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ポリテクセンターの活用法、続編 Eのポリテク体験記

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ポリテクセンターについての続編です。前回語ったように求職活動の救世主ポリテクですが、仕事をしない6か月という長い期間をどう過ごすかはその後の人生に影響を及ぼします。
Eはポリテクでその後の人生を変える成果を得ることができました。今回はEがどう中国語や英語のスキルを身に着け、人生にどう役立ったかを紹介します。

今回はEが2回のポリテク体験をしたうちの1回目について語ります。

Eの最初のポリテク体験

ポリテクに入所して30~40人いるクラスの中を見渡すと、ポリテクで講習を受ける以外に何か別のことに取り組んでいる人は僕以外にもちらほら見かけられました。

例を挙げると、

  • 電験三種や危険物取扱者、エックス線作業主任者(確か?)などの資格試験の勉強をしている人、
  • 講習を休んで玉掛けの技能講習を受けに行く人、
  • Webデザイン系に就職を目指してホームページを作り込んでいる人

など。
何人かの人たちはぬるま湯のポリテクの講習の他に再就職に向けて何かしらの課外活動をしていました。僕が目にしてないだけで他の人たちもいろいろと取り組んでいたのかもしれません。

とはいえこうした再就職への努力がすぐに報われたかというと、その後の就職に直結したという人は 僕も含めて ごくわずかでした。

すぐには報われなかった、と言いましたがその後の人生で何かしらポリテクの6か月の努力が役に立つ場面があるものです。

ではEはどのような課外活動をしていたのでしょうか。
※11年も前なので若干記憶が曖昧です。

Eのポリテク体験 概要(1回目)

時期 2009年1月から6月末。Eはこの時30代後半
概況 リーマンショックの影響で最も求職活動が困難な時期でした。入所試験も定員オーバーで試験には定員(確か20人)の倍くらいの人が来ていました。通常時は7~8割の人が終了前に就職が決まるらしいですが、この時修了時に就職できたのはわずか2~3人だったと思います。

年代は20代から50代までまんべんなくいました。当時の社会状況から純粋に職がなくて経済的に困って失業保険の受給のためにやむなく駆け込んだという人が多く、スキルを身に着けるために目的意識をもって入ったという人は少ない感じを受けた記憶があります。

在籍クラスの主な講習内容
・汎用旋盤・フライスの取扱い、金属加工の実習
・NC切削機器の取扱い、プログラム作成、金属加工の実習
・Auto CAD(2D-CAD)の操作方法、機械図面作製の実習
・SOLIDWORKS(3D-CAD)の操作方法、機械図面作製の実習

その他に、講習には就職相談などで空き時間もあるので、自習時間に教官のアドバイスでexcelの初級~中級の教本を借りて講習で使う自分用のパソコンで勉強したりしていました。

Eのポリテク講習以外の課外活動 中国語

Eがこの時ポリテクに入った最大の動機は、講習以外の時間を利用して中国語検定2級の資格を取りたかったからでした。
何しろその当時、台湾で中国語を勉強してそこそこ話せるようになっていたにも関わらず中国語について履歴書に書けることがゼロでしたから。再就職先も中国語のスキルを活用して再び外国で働きたいと考えていました。

まず台湾と中国本土とで文字も発音も使う言葉も大きく違っていて、そこから勉強し直して約2か月半の試験勉強で中国語検定2級に合格しました。
どれくらい勉強したかというと、

平日は講習の合間や昼休みに勉強、朝も早目に来て30分くらい勉強。
帰宅してから1~2時間勉強・
土日は喫茶店やファミレスで1日1~2時間勉強。

特筆すべきは、この時費やした勉強量はその時点で僕の人生最大のものでした。
学生時代コンスタントに勉強する習慣を全然持てなかったので大学受験の時でさえ日々の勉強時間はこれより短かったくらいです。

Eのポリテク講習以外の課外活動  TOEIC

次に挑戦したのが英語、TOEICの受験でした。
海外就職に求められるのは結局は英語。中国駐在の仕事でさえ中国語でなく英語のスキル、TOEICのスコアが求められます。

英語は30代前半にNOVAで200コマの授業を受けたり約1年間のアジア旅行の間、当然日本語は通じず英語でやり取りするしかない生活をしていたなど、英語でそこそこのコミュニケーションをとることはできていました。
が、中国語と同じく履歴書に書けることがゼロ。求職活動の本命だった地元企業の香港支店の職もTOEICのスコアを応募条件にしていました、確か600点。

初めてのTOEICには苦労しました。
まず、試験問題の量が莫大。初めて試験時間を意識して問題を解いた時、時間内では半分以下の問題しか解けませんでした。そしてTOEICならではのビジネス英語語彙。まあ知らない単語だらけでした。

