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【警鐘】南海トラフ大地震考察① 激甚災害では「起こる前に逃げる」以外に生き残れない理由

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災害は怖いですよね。
何が怖いって、まず生命の危険が訪れます。
生き残れたとして、それまでの日常生活が一変
最悪の場合には今と同じ場所には住めない、今と同じ仕事ができない、いま一緒に暮らしている人と暮らせない、といった事態に陥るかもしれません。

みなさんが今現在暮らしている環境って、そんな激甚災害のリスクを排除できているでしょうか?
リスクがある場合、どんな準備をしていますか?
来たる大災害、南海トラフ大地震を乗り切れますか?

結論を言うと、生命にかかわる「予測可能」な災害は備えるのではなくリスクが判明している時点で逃げるしかないと考えています。起こってからでは、いかなる防災行動も遅すぎる、と。
今回、前編では50代派遣社員Eが長年心がけてきた根本的な防災、激甚災害発生時のリスク排除について語ります。

秒読み段階の南海トラフ地震

今現在、日本に差し迫った最大の危機は何でしょうか?
円安?
物価高?
政治不信?
戦争?

ある程度の予測が可能で、今この時に起こっても不思議ではない危機が間近に迫っています。
現在日本が直面している最大の危機は、

ではないでしょうか。
リスクの評価として、起こったら命に関わるとんでもない事態になる場合、しかも発生確率が100%といってもいい場合、懸念リストのトップに挙げないわけにはいきません。

南海トラフ大地震の発生予想や、発生した場合の被害想定、その後の影響などについては近年あちこちで囁かれていて、聞いたことがないという人はそうそういないことでしょう。
もし、日本在住の人で知らないという人がいたらヤバいです、すぐに情報を取ってください。

この巨大地震の、特に津波の被害想定区域に住んでいた場合、「生存」できると思ってますか?
南海トラフ大地震では、東日本大震災の津波の超拡大版が被害範囲も盛大にを広げて襲ってきます。
Eは、思う思わないどころの問題でなく十中八九、生存できないことを知っています
なぜなら、リスクを正しくとらえるために、認知バイアスを排除する習慣があるからです。

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災害と生活

万人が知るように、日本は多くのプレートが交わる地震多発国です。
日本人なら一生のうちに数多くの地震被害のニュースを聞き、一度くらいは今回の能登半島地震のように、一定期間自分の住んでいた場所に住めなくなるような被害をもたらす大地震も経験するかも知れません。

地震以外にも日本は台風の被害から逃れられず、最近では温暖化のせいか台風の風速も雨量も以前より規模が大きくなり、水害などの被害も甚大化していますよね。
富士山や桜島など、いつまた噴火してもおかしくない活火山もあるし、ある時突然何もないところから噴火が起きることがないとも言えません。

つまり、日本に住んでいる限り、「予測はできない」けどいつ起きてもおかしくない災害はある程度仕方ないと受け入れ、防災を心がけるしかないと言えます。
もちろん、いくら防災して家を耐震構造にしても、津波や液状化や大規模火災で生命や住居を失ってしまうかも知れません。
そのためにも、国家のセーフティーネットやボランティアが存在するわけです。

極限の被災生活

が、
南海トラフ大地震はちょっと違いますよね。
「〇年間」のうちには、「特定のこの地域」で、地震としては「最大級の揺れ」が起こり、地震由来としては「最大級の津波」が来る、ことがわかっています
想定される死者数や被害額も試算されています。
と、時期や被害規模の比較的狭い範囲の予測が広く周知されています。

南海トラフ大地震は日本で起り得る地震の中では最大級の規模と範囲です。
今回の能登半島地震は、言ってみれば過疎地
東日本大震災に比べても被災範囲も狭く、被災者数もだいぶ少ないと思われます。

が、それでも道路の寸断で物資の供給も満足にできず、インフラ普及どころではなく元旦に起こった地震なのに今日1月28日にしていまだに断水が続いている集落もあると聞きます。
これが、南海トラフ大地震だったら?

