労働法

同一労働同一賃金で待遇改善を!~日本の労働環境を変えるには

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最近ニュースでも耳にするし非正規労働者の僕らが自分のたちの身に直接関わってくるものに4月からの労働法の改正がありますね。
『同一労働同一賃金』と言われるものがそれです。今年(2020年)の4月1日から大企業で適用されます。(中小企業では2021年4月 1日 から)僕の派遣先の企業も適用されます。
Eのブログでは改正後の労働環境がどう変わるのか、非正規労働者がどうかかわっていくことが必要かについて解説します。
改正の詳しい内容についてはここでは特に解説しません。 多くの社労士サイトやYoutube動画などで解説されているので是非それらを参照してください。

同一労働同一賃金についてのわかりやすい動画があります

この法改正、極めて解釈が複雑で内容について厚労省自身HPで多くの文書を公表して説明を試みています。
厚労省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.htm

上記のHPの中にあるこの動画による解説 がかなり理解の助けになるかと思います
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/same.html

(パートタイム労働者・有期雇用労働者編)と(派遣労働者編)があり、どちらの働き方をしている人にもこの動画は必見です。僕がこれまで見たどんな解説の文書やHP、社労士の解説Youtube動画などよりわかりやすいです。

内容は例えば、

  • 非正規雇用労働者は自身の待遇について事業主に説明を求めることができ、事業主は説明の義務が生じる。
  • ある会社は正社員は交通費の実費相当を支給、パート・有期雇用はなしだった→4月1日以降、全員に支給が必要になる

など具体的な例も示されています。

同一労働同一賃金の基本的な概念がわかるし、給与はどうやって決めるべきか、何が不均衡な待遇差で何が不均衡でないか、不均衡だと感じたらどうすればいいか、派遣社員については派遣元は何をするべきか、などが10分程度で理解できます。

4月1日の改正後の待遇はどうなる?

僕もこの動画見るまでよく理解できなかったし多くの部分誤解してました。
この動画、2月26日に公開されてます。施行までわずか1か月とちょっと前の公開、遅すぎですよね。

というわけでこの法改正、かなり労働者に寄り添った内容です。これなら非正規労働者の賃金も待遇もかなり改善されそうな感じですよね。

でも、Eはそう簡単にはいかないと思っています。
僕の予想では、ほとんどの企業で基本今までと同じか、給料が上がってもわずかでしょう。場合によっては下がることもあり得ると思っています。
同一労働の比較対象となる正社員の給料を下げるという短絡的な策に出る会社も出てくるでしょうから。

経営側のとある習性

これはEの社会保険労務士時代の経験からです。
会社の経営者というものは国が労働者に良かれと思って何かの施策を始めると、とにかく現状維持に固執して労働者に支払う賃金を1円でも増やすまいと必死に行動します。そしてその方法がないか社労士に相談します。
例え経営に余裕があって多少の賃金を増やす体力があってもそうします。まるで誰かに負けることを恐れるかのように。

このことは経営側の心理から説明できます。
会社は常日頃から労働者を支配する対象として見ています。 会社が 労働者側から何かしらのコントロールを受けるなどということは彼らのプライドにかけて絶対に受け入れられません。
それが今回、国の後押し、いや圧力を受けて労働者に払う給料が増やされようとしています。つまり会社が労働者側にコントロールされようとしているわけです。そんな事態は何としても阻止しなければ、と会社は考えます。

では彼ら経営者たちはどうするか、抜け道を探します。場合によってはどうせ労働者はクビになりたくはないだろうからどこかに訴えたりなどしないだろうとタカをくくって堂々と法を犯したりもします。
これは事実です。僕は2年ちょっとの社労士経験の中ででそれを散々見せられました。

労働者の待遇が改善されるタイミング

国は労働者の待遇について労働者派遣法が制定されるなど一部を除いて、基本的に労働者の待遇を改善する方向にもっていこうとしてきました。

例を挙げれば、
ひと昔前に「名ばかり管理職」が問題になっていましたよね。
昔のEがまさにそうでした。
新卒でレストランチェーンの会社に入り4年目に小規模店舗の店長、5年目に大規模店舗の副店長になり、労働基準法でいう「管理監督者」として残業手当が一切払われない立場で働いていました。
当時は多くの会社がこの法律の抜け穴を利用して人件費を浮かせていました。そういえば自分もそうだった、という人も少なくないかと思います。

