いよいよ今夜!
2023年11月5日0時、つまり今日の夜、深夜0時に遂にアニメ『進撃の巨人』の最終話『The Final Season完結編(後編)』が放送されます。
まずはアニメで楽しむ、アニメ未放送分の原作は読まない、鉄の意志を持つ「アニメ派」の派遣社員E。
前回記事【前編】にて「今なお残された謎の数々」の検証を行いました。
今回はその続編です。前回はかなり長文記事になりましたが今回もそうなるかもです。
ともあれ、時間の許す限り、できるだけ多くの謎の検証をします。
前回は『進撃の巨人』の根幹にかかわる部分の謎でしたが、今回は個別のエピソードや登場人物についても語ります。
前編はこちら
尽きない謎
今回「アニメ派」であるEは『進撃の巨人』に残された最終話前に解明されていない謎について、Eなりの仮説を立てています。
Eの仮説について、原作既読の人にとっては「これは見当外れ」とか「当たってる!」とか「これについては最後までわからないんだよね」などと、答えがわかっているわけです。
前編でも触れましたが、Eの仮説が当たっている場合でも「実はすでに読んで知っていた」ということはありません。ホントに未放送分の漫画は家の手の届かない場所に封印してあります。
また、Eの仮説が荒唐無稽の世迷言だった場合は、笑い草として受け流していただければ幸いです。
では次の謎の検証へと移ります。
謎⑤:エレンがヒストリアと接触した場合、実は無垢の巨人を操れた?
エレン・イェーガーは845年、シガンシナ区に超大型巨人と鎧の巨人が現れ、人類がシガンシナ区、ウォール・マリアを失った同時期に父グリシャ・イェーガーから進撃の巨人と始祖の巨人を継承。
始祖の巨人はグリシャが手に入れるまでは、元来王家の血筋のものが継承していて、全てのエルディア人の体を作り替えたり(疫病に感染しないようにできたりした)、記憶を改ざんしたりと万能と言ってもいい能力がある。
しかし、グリシャやエレンのように王家の血筋でない者が持っても真の力は発揮できない。
とはいえ、王家の血筋の人間と文字通り身体接触すると、本来始祖の巨人が持つ何かしらの力が発揮できる。
と、ここまでは復習です。
エレンはこれまでに3人の「王家の血筋」と接触してきました。
1人目 ダイナ・フリッツ
出自:壁外(マーレ大陸)に残った王家の末裔
接触時期:850年、エレン奪還作戦中にダイナの無垢の巨人がミカサとエレンを捕食しようとする場面。
ダイナは845年のシガンシナ区陥落時にエレンの母を食った巨人。
接触時の状態:無垢の巨人
接触時の状況:馬や立体機動装置もなくミカサも手負いとなり、エレンが無謀にもダイナにパンチを入れ(アホ)ダイナの掌と接触。
接触による効果:エレンに無垢の巨人を操る能力が覚醒。
エレンの周囲にいた推定10体以上の無垢の巨人がエレンを救うべくダイナに群がり食う。続いて鎧の巨人をも攻撃して、エレンとミカサの逃走が成功。
2人目 ヒストリア・レイス
出自:レイス王家の末裔、ロッド・レイスの子
接触時期:850年に巨人化した父ロッド・レイスを殺害して人類の英雄となりエルディアの王として即位している
接触時の状態:ヒストリアは王家の血筋ではあるが巨人継承や無垢の巨人化をしていないエルディア人
接触時の状況:ウォール・マリアを奪還に成功した調査兵団の兵士へヒストリアが勲章を授与する際にエレンがヒストリア女王の手を取り唇を付ける。
接触による効果:雷に打たれたように前任の巨人であるグリシャの記憶などがフラッシュバックのように蘇る。その時に見えた過去の巨人の記憶の全貌は不明。また巨人との戦闘中ではないため、その他の効果についても不明。
3人目 ジーク・イェーガー
出自:前述の壁外王家の末裔ダイナとエレンの父でもあるグリシャとの子
接触時期:854年マーレ軍がパラディ島に奇襲仕掛ける
接触時の状態:ジークは獣の巨人を継承。13年の寿命が残り1年未満。戦闘時に巨人化し壁から落ちてうなじから出てきた状態
接触時の状況:壁内が戦闘で混乱した状況。マーレ軍関係者はエレンとジークの接触の阻止と始祖の巨人の奪取を目指す。マレー戦士ガビの銃で吹き飛ばされたエレンの頭部が完全にこと切れる前にジークがキャッチする
接触による効果:エレン、ジークともに「座標」に到達。色々揉めてすったもんだの末エレンが始祖の力を掌握し、地鳴らしを発動。