被災想定地域は東日本大震災をも遥かに凌ぐ、九州から静岡にかけての実に長い沿岸地域
そこには大阪や名古屋などの大都会もあれば、能登半島のような交通が不便な過疎地もあります。
住居を失った上に、食料も水もなく、支援も数週間どころか数か月ままならないかもですよね。
真冬や真夏であれば被災生活はさらに過酷になります。

そして何よりも南海トラフ大地震で危険なのは、致命的な被害が想定されるこの場所です。

①地震発生から10分以内に到達する高さ20~30m超の津波想定区域
②多数の家屋倒壊が発生する震度7の予想地域

「逃げる」以外に生き残れない甚大災害

Eはこう考えています。
来たる南海トラフ大地震においては、

津波想定区域と震度7級が予想される地域に住んでいる時点で生き残れない

と。

ちなみに「震度」は最大が7です。「震度7強」も存在しません。
「7」でありながら「∞」、無限大を表してもいるわけです。
「震度7震度∞」です。
地震計が震度7を示す場合、充分すぎるくらい壊滅的被害になるので、それ以上の数値が必要ないらしいです。

今現在多くの人が住んでいるじゃないか、その人たちがみんな死ぬというのか?
と思われるかもですよね。
Eの答えは「その通り」です。
そして、そう考えるのはEだけではありません。

南海トラフ大地震は津波の高さや被害の規模、そして死者数も多くの機関が予想をしています。
死者数については20万人とも30万人とも予想されていて、その多くは津波による被害だそうです。

東日本大震災の実際の死者数が2万余人。津波の高さは東日本大震災が最大14m、南海トラフ大地震は最大34mとの予想もあります。
つまり、南海トラフ大地震はあの東日本大震災と比べてもケタ違いの甚大な被害となることが確実です。
それに、自分の生活圏がどれくらい危険かということは、体感でもだいだいの予想はできることでしょう。

死者数予想の20万人(少ない方で)という莫大な数字には恐らく、津波予想区域や震度7予想地域の人口はそのままカウントされていると考えられます。

Eの究極の防災行動

ここでEの見解です。
Eはこういう防災行動をします。

防災行動① 津波予想区域や最大震度地域には住まない、移住する以外に生き残れない

実はこの行動、Eはかれこれ20年前からうっすらと意識してやって来ました。
Eは、実際に激甚災害に被災したことはありませんが、生まれてこの方、多くの激甚災害を間接的に目撃してきました。

そんなEの人生で最初の日本で起こった激甚災害が「阪神淡路大震災」でした。

Eの体験

Eが20代半ば、1995年1月17日に起きた大都会である大阪や神戸にも大きな被害を及ぼした大地震。
当時Eは東京に住んでいましたが、神戸の大火災や橋桁から倒壊した高速道路の映像は衝撃でした。

画像引用:時事通信社HP「波打つように倒壊した阪神高速神戸線」
https://www.jiji.com/jc/d2?p=hds00101-4995608&d=004soc



あの地震の後、寝ている時に起きたほんの小さな地震の揺れでも飛び起きるほど、地震の衝撃的な被害の恐怖が頭に残っていました。
その頃のEが感じていたのは「東京に住んでいたら地震で死ぬかも」でした。
当時、テレビで様々な防災特集が放送されたり、サバイバルのノウハウを紹介した書籍などが発行されたりして、Eも非常な関心を寄せていましたが、それらの情報を総合するとどう考えても「大都会に住むのは危険」ということに行き着きます。

大都会は圧倒的に家屋倒壊や火災の危険度が高いし、避難生活でも救助や医療、物資が行き渡らなくなる可能性も高くなります。

その約1年後に名古屋に移り住むことになり、「東京よりはマシ」と思えるようにはなりました。
ただ、今考えると名古屋でもかなり中心部に住んでいたから、直下型地震が起こった時の危険度は東京とそう変わらないのかもしれません。
ともあれ、阪神淡路大震災をきっかけにEに災害に対するリスク意識が芽生えました。

