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【職歴紹介】バブル崩壊期に新卒で外食産業就職③ ついに入社式、接客をイチから学ぶ!

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50代派遣社員の職歴紹介シリーズ、続きです。
Eが約30年前に大学新卒で就職した東京の外食産業、レストランチェーンの会社について。

前回、前々回とEのダメダメな就職活動状況などを紹介しましたが、今回ようやく入社式に至ります。
散々な就活を経て入社したE。
正直、入社一年目は能天気にバイト気分で過ごすことになります。
では、Eの入社後の活躍を紹介します。

ただし、約30年前の記憶なんでところどころ曖昧です。

いざ入社!

さて大学を卒業したE。
単位がギリギリだった上に、必修授業の教授と揉めるなどして何とか留年することなく日本大学の卒業式にこぎつけました。

というか、前日にバイト仲間と遅くまで騒いでいて、なんと九段下の武道館での全学部合同の卒業式には寝坊して欠席したE。
卒業証書は午後、学部の校舎でもらうという最後までダメダメな大学生でした。

Eが入社したレストランチェーンの会社入社の流れは概ねこうでした。

①4月1日、入社式!
②4月2日から5日間ほど新入社員研修
③研修終了翌日に配属先の店舗発表
④発表当日にそのまま店舗へ行って顔合わせ
⑤翌日から店舗勤務

では新入社員としての初日、入社式です。

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入社式!

入社式当日。
場所は就職活動や内定式で訪れた新宿の大規模店舗の宴会場
その店舗は宴会場も大規模で、披露宴や会議にも対応できる数百人を収容できる床面積。

え、入社式って本社じゃないの?と思うかもですが、入社式にはEの想像を凌駕する100人を超える新入社員が集まったのでした。

前回記事で触れたとおり、Eを含めた大卒営業(店長候補)は8人
その8人と、短大卒の事務採用2人とは入社前に研修や内定式などで何度も顔を合わせていましたが
その他のメンバーと会うのは入社式が初
内訳はこんな感じでした。

大卒営業 8人
短大卒事務 2人
高卒・専門卒調理人 約50人
高卒接客 約50人

つまり、Eより4~5歳若い新入社員が100人ほどいたのでした(Eは1浪している)。
なるほど多くの店舗を支えていくにはこれだけの人数を採用するのか、と。

のちに知ることになりますが、店舗での従業員の構成はこんな感じでした。

【フロア】
店長が1人
②大規模店には大卒社員の営業、マネージャーが数人
高卒社員のサービスマン、ウェイトレスが数人
パート・アルバイトが大多数

【キッチン】
料理長が1人
高卒・専門卒社員の料理人が多数
パートの皿洗いが1人~数人

と、キッチンではほぼ全員が社員ですが、フロアでは大多数が非正規雇用のパート・アルバイトです。
それなのに、なぜ毎年50人もの接客要員が採用される?
その答えは、やはり数か月後に知ることになります。

フロアの高卒社員は半数以上が半年以内に辞めます。1年後に残っているのは3割程度で、2年後には1割しか残りません。
つまり、ほとんどがすぐ辞めるのに多数の社員を採用するわけです。
ムダなようにも思えますが、その前年まではバブルの最末期。従業員の確保も必要だし、サービスのレベルを一定に保つためにもある程度の人数の社員は必要というわけです。


かくいうEも8年半ほど働いて辞めています。
当時の社内の新入社員の離職率はこんな感じでした。

高卒女子 > 高卒男子 > 大卒女子 > 大卒男子

まあ、日本社会全体的にも同じような感じですよね。

当時の労働環境は現代と比べると残業が多いなど、何かとハードでしたが、その会社は労働法規もおおむね遵守されていました。
少なくとも同業他社と比べると新人教育もしっかりしていて働きやすく、給料もいい方でボーナスも悪くなく、ここ以上にいい労働環境はなかなか見当たらない。
でも、ほとんどが辞めていきます。

Eは外国に移住したい、という強烈な目的をもってその会社を辞めましたが、そうでなければそこそこ面白おかしく過ごせていたので、働き続けていても全然悪くはないと思うのですが、なぜみな辞める?

