50代派遣社員Eの近況です。
2020年10月に現在の派遣先、一部上場企業の地方工場で派遣社員として働き始めて3年が経過しました。
労働者派遣法によると派遣社員が同じ職場で働けるのは3年まで、という「派遣3年ルール」なるものがありますが、今だに同じ職場の同じ部署で働いています。
Eのこれまでの職歴では3年以上同じ職場で働くことは稀で、最長が新卒で就職したレストランチェーン企業での8年半でした。
どの職場も辞めるなりのやむにやまれぬ理由があったわけですが、それを別にしても3年経つと職場にも仕事にもある限界を感じるE。
そんな元社会保険労務士Eの派遣社員4年目の憂鬱について語ります。
同一派遣先で3年経過
Eは現在、地元の派遣会社から有名一部上場企業の地方工場に派遣されて働いています。
かれこれ働き始めて3年と1か月。
あれ?
派遣社員って同じ派遣先で3年間しか働けないのでは?
と思う人も多いでしょう。
その通り、労働者派遣法ではそう規定されています。
派遣3 年ルールとは
引用元:総合人材サービスのマンパワーグループHP
労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣社員の保護等に関する法律、以降労働者派遣法と記載)では、派遣社員が同じ事業所の同じ部署で就業できる期間は、派遣就業開始日から原則3年までとしています。これを一般的に「派遣3年ルール」と呼んでいます。
「派遣法の3年ルールとは?メリット、デメリット、契約を延長する方法」
ところが、実は派遣社員が3年以上同一企業の同一部署で働ける方法はいろいろとあります。
上記の引用元HPの「3年を超えて働いてほしい場合の対処法」によれば、
・直接雇用に切り替える
・部署異動する
・派遣会社と無期雇用化について相談する
とあるようです。
これは派遣先企業からの視点ですが、派遣社員と派遣会社との「3年を過ぎても派遣社員として働きたい」「働いてもらいたい」という利害が一致すれば上記の方法で3年を超えて働けるわけです。
そもそも「派遣3年ルール」は派遣先に[3年続いた派遣社員は正社員にすることを検討しろよ」という雇用の安定を目指した(とはいえかなり現実離れしてる)法律のようです。
確かに派遣社員が「正社員にしてくれないなら法律通り3年で辞めます」と言ったとして、派遣先がその派遣社員を本当に必要としていれば正社員として直接採用することもあり得るでしょう。
が、もちろん派遣社員を使っている企業のほとんどが「福利費がかさむ上に簡単に解雇できない正社員を増やしたくないから」派遣社員を使っているという現実があるわけで、「派遣3年ルール」は雇用の安定を目指すにしてはかなり現実離れしたルールと言えます。
とは言え、Eはむしろ正社員になど全くなりたくないし、逆にもし「正社員にならないなら契約終了する」と言われれば「なら辞めます」と他を探すことでしょう(給料が破格なら半年くらいならやってみますが)。
派遣社員の無期雇用化
Eは現在の派遣会社で6年半働いていて、今の派遣先が3つ目です。
最初の派遣先だった地元工場で3年目を満了する直前に派遣会社から「Eさん、無期雇用にしていいですか?」と打診されました。
そう、3年を超えて働くための3つの方法のひとつの「無期雇用化」を提案されたのでした。
もちろん派遣先との契約は有期雇用ですが、派遣社員を雇用する派遣会社とは無期雇用。
ちょっとよくわからない状況ですよね。
正直当事者であるEも詳細はよくわかっていません。
例えばこんなケースではどうなるのか?
派遣先から現契約期間を最後に契約終了すると言い渡された。
そもそも「正社員」って無期雇用の労働者のことであって、解雇って相当な理由がないとできなくて、そうでないと裁判沙汰になれば不当解雇で解雇無効になったり、会社に高額の慰謝料の支払いが発生するケースもあります。
派遣社員といえども無期雇用なら派遣会社の正社員の位置づけになるわけだから、派遣会社は派遣先との契約が終了したからと言って解雇できません。
ということは、上記の派遣先との契約が切られたというケースでは恐らくこういう対処がされるんじゃないでしょうか。
①派遣会社はすぐに別の派遣先を紹介する
②すぐに働ける派遣先がなければ空白期間になにがしかの賃金を支払う
③長期間派遣先が見つからなくても一定の賃金を支払う
④派遣社員の選り好みなどによって長期間派遣先が見つからない場合はもめる
以上は元社会保険労務士Eの仮説に過ぎません。
②以降のケースでどうなるかは各当事者で様々でしょう。
なるほど、今の派遣会社での二つ目の派遣先であったIT系の会社では派遣先から契約終了とされたんですが、終了日前に派遣会社から次の派遣先(現派遣先)を紹介されました。
ただ、その時には働き始めるまでに派遣先側の都合で2週間ほどの空白期間があり、Eはその間有給休暇を取得しました。
もしEが有給休暇を取ることを拒否して「賃金」の支払いを要求していたらどうなったかは興味ありますが当時それには考えが至りませんでした。
が、もし空白期間が有給休暇で賄えないくらい長期に及んでいたとしらEのことですから「賃金」を要求していただろうと思います。
現派遣先に転職した経緯についての2020年10月投稿の過去記事です。
同一派遣先3年限界説
そんなわけで、すでに何年も前から今の派遣会社の無期雇用労働者となっていたEは、現派遣先で先月2023年10月に何も起こることもなく、何も言われるでもなく4年目を迎えたのでした。