その後、Eは2003年に台湾に移住して日本語教師となりますが、多くの台湾人の生徒の口からその数年前、1999年9月21日に台湾中部で起こった921大地震の実際の被害体験、迫真の恐怖体験を聞くことになります。

また、2005年にはスマトラ島沖地震が発生し、人生で初めての衝撃的な津波の被害の映像をニュースで目にします。
Eは台湾から帰国して、二つの都道府県に住みましたがどちらも津波の被害の可能性がない場所です。

ちなみにEは、地震の揺れ自体による被害を回避できる場所は、日本にはないと考えています。
防げるとすれば、家屋倒壊、大火災、帰宅困難などのリスクが大きい大都会には住まない、ということくらい。

現在住んでいる故郷の自宅は、少なくとも地震による津波の被害に遭う可能性はなく(津波の原因は地震だけではない)、ついでに台風での水害もEが知るここ50年は起こっていません。

究極の防災「起こる前に逃げる」

というわけで、もしEが住む場所が南海トラフ大地震の津波予想区域や震度7予想地域に住んでいたとすれば、こう行動します。
実にシンプルです。

南海トラフ大地震が起こる前に、一日でも一秒でも早く生活の拠点を別の場所に移す

です。

震度7の揺れが数分続く中で、数十メートルの津波が地震発生から10分もかからず到達する場所では、「防災」と呼ばれる生存のためのあらゆる準備は、

十中八九無効化されるでしょう。

もちろん、たまたま自宅にも職場や学校にも至近距離20~30mの高台があって1~2分で避難が可能で、地震発生時にたまたま入浴中でも睡眠中でもなく、すぐに避難できる服装で靴も履いていて、たまたまお年寄りや乳幼児などの家族も一緒にいる、などの全ての条件が完璧にそろっている状態であれば、助かるかもしれません。
が、何かひとつでも想定外が起こった場合は?

避難できる場所が高ければ高いほど生存確率は上がり、海岸から遠ければ遠いほど津波の到達までの時間が稼げます。そのあたりの危険度は、住んでいる人が体感で感じることができているはずです。
「高台まで車で5分で行けるから大丈夫、でも避難民で渋滞していたら…」といったように。

なんとしても生存したいと思うならの話ですが、生存するための方法は「起こる前に逃げる」、つまり「移住する」の一択です。
職場が危険な場所にある場合「転職する」となります。

もちろん、Eの言う「究極の防災」である「起こる前に逃げる」という方法は簡単であるとも思いませんし、今日明日に実行できることでないことも承知しています。
なぜなら、そこに家も仕事もあるからです。

しかも南海トラフ大地震は起こることは確実でありながら、「時期をピンポイントで特定はできない」というものでもあります。
その時だけ避難する、ということは不可能。

よほどリスク意識がある人でないと、すぐに移住に向けた行動を起こすケースは少ないでしょう。
人の心理には「正常性バイアス」などの認知バイアスがあって、そういったバイアスは人間の正しい判断を大きく狂わせるからです。

正常な判断を奪う認知バイアス

Eには非常に危険なこととしか思えないんですが、南海トラフ大地震の津波予想区域や震度7予想地域、またはそれに近いリスクがある場所に住んでいる人であっても「防災」によって生存を試みようと考えている人がかなりの数いると思われます。
というか、ほとんどの人が「防災」とやらで生存できると考えちゃっているんじゃないでしょうか?