それが平成20年のマクドナルド事件をきっかけに「店長(職責名)=管理監督者ではない」ことが世間に広く認知され多くの会社で改善がなされたということは記憶に新しいと思います。

それというのもマクドナルドという日本中の誰もが知る超有名企業の店長が裁判で争って出された判決だったからこそ世の中の経営者たちが動かざるを得なくなったという側面があります。
思い返せば、近年話題の働き方改革(今回の法改正もその一環)も最近では電通、ちょっと前ならワタミが過重労働による自殺者を出して世間を騒がせたことがきっかけのひとつになっていますよね。

逆に言うと無名の会社で何か起ころうと世の中は動かないともいえます。
実際に2019年の一年間だけでも過労死もしくは過労を理由に自殺した人の数は労災認定されたものだけで158人、職場の人間関係など仕事を理由に自殺した人の数が2018人もありました。
つまり電通やワタミのようには世間で話題にならなかった埋もれた事件がこれだけあったというわけです。

Eが見てきたこと

これはEの経験です。
僕が新卒で就職したレストランチェーンの会社は首都圏や大阪など多くの店舗があるので辞めてからも何年かに1回は食べに行くこともあるんですが、数年前に行ったときに知り合いがまだ働いていて様子を聞くと、今の店長はちゃんと週休二日取っているし残業手当も払われているとのこと。いい時代になったなーと思ったものでした。
やはり企業はコンプライアンス違反が公になった場合の経営への打撃を考慮せざるを得ないでしょうからね。
僕の感じでは現在働いている派遣先のような上場企業を中心とした規模の大きな会社が比較的労働法規を守っている気がします。

もうひとつEの経験。
僕は超ブラックな会計事務所に勤務していた頃、何人かの同僚と(辞めた同僚も含む)日常的に長時間労働であるにも関わらず残業手当が1円も払われていないという現状を労働基準監督署に訴えたことがありました。

これについては後日改めて詳しく解説したいと思いますが、ざっとその時の経過です。

匿名で労基署に電話(僕がしました)、立ち入り調査を依頼
匿名だと強制力のないランダムな調査の一環としてしかできないといわれるが名前出しは無理、とりあえずやってもらうように依頼(親身に聞いてくれました)
数日後、労基署員がランダムな調査として事務所を訪問するが、今経営者がいないし対応できないと断って帰す (僕の直接の上司の社畜社労士が対応)
辞めた同僚が在籍当時の終業時間の記された業務日報と給料明細を持って(同じ部署だった同僚が資料提供)直接労基署に不払い分を支払うよう訴える
経営者の税理士先生が労基署に呼び出されて起訴寸前までいき(形だけの)改善がされる

その後、結局残業手当は最後まで払われなかったし、過去の不払い分の支払(直接訴えた辞めた同僚と在籍社員全員分)についても、とある抜け道を使われて実質払われなかったけど、全体的に残業が激減するなど若干の効果はありました。

まとめ

4月1日以降、次のことに留意して世の中がどうなるか、自分の会社がどう対応するか注目していきましょう。

①労働法改正などで労働者の待遇改善があった時に経営側がどう動くかの習性を理解しましょう。一般的に改善の内容はどうであれ労働者にコントロールされることに拒否反応を示します。
②会社が待遇改善に動くのは世間全体の大きな風が吹いた時だけです。これまでの例ではマクドナルド、ワタミ、電通など超有名企業で重大な問題が起こった時に大きな風が起きていました。
③とはいえ明らかに不公平だったり耐えがたい過酷な労働環境は然るべき役所に訴えましょう。労基署でなくても各都道府県にある労働局(労基署の上の官庁です)で無料・非公開で労働紛争を手伝う裁判外紛争解決手続き(行政ADR)を行うという制度もあります。

ともあれ 労働者が勇気を出して声を上げることが会社を、ひいては世の中を変えるきっかけになります。
日本の労働者の未来はあなたが変えるのかもしれません。
ではまた!

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