ひとしきり入社式的なことをした後は、就職説明会や内定式の時のように店の美味しい料理で立食パーティー、かと思いきやその日は飲食なしでお帰り。

翌日からは場所を変え、新入社員研修が始まります。

新入社員研修開始!

都内の大規模複合施設の広い会場を借りて、5日間の新入社員研修が始まりました。
Eたち大卒営業も4、5歳年下の新入社員たちに交じって研修を受けます。
最初の訓示的なくだりが終わると、会場にパーティションが入って接客組と調理組に分かれての研修が始まりました。
大卒営業のEたちはもちろん接客組

接客マナー講座

先ずは外食産業としてあるべき研修、「接客マナー」の基礎についてです。

接客7大用語の唱和
敬語の基本講座
お辞儀の練習

こう見ると「そりゃ基本中の基本だろ」と思うかもですが、これが意外と難しかったです。
大学時代に個人経営の喫茶店で接客をしたこともありましたが、接客マナーを系統的に教えてもらったことなどなく、イチから叩き直されました

まず、接客七大用語でつまづきます。

【接客七大用語】
いらっしゃいませ
少々お待ちください
かしこまりました
お待たせいたしました
申し訳ございません
恐れ入ります
ありがとうございました

これ、もともと滑舌の悪いEは、改めて口に出してみるとなかなか流暢に言えません。
特に「お待たせいたしました」は噛まずに言えるのに数日かかっていました。

発音、という基本的な問題だけでなく「いらっしゃいませ」の発声ひとつをとっても、何の気なしに言うのと、接客のプロが相手に好印象を与えるため訓練された発声で言うのとでは大きく違います。
接客業界で一応の業務経験があった大卒Eも、なんのアドバンテージもなく高卒のみなさん同様に、

基本から叩き直されました~

直されたのは七大用語だけでなく、お辞儀の仕方
これ、マジで難しいです。

何が難しいって、プロのお辞儀は「腰だけを曲げ、首は曲げない」
言葉にすると簡単ですが、人はお辞儀をするときたいてい首を曲げちゃっています。
それを矯正するのに一筋縄ではいかなかったのでした。

画像引用:ウーマンスタッフ株式会社HP



しかもお辞儀って首を曲げてしまうと、見た目的にかなり恰好が悪いです。
なるほど教える側もわかっていると見えて、教育担当の先輩社員数人が結構な時間を割いて全社員に教えていました。
お辞儀の仕方ひとつにも悪戦苦闘する大卒E。

そんな調子で、まだ何の社会経験もない高卒のみなさんとなんの差もつけられず、大学時代に何をやってきたんだと思い知らされた一幕でした。

が、この後のマインドセット的な内容の研修では年上らしくリーダーシップを発揮する場面もありました。

マインドセット講座

接客マナー講座が終わると、再び接客組と調理組が合流
人事部の中堅社員が講師として講壇に立ちます。

まず行われたのが、この問い

新入社員のみなさんが思いつく「ブランド」を思いつくままできるだけたくさん挙げてください。

と。
先ずは白紙に書き出して、指名された新入社員が発表
ほとんどの社員は自分の知っている中から「ルイヴィトン」や「シャネル」などのファッションブランドの名前を挙げます。
異彩を放っていたのがEと同じ大卒で、年齢不詳の謎の美女タテオカさん(仮名)
誰もが知る高級ブランドから、誰も聞いたことがない外国名のブランドまで、約30個ほどを流ちょうな英語発音も交えて披露していました。

その謎の女性、就職内定者の顔合わせの時から、容姿も立ち振る舞いも発言もやたらと大人っぽくてアホ大卒のEなどとはどこか違うところがありました。
本人に実年齢を聞くことはついぞありませんでしたが、十中八九一浪しているEよりも少なくとも3つは年上だったのでは、と。
タテオカさんについては入社後もエピソードがあるので、後日当シリーズでも紹介することになるでしょう。