さてEはこれまで数多くの転職を繰り返してきました。
勤続期間は最長が、新卒で就職したレストランチェーンの企業での8年半。
30代に入り台湾で日本語教師などやったり、帰国してからもいくつかの会社で正社員として働いたりして40代後半から派遣社員になって今に至ります。
8年半働いたレストランチェーン企業でも同一店舗での勤続年数は3年半が最長。その後正社員では全て勤続期間3年未満。
最初の派遣先の地元工場が3年2か月(この時に無期雇用化)。
つまり、ほとんどの職場が3年前後で替わっているわけです。
ということは、今現在勤続3年1か月、今のところ派遣先を替える予定のないEは、現派遣先で過去最も長い同一職場での勤続年数を迎えることが確実なわけです。
そんなここ最近、派遣先で働いているとふと思うことがあります。
違う職場で違う仕事がしたい
と。
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4年目の憂鬱
Eは現派遣先で製造ライン工ではなく、派遣社員の中でも数少ない「保守・保全」的な部署で働いていますが、「違う職場で違う仕事がしたい」と、いつ、どういう場面でそう思うのか。
自己分析してみました。
・慣れたルーティーン以外の仕事を命じられると「めんどくせ~」と思う。
・自分の作業結果に注文を付けられると「うるせえな~」と思う。
・急ぎの仕事を受けると「逆にゆっくりやろ~」と思う。
という感じです。
要するに「意欲がなくなった」「なんだかイラつく」といった状態です。
そして思い返せば、
これまでの全ての職場で3年経過すると同じ感覚を味わってきた
のでした。
現派遣先で最初の1年は特に充実していました。
Eは一般的な工場勤務の派遣社員と比べて圧倒的なスキルとポテンシャルを活かして、本来の契約上の業務を大幅に超える業務をこなし、2年間で2回の時給アップを自力で交渉することによって勝ち取る、という成果を上げました。
これはまさにゲーム感覚で達成感を得られ、「時給を上げる」というモチベーションのために日々の仕事に意欲的に取り組むことができていました。
が、3年もするとさすがに自分の業務の枠は固定され、職場で必要とされるスキル自体それ以上なくなってきます。
派遣先もEの時給アップを阻止するためか、Eに新しい仕事を回さないようにされたフシもありました。
時給アップの経緯についての過去記事です。
するとどうなるかというと、現在Eは「そこにある仕事をこなすだけ」です。
そこにモチベーションはありません、ゼロです。
これと似たような現象が過去に何度も起こっていたわけです。
4年目に突入。
今後もEは現派遣先に居れるだけ居座るつもりです。
その理由はこれです。
①50代も半ばを迎えようかというE、他の派遣先を探すにしても年齢がネックになる。
②実際に年齢により以前より疲労を感じるし、確実に疲労がとれにくくなっている。
③これまで3回の時給アップを実現しているので、派遣先が変わると収入が下がる。
④現派遣先は何かにつけて緩い。
と、今の派遣先ではいろいろとメリットがあるのでした。
なんだかんだ、Eの部署の日常業務は自己裁量が可能で製造ラインで働く人たちより緩いんですよね。
これらのメリットに比べればモチベーションの低下などは取るに足らないことではあるんですが、一日の大半を「こなすだけ」の時間に充てることって結構苦痛です。
「こなすだけ」ならできるだけ楽をしたい、となるので面倒なことを言われるとイラっときます。
3年も同じ職場にいると、元いた人も異動でいなくなったりして、派遣社員とは言えそれなりに古株になってきます。
そうなると同じ業務でもやや面倒なケースに対応できるのはE、となって面倒な仕事が回って来る確率が上がります。
それをやり遂げればまあ達成感はありますが、現実的な見返りといえばたまに重宝されるから「切られはしない」ということくらい。
今後は同一企業同一職場での過去経験のない領域に入っていくわけです。果たしてこの「こなすだけ」の日々に耐え続けられるのでしょうか?
そういった側面を考えると、もしかしたら「派遣3年ルール」って派遣社員に常にやる気を持って働いてもらうための、意外と意味深い制度だったのかも。
な、わけはないか…
派遣社員ランキング
まとめ
現状、職場はそこそこ忙しく、人手不足気味でもあり、当面Eが契約終了の「派遣切り」に遭うことはなさそうです。
このまま地元に住む限り現派遣先が最善と言える状況。
Eはとりあえず60歳まで可能である限りは日本で働く予定でいます。
何事もなく予定通りことが運べば、現派遣先に派遣社員として通算約10年働き続けることになる?
が、これまでもリーマンショックやコロナ禍があったように世の中の労働環境がどう転ぶかわかりません。
近い将来、南海トラフ巨大地震が発生すれば日本経済はこれまで経験したことがないような大打撃を受ける可能性もあります。というか十中八九そうなって世の企業は真っ先に派遣切りをすることでしょう。
「その日」が来るまで「こなすだけ」のぬるま湯で過ごせるのは幸運といえば幸運ですよね。
これからも50代派遣社員の職場での日々についてお伝えしていきます。
次回をお楽しみに!
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