大人になって初めてもそこそこ通じる英語、第二弾です。
前回、Eが少年時代にひたすら洋楽を英語の知識ゼロで音だけを完コピして歌ってきたことで、通じる英語が身についていたという体験を語りました。
そしてそれは言語というよりはかっこいいサウンドの一部としかとらえていなかったために、30代になって英会話の勉強を始めた時には何も話せなかった、というオチもありました。
その後、約1年にわたるアジア放浪旅行で旅行英会話の実力だけは向上したというところまでは述べました。
今回は、なぜEが10年以上もの間、英語の学習を中断したのか。
その間に何を勉強しどれくらい上達したのか、を語ります。
ちなみに答えは、中国語です。
前回の記事です。
アジア放浪旅行、その後
アジアでの約1年に及ぶ放浪旅行から帰ったE。
日本の生活に戻ると旅行前に3か月毎日のように通っていたNOVAにまた通い始めました。
最初に申込んだ授業数がまだかなり残っていたからです。
放浪旅行、その後の英語学習
復帰すると改めてレベルチェックのためかネイティブ教師とフリートーク。
受付にどんなだったか聞くと「Eは私の言うことをすべて理解していた」とのこと。
それはそうです。
日本人向けに滑舌よくゆっくり話す英会話学校のネイティブ教師の話す内容を理解することは、1年間英語以外に頼る言語がない環境にいて、数倍早くしゃべる欧米人旅行者とも会話してきたEにはたやすいことでした。
もう鍛え方が違います。
そのあとすぐにクラスがランクアップし、残りの授業を全部受けてNOVAを卒業(?)したのでした。
と、1年の放浪旅行は確かにEの英語力を伸ばしましたが、この後Eは10年英語を使わなくなります。
理由は、中国語の勉強に時間を費やしたからです。それもかなり本気で。
中国語を始めた理由
Eは、2003年から10年、途中3か月ほどを除いてほとんど英語に触れることがありませんでした。
その理由がこれです。
・日本語教師として台湾で3年暮らし、中国語の学習を始めた
・帰国後も中国語圏の友人たちとの交流が続いた
・いつかまた台湾に再移住するつもりでいた
中国語は台湾の台中市で日本語教師の仕事を始めると同時に、中国語会話の学校に通い始めました。といっても週に3時間ほど。
その後、猛烈な努力と台湾人の友人たちの協力のおかげでEの中国語の能力はぐんぐんと伸び、いつしか英会話の能力をはるかに超えるまでになっていました。
理由はいくつかあります。
Eが1年旅行したとはいっても所詮は旅行。
英語で会話をすることが義務なわけでもないし、どうしても面倒な内容の会話をしなければならないような場面もほぼない。
ところが台湾に住むとなるとアパートを探すにも銀行で口座を作るにも、どうにか覚えたわずかな語彙と未熟な発音で何とかしなければならない。
それに日本語学校の生徒を始め、台湾での交友関係が広がっていくとやはり中国語で話したくなる。
というわけで強いモチベーションもあり、その後10年間は帰国後も日本で中国人の友人を作ったり、旅行で台湾に行っては友人たちに会い、ネットで友人を作っては香港や中国も旅行し、と中国語圏とのかかわりにどっぷりと漬かったのでした。
そんな中で、一度だけ英語にかかわる機会がありました。
転職活動のためにTOEICを受けることにした時でした。
TOEIC受験体験
リーマンショックの少し後のことでした。
転職に役に立てばとTOEICを受けてみることにしました。
TOEICは毎月どこかしらで開催しているんでとりあえず直近の試験に申込み、勉強時間1か月くらいで受けてみました。
書店で初心者向けのテキストを買ってきてやってみると、筆記の問題量の多さに驚きましたが、初受験のTOEICは590点でした。
地元企業の海外駐在の募集によくあるのが、TOEIC650点以上というものが多かったから、これではダメだ、ともう一度挑戦。
2か月後の試験で740点。
この時のEの勉強法はこんな感じでした。
・文法問題を毎日やる
・長文問題も毎日やる
・リスニングの問題集の音声を毎日聴く
・模擬テストを時々やる
・英語のyahooニュースを毎日読む
結局、海外駐在は実現しなかったんですが(受けたけど全部落ちました…)、TOEICの勉強はそれまでまとまりもなくバラバラに覚えていた文法が整理され、語彙が格段に増えました。
中国語の学習
その他、香港に旅行した時などは、香港には北京語(普通語)が話せない人も結構いるんで、レストランや買い物の時にはとっさに英語を使わなければならない場面が起きたりします。
そんな時に、完全に中国語(北京語、普通語)のモードになっているとホントに英語が出てこないんですよね。
英語で話し出しても途中で中国語の単語が混じってしまったりと。
と、相変わらず中国語どっぷりで2012年頃には台湾人や中国の南方の人々の発音ならほとんど普通に会話できるし、小説なども普通に読めるくらいまでに上達していました。
正直、英語ではこのレベルには全然届いていません。
勉強の期間や本気度は英語も中国語もそう違いはありません。
理由は、日本人にとっての学習のしやすさだと思います。
中国語はあらゆる面で日本人にとって英語より習得しやすい言語だと思います。
英語 English 英文 | 中国語 Chinese 中文 | |
発音 | 困難(多くの日本人がカタカナ英語から抜けられない) | 台湾、中国南部の発音なら比較的簡単。四声の区別はやや困難 |
文法 | 動詞の活用、単数・複数、冠詞、前置詞など複雑 | 時制なし、活用なし、文学的表現以外は単純 |
単語 | ローマ字の組み合わせは日本人にとって無機質で習得困難 | 漢字の組み合わせは日本人にとってなじみやすく覚えやすい |
聴解 | ネイティブ発音の聴き取りは困難 | 台湾、中国の南方の発音は聴き取りやすい |
中国語は学習初期に学ばなければならない発音が難関ですが、それを乗り越えればどこまでも伸ばすことができる言語です。
どの言語もそうですが、中国語にも日本語にない発音があります。四つのアクセント、四声の区別も初めはかなりてこずります。
ちなみにEは中国語を発音記号の通りに発音しておおむね通じるようになるまでに半年かかりました。
ただ英語の「r」の発音や、例えば " Good morning " の語尾の「ド」や「グ」の強すぎる発音をやめることが一生できそうもない日本人が多いことを考えると中国語の発音の方が全然簡単です。
ところで「謝謝」の発音は「シェイシェイ」ではありません。
「シエシエ」です。
カタカナ英語と同じように広く日本中で誤解されているようなので。
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まとめ
そんなわけで、次にEが英語の勉強を再開し、日常的に英語を使うようになるのは、台湾にわたって中国語にどっぷりと漬かるようになり英語学習から離脱した時から12年を経た後のことでした。
きっかけは長いこと台湾、香港、中国本土、と中国語圏以外の国に旅行していなかったこともあり、久しぶりにタイを訪れて英語を使わざるを得ない状況に身を投じたことからでした。
今回の記事でみなさんの参考になることが何かというと、
細く長く、たとえ長い中断を経てでも、中国語と比べて英語の習得が難しかろうとも、学習を継続していれば英語は話せるようになる、ということです。
みなさん、あきらめずに続けましょう。
次回をお楽しみに!