中国語検定終了後、すぐにTOEICの勉強に切り替えて試験日までの2カ月弱、勉強時間は中国語検定の時の約1.5倍に増やしました。

全く予想がつかなかったけど結果は 590点(確か)。まあ初めてにしては上出来かなと。
その後受ける会社にことごとく落とされポリテクの6か月も終わり、毎日全部が自由時間の失業生活に入り暇をつぶすためにもTOEICの勉強を続け、次の回の試験で自己最高点の740点を取ったというわけです。

その後の成果

・汎用旋盤・フライスの取扱い、金属加工の実習
・NC切削機器の取扱い、プログラム作成、金属加工の実習

この二つは残念ながらその後の人生で役に立ったことはありませんでした。講習を受けているときもこれはかなりの熟練が必要だなと感じていましたし、正直興味が持てなかったので割と早めに捨てていたのが実情でした。

・Auto CAD(2D CAD)の操作方法、機械図面作製の実習

ポリテク卒業後やっと決まった就職先が司法書士兼土地家屋調査士の事務所に就職。測量CADで土地建物の測量図面の作製。

・SOLIDWORKS(3D CAD)の操作方法、機械図面作製の実習

会計事務所時代の顧客だった社長に誘われてアパレル関連会社に就職。3D-CADでデザイン図面の作製。

・授業の合間に勉強したexcelの中級程度の技能

会計事務所で顧客ごとに必要となる計算のフォーマットを作って作業の時短に貢献するなど、様々な場面で役にっています。

・中国語検定2級

社会保険労務士の資格を取った後に応募した会計事務所で採用された最後の決め手は実は資格欄に記入した中国語検定2級のスキルでした。
その会計事務所は別会社や組合を持っていて、その中に外国人技能実習生の監理団体の仕事もあって中国人労働者の受け入れやケアを行っているものの中国語が話せるスタッフがいませんでした

社会保険労務士としては経験がなかったためか他に応募した事務所同様、一度不採用の通知が届いたんですが、その後不採用を撤回してやっぱり面接に来ないかとの連絡を受けて、最終的に採用されるという大逆転がありました。

・英語、TOEICスコア740点

仕事上で実際に役立ったことはありません。
が、ほんの2週間前に派遣会社からソフトウエア会社の外国からの問い合わせメールの受け答えをする部署の仕事をやらないかという話をもらいました。

結局その仕事は製品内容を理解するために遠隔地で1週間の研修が必要といわれ、僕は家庭事情(親の介護)のため困難だったんでなしになりましたが、採用の基準にTOEIC700点以上ともあり、当時の勉強があったからこそ在籍する派遣社員の中で僕にだけこの話がきたわけです。

ポリテクで得た最大の成果

と、僕がポリテクで身に着けた個別のスキルについて語りました、しかし僕があの時ポリテクで得た本当に貴重なものは別にあります。

それは、
「努力の習慣」です。

僕はポリテクを修了してなんとか就職した後、今度は仕事をしながら、ポリテク時代よりも数段ハードに日々長時間の勉強を約2年続けることになりました。
社会保険労務士の試験勉強です。

その2年を思い返すと、地獄の日々という言葉しか出てきません。
経験から言うと、まず仕事のある日に勉強を始めることすら至難の業でした。家に帰ってなかなか勉強を始められなくてようやく10時頃テキストを開き結局1時2時まで睡魔と戦いながらへとへとになるまで勉強して寝る、ということも何度もありました。

それができたのはあの時のスキル習得に取り組んだポリテク生活で毎日少しでも勉強を継続するという習慣を6か月続けた経験があったからこそでした。

この習慣は多少のブランクがあったとしても消えることはありません。現に僕は社労士試験合格から4年後、2回目のポリテク生活の期間に約4か月猛勉強して宅建士試験にあと1点で合格(自己採点)というところまで行きました。

まとめ

どうでしょうか。これが僕が最初のポリテク生活で手に入れてその後の人生で役に立ったスキルです。
・CADの操作方法
・中国語検定2級
・TOEIC自己最高点740点
そして何よりも
・いつでもon-off 可能な努力の習慣

これを身に着けた人は、例えどんなに苦境に陥ろうとも、会社が突然倒産になろうとも、コロナ不況が長引いて派遣切りに遭おうとも、必ずまたはい上がっていけるはずです。

人生でつまづいたらポリテクの門を叩きましょう。
そして一日1時間でも前に進むための何かに取り組みましょう。6か月という時間をぬるま湯にするか人生を救う鍛錬の場にするかはあなた次第です。
ではまた!

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