とうとうその時が来てしまいました。
派遣社員が、その働き方が故に避けられない最大のリスク。
そう、この度私派遣社員Eは「派遣切り」に遭うこととなりました~
「派遣切り」つまり、現派遣先での次回の派遣労働契約が更新されないことを派遣会社から告げられたのが先週のことでした。
そこで今回は、Eが人生初の派遣切りに遭うことになった経緯と、今後の展望について語ります。
派遣切りの予兆
実は、今回派遣切りされることになった派遣先で大規模な派遣切りが行われるのは、今年の4月に続いて2回目となります。
そして恐らく今回の派遣切りで、今から約1か月後にはEが働く工場内のほとんどの派遣社員がいなくなると推測されます。
ではまず、Eが在籍する派遣先工場はどんな企業なのでしょうか。
Eの派遣先
Eの派遣先は「プライム上場企業」。
「プライム上場企業」とは一昔前で言う「東証一部上場企業」です。
東証一部は2022年に再編され、プライム市場と名称が変わったため、便宜的に当ブログ内では「プライム上場企業」と呼んでいます。
つまり、かなりの大企業で日本人なら誰もが名前を知る有名企業です。
ということは、例えばパワハラなどのコンプライアンス違反があれば企業のイメージダウン、ひいては株価の下落にもつながるため、Eが身をもって体験しましたが、ブラック企業とは程遠く、労働法規はEが経験したどの企業よりもかなり厳格に守られています。
派遣先の同じ部署に労働組合の仕事を兼任している社員がいましたが、労働組合も正しく機能しているようにうかがえました。
なのでいくつかの派遣先を経験したEから見ても、派遣先企業としてはこの上ない好条件だったといえます。
Eの派遣先比較についての過去記事です。
では、なぜそんなプライム上場企業の工場で働くほとんどの派遣社員が派遣切りに遭うような事態になったのでしょうか。
派遣切りの理由
社内では公になっている原因があります。それも二つ。
それは、朝礼や部署のミーティングなど、特に隠すでもなく役職者たちの口から語られていました。
①急激な円安による利益減
②製品受注の大幅減
①の円安による利益減。これ、Eにとっては意外でした。
海外にも拠点を多く持ち、幅広い製品を製造している企業ですが、円安が深刻な利益減に結び付くということは、意外と製品輸出額よりも海外からの原材料や部品の購入額の方が大きいということですよね。
ちなみにですが、株の取り引きをやっている人なんかはこんな情報を知ると、Eの派遣先を暴いて株の取引で儲けてやろう、などと思うことでしょう。
が、この①②の情報はあくまでもEが働いている周りで起こっている話です。
Eの在籍しているのは、あくまでも本体の企業の子会社の、しかも地方工場です。
なんなら本体の企業とは会社の名称も違うし、多くの製品を製造している本体の企業のいち製品の売上・利益減が理由でいち地方工場の派遣切りを敢行するというだけなので、本体の業績や株価にはほんの一部しか影響していないと思われます。
残念ながら株取引を有利にする材料にはなりそうにないです、念のため。
円安による大幅利益減に話を戻します。
朝礼などでの話によると会社(子会社)では当初、今期の予算を1ドル140円台で立てていたのだという…
大企業の経済アナリストならずとも、普段から投資や資産運用をしていてある程度の経済情報を集めている人なら今年、2024年のドル円相場が1ドル140円台で収まるなどとはまず思ってはいなかったでしょう。
株式投資10年を迎えようかという素人個人投資家のEでさえ、諸々の情報により今年1ドル160円を超えるであろうことなど、当然予想していました(2024年6月末現在、1ドル160円後半)。
ま、悪いことは口にすれば現実になる、と無意識に考えるのが日本人。利益を大きく圧迫する予測を立てるなど不謹慎とでも思って遠慮したのか?
それとも為替リスクを当然のように予想していながらも、社内的な忖度であまりにひどい業績予想値を出せる雰囲気になかった?
何はともあれ、円安が業績の大きなマイナス要因になる構造の企業体質だったことは確かです。
②の受注の大幅減の原因はなんでも「コロナ禍期の前倒し受注が収まったから」とのこと。
はぁ?