タテオカさんがひとしきりブランド名の列挙を終えると、周りから「おおー」という声と拍手まで巻き起こる始末。

一方Eはというと、みんながファッションブランドを挙げようとするのは承知の上。それでは面白くないと「東大早稲田」「三菱三井住友」など社会的ブランドを列挙しようとするが、あまり思いつかず。
結局指名されることはありませんでした。

その日は研修終了後に大卒メンバーが人事の人たちから飲みに誘われ、壇上で講師をしていた人事の先輩社員にEがブランド名に何を挙げたか聞かれて「東大早稲田」と答えたところ、「そう、その発想が大事なんだよ!」と褒められたので一矢報いたかな、と。

で、結論。
あの場で求められていたブランド名の正解は、こういうことだったのでした。

「みなさん、わが社の会社名もブランドのひとつだということを忘れていませんか?」

あーはい、
忘れていました~

リーダーシップ発揮

次は席を移動
新入社員を10人ほどのグループに分け、大卒もばらけてグループに一人ずつ配分。テーブルを囲います。
例の人事の先輩がこんな課題を出しました。

飛行機が砂漠のど真ん中に墜落。
席を囲っているメンバーが生き残っています。
不時着した機内から3つのものを持ち出すことになりました。
さて、何を持ち出す?

というもの。
答えをグループで話し合って結論を出せとのこと。時間は15分
「持ち出すもの」の候補はこんな感じ。

拳銃 水 化粧鏡 懐中電灯 パラシュート 地図 など

これ、後から知りましたが「コンセンサスゲーム」というものらしいです。
研修などで行われた場合、実践的な答えを出すことではなく、グループでの合意形成の過程が重要なのだとか。

グループはE以外は全員高卒の男女。
Eは始めの2、3分は「この中で場を仕切る人物はいるのかな?」と眺めていました。
それぞれ隣同士でぼそぼそと話すだけで埒が明きそうにない。

それまで完全沈黙していたEが口を開きます。
始めにネタバレすると、砂漠で遭難した場合は移動することは危険だそうです。
特に飛行機事故の場合、捜索に来る可能性が高く、その場にとどまって救助を待つ方が生存の可能性が高く、「鏡」や「パラシュート」などこちらの位置を知らせることができる道具の価値が高いとのこと。

が、そんなことはつゆ知らず
口火を切って、場を完全に掌握したEは、自分が意図する「砂漠脱出」という命を危険にさらす賭けに出るべくグループの意見を誘導するためにこんなことをしました。

①まず、意見を聞いても発言しようとしない人は黙殺
②Eと反対の意見には疑問をぶつける
③Eと同意見には賛同する

全体に話し合いの雰囲気が出てくると、積極的に発言する人が2人ほどいましたが、Eのように明確に「脱出する」という方向性を持っているわけではないので根拠に乏しく、結局は発言数の多いEが思うままに誘導することができた、という顛末。
確か答えは「水」「地図」「拳銃」といったところだったと思います。
ただ「水」については、その場にとどまる派もほぼ全員同意見だったような気も。

このゲームはEにとって大いに楽しめて、なるほど大学生活で努力して改善した「コミュニケーション能力」は成果があったなと、実感したひと時でした。
高校卒業時点でのEならグループの大多数を占めた「無発言派」の一人だったことでしょう。
その後の人生で、コミュ力無双になるEの片鱗を見せた一幕でもありました。

ただ、他人の意見を無視して自分の意見に誘導する、というやり方はどうかと思われますが。

まとめ

約30年前の新入社員Eはこのように新入社員研修が終了。
大学生活で培った部分、進歩のなかった部分などが浮き彫りになる5日間でした。
とはいっても、相変わらずバイト気分のE。
研修終了翌日には配属先の店舗が発表され、いよいよ業務開始です。

店舗でのEの活躍はいかに。
次回をお楽しみに!

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