これから説明することのために、やはり復習の意味も込めて整理してみました。
さらにまとめるとこうです。
王家の人物 | 状態 | エレンに発現した効果 |
ダイナ | 無垢の巨人 | 無垢の巨人を操作 |
ヒストリア | 人間 | 過去の進撃の巨人の記憶を見る |
ジーク | 九つの巨人 | 始祖の巨人の力を掌握 |
上記の3人の中では巨人的状態(?)としてはジークが最も上位にあたる「九つの巨人」を持つ状態で、エレンはジークとの接触で最大の効果「始祖の巨人の真の力」を獲得できたわけです。
ここでいう「エレンが発揮した効果」は、ダイナとヒストリアの場合はたまたまその場面でエレンが意図したわけではなく思いがけず発動した力なわけです。
ということは「それ以外の能力も発揮できたのかもしれない」可能性がありますよね。
その前提で「あのシーン 」を原作漫画で読み返した時、Eはある仮説が頭に浮かびました。
あのシーンとは。
①原作漫画第17巻始めあたり(『進撃の巨人』は第1巻13ページ以外にページの表記はない)
ヒストリアの父ロッド・レイスが二足歩行できないほど大型の無垢の巨人となりオルブド区へ向かっている時。
②50mの壁を遥かに凌ぐ大きさのロッド・レイスは全ての壁を破壊する可能性があり、そうなると壁内人類は破滅的被害の危機にさらされるため、絶対に壁にたどり着く前に処理する必要がある。
③エレンは礼拝堂での戦いから引き上げる荷馬車に手負いのハンジとヒストリアと同乗。
④馬車はロッド・レイスの巨人の至近距離に。エレンはダイナ巨人と接触して無垢の巨人を操った時のようにロッド・レイスの巨人を操れないか試行錯誤するも効果なし。
この場面を覚えているでしょうか?
Eはここを読んではっとしました。
「エレンは王家の血を引くヒストリアのすぐそばにいるではないか!」と。
この後、ロッド・レイスの巨人を爆薬などを駆使して殺害し難を逃れますが、
もし荷馬車でエレンがヒストリアと接触していたら?
もしかしたら、ロッド・レイスの巨人をその場に留まらせて簡単に殺害できていたかもしれません。
そればかりか、その他多数の無垢の巨人を操って血を流すことなくウォール・マリアを奪還できていたかも知れない。
もちろん、巨人の力を有せず無垢の巨人でもないヒストリアと接触しても巨人を操ることはできないかもしれませんが、試してみる価値はありすぎるほどあると思いませんか?
この時点で壁内人類はこれらの情報を知らない、ということは承知しています。
・エレンが始祖の巨人を有していること
・始祖の巨人を持つエレンが王家の血を引く者と接触すると何かしらの力が発揮されること
・そもそも始祖の巨人というものを知らない
とはいえですよ、エレンとヒストリアは同じ訓練兵団の第104期生です。
訓練中には「対人格闘術」の訓練などもあり、訓練兵同士が身体接触する機会はいくらでもありそうなもの。
しかも今現在、エレンとヒストリアは礼拝堂から命からがら逃げ延びて狭い馬車の荷台に。
「エレン、お前ヒストリアが荷台に乗る時に手を貸してあげるくらいしなかったのかよ!」と思うEなのです。
最終的に翌年にヒストリアが女王になってエレンが勲章を受けて過去の記憶を見ることになるまで二人の接触は実現しません。
確かにですよ、エレンは15歳。思春期です。
Eが15歳の頃といえば女子に触れるなどということはそれはもう恐れ多い。荷馬車に乗る女子に手を貸す場面があろうとも手に触れて助けるなど、心臓が止まりそうでとてもできそうにはなかったでしょう。
しかし、エレンって男女の恋愛感覚ゼロですよね。
あれほどまでにミカサの愛を受けておきながら全く気付かない鈍感の極致。
こともあろうにミカサに「お前はどうしてオレのことを気にかけてくれるんだ?」「オレはお前のなんだ?」と言ってのける超鈍感クソ男。
「お前、それを女子に言わせる気か、ふざけんな!」と誰もがぶん殴りたくなったことでしょう(かわいそうに、ミカサは「あなたは…家族…」としか答えられず…)。
つまり、恋愛感覚ゼロの上にヒストリアに手を貸すこともしない最低男がエレンだったわけです。
その結果、ロッド・レイスの巨人の処理に手を焼き、ウォール・マリア奪還にも多くの犠牲を払うことになりました。
どうでしょうか?