前回の南海トラフ大地震が1944年の昭和東南海地震と、2年後の1946年に起こった昭和南海地震80年ほど経過しています。
南海トラフ地震の周期が100~150年と言われている上に、2020年の国土交通白書によればこうあります。

南海トラフ地震については、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率が70~80%(2020年1月24日時点)とされている。なお、同委員会は、南海トラフでは過去1,400年間に約90~150年の間隔で大地震が発生していることから、次の地震までの間隔を88.2年と予測している。

引用元:国土交通白書 2020 「第2節 地球環境・自然災害に関する予測」

88.2年間隔、もうすぐです。

つまり、発生すれば生存の見込みがほとんどない場所に住んでいる人にとっては もう一刻の猶予もないはずです。
が、将来の地震と津波から逃れるために移住するという話はほとんど聞きません。
住んでいる人たちの多くは、移住という考えも頭にあることでしょうが、少なくとも被災想定地域の人々の間で移住がブームになっているという話は聞きません。

認知バイアスを理解して、正しくリスクを認識しようとする人なら、致命的な被害を受けるであろう地域から生存するためには移住は必須、不可欠です。
が、危険性を認知しながら「これくらいなら大丈夫」「皆と一緒だから大丈夫」と考えてしまう正常性バイアスや同調性バイアスが、防災や避難の場面で命を危険に晒すことはよく知られています。

正常性バイアスについてのFNNプライムオンラインのHPはこちら
 避難を妨げる「正常性バイアス」の罠 東日本大震災 9割以上が「溺死」【宮城発】
 


今現在、移住という行動を始めていない人はすでに正常性バイアスや同調性バイアスに縛られていると思われます。
ちなみに当ブログの過去記事では、職場で予告なしで非常ベルが鳴った時にEがただ一人、瞬時に避難行動に移ったエピソードなどを紹介しています↓↓↓


「移住」というと確かに今いる住居を引っ越して、場合によっては職場を変える必要も生じます。
が、睡眠時間や労働時間がそれぞれ8時間として、一日の3分の1を命の危険が迫る自宅や職場で過ごしますか?
住む場所に限って言えば、同じ地域のより高い位置にある場所に引っ越す、というだけでも十分に致命的な津波被害が防げますよね。

ところで、次の南海トラフ地震は自分が死ぬまでに起こらない可能性もあります。
それを期待している人も多いことでしょう。

が、子供がいる場合は?
南海トラフ大地震は、時間が経てば経つほど発生の可能性が上がります。プレートの沈み込みによるエネルギーが時間の経過に比例して蓄積されるからです。

世の中、子供より自分が大切という人もいるでしょうが、Eのように自分より子供や子孫こそ致命的な災害に遭わないでほしいと願う親も多いことでしょう。

E自身もそうですが、生まれた場所に居つく人ってそこそこの割合で存在しますよね。
Eは東京の大学に入学してから20年ほど故郷を離れましたが、今現在は災害に関しては比較的安全との判断もあり、地元の親が残した自宅に住んでいます。
ちなみに、年金をもらえる年になったら妻の故郷のセブに住む予定です。

そう、災害の危険地帯に住むことは子孫の命を危険に晒すことにもつながるし、逆に比較的安全な場所に住めば子孫に安全な環境を与えることができます。


結論です。
津波想定区域や震度7想定地域という「災害が起きてから逃げる」ことでは生存できない災害は「起こる前に逃げる」しかありません。
南海トラフ大地震が何年何月何日に起こるかは誰にもわからず、時間の猶予があるかないかもわかりませんが、一日でも一秒でも早く生活の拠点を安全な場所に移すべきです。

それとも、
自分や家族や子孫の命よりも、近い将来更地になる今の場所に住み続けることがそんなに大事ですか?

まとめ

今回の記事も書いているうちに止まらなくなって、想定の3倍超はある長さの記事になってしまいまい、急遽前後半に分けることにしました。
今回は、来たる南海トラフ大地震で生存が困難と思われる最も危険な地域に住んでいる場合の、リスクの正しいとらえ方について語りました。

南海トラフ大地震の規模の地震では、震災後の日本全体にも重大な危機をもたらします。
次回は危険に晒されている日本のリスクと回避行動について語ります。

次回をお楽しみに!

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