのは、残業(時間外労働)の割増賃金の違反でした。

通常、時間外労働は

通常の賃金(時給) × 1.25

で計算された金額です。
が、中国人技能実習生たちが受け取っていた金額はそれ以下。しかも、最低賃金である通常の賃金(時給)よりもかなり低い額でした。

驚きでした。
後にEが外国人技能実習生の業務の専属になってわかったことですが、諸悪の根源は中国側の送り出し機関のようです。

本国での裏契約

これ、あれから数年後の今はないと思います。きっともうこんな違法なことはなくなっているはずだと思いたいです。

例え日本の最低賃金であっても、本国より圧倒的にいい賃金がもらえる日本で働きたい、という外国人は本国の「送り出し機関」に応募します。
その際には然るべき料金を送り出し機関に支払ったりします。

そして、日本から来た受け入れ企業の社長などの採用担当者の選考の上、採用されると本国で1か月の日本語講習を受けたりして来日となるわけですが、その際に公にはできない裏の契約書を結ばされます。

Eはその写しを見たことがありますが、ハッキリと時間外労働の場合の、最低賃金をかなり下回る金額が記されていました。
これって、あることを示唆していますよね。
そう、

法定帳簿である賃金台帳に記載された賃金額と、実際に支払われている賃金が異なる

ということです。
明らかな最低賃金違反の給与明細を賃金台帳に残すわけがありませんから。
これ、かなり悪質な違法行為ですよね。

Eは監理団体としてそれらの企業の提出した賃金台帳も見ました。みな残業時間はそこそこありますが目立って多いというほどではありませんでした。
が、例の中国語での隠密インタビューによれば賃金台帳の超過勤務時間よりはだいぶ多いようでした。

これにはもちろん、人手不足解消、できれば低賃金の労働力を、と違法行為までして利益を追求しようとする受け入れ企業もよくないです。

それに、
受け入れ企業から手数料収入を受け取り、違法な実態を知りながら見過ごしている監理団体も悪いわけです。
結局はEも見逃した共犯者のひとりでした。

外国人技能実習生業務の担当になったいきさつ

既に述べたように、Eの事務所で外国人技能実習生の監理団体の業務は斜陽の、ほぼ残務整理といってもいい状態でした。
とはいえ、残った3社は引き続き研修生受け入れの意志あり。

最初は通訳が必要な時に駆り出されるEでしたが、同じく中国語ができるということで、研修生の招聘や継続に必要な膨大な書類作成もEの業務になり、やがて本来の担当者が確定申告などで忙しいというタイミングでEに完全移管されました。

その時にEが考えたのは、

当然新たな受け入れ先の開拓はしない。
残った3社も受け入れの終了を待つ。
事務所のボスも違法な運用は認めない立場だったので、適切なタイミングで各社の違法状態を理由に取引停止を提言する。
最終的に、研修生の業務を終了させる

という、計画でした。

まず、違法行為に加担したくないという気持ちが強くありました。
中国人を受け入れている企業側には、どうも中国人を下に見ているフシが感じられます。
もともと中国人の友達もいて外国人に親近感を持つEは、感情的に研修生側に肩入れする気持ちもありました。

もう一つ、この業務には問題がありました。
受け入れ企業が遠い

なぜか前任者が扱っていた受け入れ企業、全部遠かったんです。
車で1時間以上は当たり前。
既に取引が終わった企業には他県まで片道2時間以上はかかる企業もありました。

これ、普段の業務を圧迫します。
会計事務所に在籍した後半は、この外国人技能実習生の業務をはじめ多種多様な業務を受け持ち、日々あふれんばかりの業務で長時間労働を強いられていました。
受け入れ企業ひとつ訪問するだけで、一日仕事になります。
コスパが悪すぎるこの業務、なんとしても担当から外れたいと思っていました。

外国人技能実習生の監理業務

研修生は来日するとまず、日本の語学学校での1か月間の日本語講習を受けます。
本国で1か月受けたのになぜかまた日本でも受けます。

この日本語講習が終わるまで、研修生は語学学校預かりです。
宿舎も語学学校が用意して、生活の面倒も見ます。

それが終了した次の日、管理団体が研修生を受け入れ企業まで移送します。
この語学学校が遠くて。これがこの会計事務所でやった中で一番きつい業務でした。

朝4時に起きて出社、というか借りておいたレンタカーに乗り換えて隣の隣の県の語学学校へ
研修生を乗せると、遠路受け入れ企業へ。
中国語ができるEは車中でいろいろと日本での生活のアドバイスなど。
当然ですが、途中で仮眠

受け入れ企業に着くのは夕方近く。
いろいろと確認事項、書類手続きをして1時間以上をかけて帰社、というかようやく出社
事務所に着くと既に定時帰宅時間。
その事務所で定時帰宅などあり得ず、溜まっている業務を夜遅くまで。

という状況でした。

技能実習生の業務から外された理由

Eはこの業務の専属になって間もなく、2か月ほどで業務から外され、担当は元の会計職員に戻されました。
理由は、

中でも研修生の扱いが特に悪い受け入れ企業に、Eが常に難色を示したから

でした。

そう、専属になってからというものEは事あるごとに、できれば受け入れ企業に正規の割増賃金を払い、業務時間外の行動の制約などをやめ、研修生とのwinwinの関係を築いてもらいたいと改善を促しました
それが原因で事務所に苦情が入り、叱責を受けた後に無事担当を外されました

まとめ

と、なかなかのきつい業務ではありましたが、研修生の送り迎えなど(帰国時にも空港まで送っていきます)の時間に研修生と中国語で世間話をするなど楽しい場面もありました。

なにしろ会計事務所在籍時代は海外旅行なんてできませんでしたし、もともとは2年ほどで辞めると予定していたわけでもなく、このまま一生海外旅行できないかも、とも思っていましたから外国人との交流ができる機会は貴重でした。

そもそもこの制度は、管理団体が手数料を受け取る顧客である受け入れ企業を監査する、という不正を正すことが難しい矛盾した仕組みがあります。
時々聞く、研修生がらみのよくないニュースを聞く度にこの制度が改善されることを願うEでした。

今後も、Eの様々な職歴について紹介していきます。
次回をお楽しみに!

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