Eの仮説、「エレンがヒストリアと接触していたら無垢の巨人を操れたかもしれない」。
充分あり得ますよね。
しかも、この仮説によってエレンが最低男だということまで証明されてしまうという。
と、ここで身もフタもない話ですが、それを実現させなかったのは完全なる作者諌山創氏の創作意図の下での話なので、いかにEが嘆こうともエレンを罵倒しようともどうにもならないことなのでした…。
謎⑥:ロッドレイスはなぜ馬鹿デカい無垢の巨人になったのか?
この謎はファンの間でも議論が巻き起こった論点かと思います。
礼拝堂の地下でヒストリアが注射器を床に叩きつけて床にこぼれた巨人化するための脊髄液。
娘のヒストリアの背負い投げで背中から床に叩きつけられたロッド・レイスが床の脊髄液をひと舐めすると、なんと通常あり得ない50mある壁の2倍はあろうかという巨大な無垢の巨人と化しました。
なぜこれほどまでに巨大化したのか?
様々な説があるようです。
その中には「注射器でなく直接舐めたから」というものがありますが、これは今では明確に否定できます。
ロッド・レイスの巨人化直後、エレンが日本語に訳すと「鎧ブラウン」なる脊髄液を瓶ごとかみ砕いて直接口から接種しています。
ラガコ村の住民もジークの脊髄液入りのワインを飲んだ兵士もロッド・レイスのような異様に巨大な巨人にはなっていません。
また、ロッド・レイスが王家の血筋だからという説も違うでしょう。
弟のウーリも娘のフリーダも、壁外王家のダイナも無垢の巨人としては一般巨人サイズでした。
ロッド・レイスが舐めた脊髄液「最強の巨人」という名前で「最も戦いに向いた巨人」になれるものであるようですが、このこともあれほど巨大な巨人を生み出した説明にはなりません。
ちなみにエルディアの文字は日本人であれば簡単に解読できます(上下ひっくり返すだけ)。
そこでEの仮説ですが、割と普通です。
二千年にも及ぶ長い歴史の中で巨人継承の技術が培われてきたわけですが、そうした巨人科学の発展の中でロッド・レイスの身体的特徴などから、自身が巨人化した場合には馬鹿でかくなるとわかっていたのではないでしょうか?
現実にロッドは巨人化したものの巨大すぎて礼拝堂は全壊。エレンを食って巨人継承するどころの騒ぎではなくなりました。
ロッドの父から始祖の巨人を継承する際は、弟のウーリが自ら買って出て継承。
ウーリからの継承もロッドを回避して娘のフリーダへ。
これどう見ても不自然ですよね。
弟ウーリは自ら巨人継承を買って出た、とありますがこれはロッドの口から語られたに過ぎません。
ウーリの片腕となったケニーの回想にもこの継承の話が出てきますが、継承のいきさつの詳細はわからず。
何より有力な状況証拠としてロッドはヒストリアに「私が巨人になるわけにはいかないんだ、理由がある」と告げています。
これこそ、あまりにも巨大化してしまって継承どころではなくなるということをわかっていたからという説明を裏付けると言えますよね。
ただこのEの仮説、結局最終話でも解決しないと思われます。
なぜなら、いまだにYouTubeの考察動画等で謎のままとして残っているからです。
原作で解決していたなら伏線回収としての動画が作られているはずです。
よって、この謎については受け手のそれぞれの仮説が正しいということで手打ちにするとします。
謎⑦:調査兵団の若者はなぜ恋愛をしないのか?
『進撃の巨人』の作中には多くの10代後半の若者が登場します。
彼らと、現実の10代後半の若者とを比較した場合、圧倒的に恋愛関係になったり恋愛感情を持ったりする場面が数量的にも少ないと言えます。
検証します!
確かに、845年のウォール・マリア陥落以降、壁内人類は危機にあって恋愛より優先するべきことがあるとは言えます。それが人類の未来を託される訓練兵、調査兵団ともなればなおのことでしょう。
が、誰もが知るように10代後半の男女が寝食を共にして過ごしていれば、どんな状況だろうと必ず恋愛は発生します。
もちろん、壁内では人は結婚して子供を産み、子孫を残し続けているわけですから恋愛があることは実証されています。
しかし兵団、特に第104期訓練兵とその後の調査兵団の兵士たちは?