よくわからん理由ですが、ともあれ昨年までは増産また増産で工場中を所狭しと製造ラインを増設していたのでEの所属する間接部門も大忙し、派遣社員も続々と入職してきて製造現場も大賑わいだったのと比べると、なんとも閑散とした状態。
今回の大規模な派遣切りは誰が何をしようとしまいと、避けられい事態だったのでしょう。
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2024年3月
話は約3か月前に戻ります。
そう、最初の大規模な派遣切りが行われる前夜。
Eは2月にセブの妻と娘が来日し、各種行政手続きや、妻の運転免許証取得の準備、娘の小学校入学準備で日々忙しい時期でした。
ある日、妻を健康保険の扶養&厚生年金保険の3号被保険者にする手続きのための書類を、派遣会社の担当に届けに行きました。
すると担当の口から出たのがこれでした。
「もうすぐ派遣さんが大量に契約終了になるけど、Eさんは大丈夫ですよ」と。
実はこの頃、すでに派遣先企業の受注の大幅減の予測は、来期の予算という形でそこかしこで語られていました。
その上、現場でも生産量減も明らか。
工場内でストップしている製造ラインが増え、従業員の手が空く時間が増え、派遣社員間でも派遣切りが行われるのでは、と噂が流れ始めてきました。
Eは担当の話を聞いてようやく「あ、やっぱり派遣切りがあるのか」と。
そして「ま、俺は大丈夫。当たり前」と思っていました。
なぜか。
これまでも時々当ブログ内で語ってきましたが、その理由がこれです。
①Eは一般的製造業派遣社員と比べて圧倒的にスキルが高い
②職務内容が独特でEに属人化したものが多い(ように仕向けてきた)
③Eは時間当たりの作業量が平均と比べて圧倒的に高い
「自慢かよ」と思われないようにできるだけ客観的に表現したんですが、要するに「めっちゃ仕事ができる」からそうそう派遣切りには遭わない。遭うとしても派遣社員の中ではかなり最後の方、とかねてから客観的に考えていました。
これには実績もあって、2022年にセブで家族と1か月を過ごすために休みたいと申し出たところ、通常なら契約終了となるところを部署のリーダーが「1か月以上休んでもEさんに復帰してもらった方がメリットがある」と上に言ってくれて帰国後も復帰できたというエピソードがあります。
2022年に派遣先を1か月休んだ経緯についての過去記事です。
ちなみに4月の段階では、同じ部署にEの他にもう一人いる派遣社員(別の派遣会社)オカダくんも派遣切りの対象外でした。
2024年4月
そして4月。
今までラインで見た顔ぶれが数多くいなくなっていました。
Eの派遣会社の派遣社員が停める駐車場も車が半減。
製造現場もこれまでフル稼働していた製造ラインが半分も動かなくなるなど、外から見ても生産減は明らか。
「ああ、派手にやりやがった」と心の中で呟いたE。
派遣社員の中でも間接部分の特殊な業務をしているEはこの時は派遣切りを免れました。
と、最初の派遣切りがあった4月上旬の時点での為替相場は1ドル約151円。
新しい期のキックオフ(ミーティング)とやらの集まりでも円安のことが話題に上り「今後は相当な経費削減を迫られる」とセクションの長からのお言葉が。
当然「経費削減」の言葉には敏感な派遣社員E。
「また来るかも、派遣切り」と、実は最初に予兆を感じ取ったのはこの頃だったのでした。
2024年6月下旬
そして、その時がやってきました。
6月下旬、つまり先週。
Eのスマホに派遣会社の担当からのメール。
長いメールを要約すると、
担当:〇〇社のスタッフ全員に連絡します。生産状況が芳しくなく、次回の更新については終了者がだいぶ多く出るとのことです。明日会社と打ち合わせがあり、そこではっきりするので皆さんにお伝えします。
と。
「あ、いよいよか」とE。
確かに、4月以降も減産が加速していく工場。
派遣社員といえどかなり重要な職務を担っている上に、そこらの社員に全く引けを取らない作業量をこなしているEであろうとも契約終了は全然あり得ると、いつものように客観的に分析。
果たして翌日。
再び担当からのメール(要約)。
担当:残念ながら契約期間満了となりました。次の移動先等、随時ご案内します。
と。
今から考えると、派遣社員たちのショックを軽減させるために一日前に予告しておいただけなのかもですが、予想通り、
人生初の派遣切り
に遭うこととなりました~
今回は同じ部署のオカダくん(Eとは違う派遣会社)も別の派遣先に移ることになりました。