まず、作中でこれまでに発生した調査兵団関連の恋愛案件をざっと挙げてみます。
①エレンとミカサ
前述の通り超鈍感クソ男エレンのせいで作中最大の問題を抱える恋愛案件です。
ミカサのエレンへの深い愛は読んだ者なら誰もが承知のまさに真実の愛。
ミカサはそんなエレンへの愛を恐らくは、エレンに救われた10歳の頃から健気に抱き続けています。
一方のエレンはあのクソ男振り。
②エレンの父グリシャと母カルラ
グリシャはマーレから来たエルディア人、カルラは壁内のエルディア人です。
グリシャは壁内で子供を作るという使命で結婚したかもしれませんが、カルラは恋愛感情の結果として結婚したと思われます。
③キース前調査兵団長からカルラ
キースはカルラに恋愛感情がありましたが、屈折した愛情のせいでカルラを貶めるような発言をして恋愛は成就しませんでした。
④ベルトルトからアニ
マーレの戦士としてパラディ島にやってきた二人。
ベルトルトの片思いでアニもベルトルトの想いには気づかず。
結局成就することなくベルトルトは死に、アニは硬質化で冬眠状態へ。
⑤ライナーからヒストリア
これもライナーが「結婚したい」と想いを募らせるもヒストリアは何吹く風。
ヒストリアは女王となり子供も設けて、恋愛成就は夢のまた夢。
⑥ジャンからミカサ
ジャンは訓練兵入団当時、アズマビトの血を引くミカサに惹かれ「とても綺麗な黒髪だ」と褒めます。
「好きだよね?」「しかも積極的」と思わせておきながら、その後一切恋愛方面のエピソードは訪れていません。
これについては作者の方向性が変わったのではと推測しています。
⑦アルミンからアニ
ベルトルトの超大型巨人を継承してから硬質化で眠るアニへの想いが発覚したアルミン。
ただ、このケースはベルトルトのアニへの想いをそのまま継承した可能性が濃厚なので恋愛案件に含めるかどうかは微妙です。
⑧エルヴィンからマリー
堅物そうな調査兵団長エルヴィンもかつて同僚の妻となったマリーという女性に恋愛感情を持っていたようです。が、地下室の謎を見るという夢も叶わず独身彼女なしのまま戦死。
⑨フランツとハンナ
この二人は第104期の訓練兵として入団した時点ですでにつき合っていたと思われます。
巨人との戦闘で二人とも早期に戦死。
これでわかるように、片思いは数多くありましたが恋愛が成就して恋人関係、結婚に発展した例は作中に限って言えばほぼありません。
入団前からつき合っていたフランツとハンナが恋愛関係を確認できた唯一の例と言ってもいいくらいです。
それどころか、作中のおよそ6年の時間の中で一切恋愛に興味を示した形跡のない人物も存在します。それがエレン、コニー、サシャ、ヒストリア、リヴァイ、ハンジなど。
ところでEは、こんな傾向に気付きました。
パラディ島の純潔エルディア人は恋愛傾向が低い?
とう仮説が導かれます。
パラディ島住民は純潔エルディア人がほとんどであると推測されます。
一方、壁外のエルディア人は他民族と混血が多いはず。
さらに仮説を発展させると、
パラディ島の若者は性に目覚める年齢が遅い?
となります。
検証します!
【パラディ島純潔エルディア人】
恋愛興味ゼロ勢:エレン コニー サシャ ヒストリア リヴァイ ハンジ
大人になって恋愛目覚めた勢:エルヴィン キース カルラ マリー
【マーレ大陸エルディア人】
恋愛興味ゼロ勢:アニ ジーク ガビ
恋愛興味あり勢:ベルトルト ライナー ファルコ ユミル(但しLGBT)
【ヒィズル国との混血エルディア人】
恋愛ガチ勢:ミカサ
サンプルの少ない統計ですが、なんとなく「純潔エルディア人の10代」に恋愛案件が少なすぎる気がしませんか?
物語の本筋とはおよそかけ離れたEのこの仮説。
最終話で実証されることなどあるのでしょか~
ちなみにEは、耳をふさいでいても入って来る情報として主要キャラ、特にエレンとミカサについて最終話で何かしらの動きがあることを掴んでいます。
ただ、二人のハッピーエンドではないようですが…
謎とともに…
まだまだ謎はつきません。またもや超長文記事になってしまいました。
が、現在11月4日の22時を過ぎました。
このあたりで記事を公開することとします。
最終話放送前に公開したいので、細かい推敲や編集は後回しで公開します。
まだまだ検証したかった「ジークはなぜ王家の子孫を残さなかったのか?」「作中で度々浮かび上がる13とは何を象徴しているのか?」「なぜグリシャは子供にエレンの名を付けたのか?」など、謎の全ては最終話の放送にぶつけることにします。
そして、放送後は封印していた原作漫画、残り33巻と34巻を紐解きます。
それではみなさん、
アニメ最終話に心臓を捧げましょう!