周りで聞く限り、ほとんどの派遣社員がいなくなると推測されています。
今後の見通し
派遣社員である以上「常に今の派遣先を切られたらどうする?」とか「今の派遣先より条件のいい派遣先はある?」という2点については常に考慮しているE。
実は最近のE、今の派遣先で働き続けるのが困難になってきていました。
理由は、過去記事でも詳しく述べていましたがEの昔からの特性である「同一職場3年限界説」のせいだったのです。
派遣の業務って、最初のうちは単純作業を任されて、スキルが上がるにつれて業務が増えたり複雑になったりしますよね。
年月が経つと、同じ部署では業務が固定化されて新しいスキルを覚える必要がなくなり、既存の業務がより複雑化されていく、という傾向がありますよね。
派遣社員に指揮命令をする会社側の要求も、時給の上り具合と全く比例しないことなどお構いなしに、自然と高まりますよね。
Eは昔から派遣社員という雇用形態に限らず、同一職場で3年を過ぎるころからこのマンネリでありながら業務が面倒になるという現象に耐えられなくなってくるのでした。
現時点でEは現派遣先で3年と8か月。
「同一職場」で言えば人生最長の領域に突入。
新人の時に最初に与えられた、比較的単純作業の部類に入る業務でさえ、当初よりかなり複雑化され、正確性も要求されるようになってきました。
するとどうなるかというと、日がな一日「めんどくせ~」「やりたくね~」の連発です。
それでも年齢の問題もあり、居れるだけ居座わろうと腹をくくっていたEですが、日々相当なストレスがたまり始めていたのでした。
なので、契約終了の一報を聞いたEは意外にも、
もんのすごい解放感を感じたのでした~
では、今後の収入は大丈夫なのか?
今後の収入
当面は何とかなると思います。
なぜなら、現在のところ米国株式が好調で、しかも歴史的円安ドル高だから。
Eは数年前から資産運用を米国株にフルコミットしてNISA枠はもちろんのことNISA枠外でもエヌビディア社などの個別銘柄を始め、ETFや米国債券など資産のかなりの割合をドルで持っています。
エヌビディア株の爆上げと、いよいよ160円を完全突破した円安ドル高のおかげで、ここ数か月は派遣の月給を上回る資産増と利益確定を実現しています。
ちなみに今月6月は細かく計算はしていませんが、前月比でざっと30万円ほど資産が増えています。
大統領選のある年は、選挙が終わるまで米国株は上がるというかなり顕著な傾向もあるのでしばらくはそこそこの資産増が期待できるのでは、と思っているところです。
円安で困っている人、困っている企業は多くあるでしょうが、外国資産を多く持つ人は逆に潤っているわけです。
ちなみに米国資産の比率は今後もっと増やしていく予定です。現在買い増しのチャンス、日本政府の為替介入を待っているところです。
円安でEの資産が増える。
そして逆に派遣先企業は円安で利益が減る。
これ、円安による利益の大幅減によって派遣切りをされるEにとっては最高の美酒です。
だって、いかにうんざりしている職場であろうと
辞めさせられて気分がいいわけがない
ですから。
もっと円安になれ~♪
今後の業務
当然ですが、辞めさせられて気分が悪いから、引継ぎだとかはまあ最低限ょうがなくやります。
自分用に作った作業マニュアルなどは全消去して辞めるつもりだし、自分が辞めるまでに必要なさそうなものはすでに消去しました。
今後Eの業務を引き継ぐ社員が決まります。
今後の業務はその引継者に責任が移るわけだから、どうなろうと知ったことではありません。
引継者はかなりの地獄を見ることでしょう。
Eの所業を見ると、派遣切りは現場の社員のせいではないだろう、と思うかもですよね。
別に何とも思いません。
上が決めた大量の派遣切りによって工場中の残された社員の多くはのしかかる業務で地獄を見ることでしょう。
が、その社員にも「辞める」という選択肢はあるわけで、莫大な業務がのしかかる地獄か、辞めるのか、のどちらの選択もできるというだけの話です。
派遣切りに遭う派遣社員に選択肢はありませんから。
そんな感じで最後の1か月をのんびり楽しんで過ごすつもりです。
まとめ
というわけで、Eは8月に職を失います。
今のところすぐに働く気はありません。
子供も夏休みだし、お盆休みがあって転職には向かない時期だし、海に行ったり山に行ったりと、
夏を満喫しますから♪
派遣会社の担当は「一回面談しましょう」と言っていましたが、契約終了となる派遣社員の人数が多いせいか面談の日時は未定です。
今後もEの派遣切りの行く末を語っていきます。
次回をお楽しみに!