日本人の派遣社員Eと、セブ出身の妻Jとの間にセブで生まれた娘K。
すくすくと育って、現在3歳。
もうあと数か月で4歳になります。
そろそろ幼稚園に通う年齢です。
パンデミックがなければ今頃日本に住んでいて日本の保育園に、となっていたでしょうがそれができない世情。
二人の中学生のお兄ちゃんもいるのにフィリピンの教育システムをよく理解していなかった自分を反省。
娘の成長で差し迫った問題になったので色々調べてみました。
日本なら娘はこの4月から四歳児クラスに通っている年齢。フィリピンだと、この7~8月から新しい学年が始まります。
そこで今回は今後の娘の教育の方向性について語ります。
フィリピンの教育システム
フィリピンの義務教育って少し前、妻の世代では小学校6年+高校4年の10年間だけでした。
その後に大学があるですが、日本を含め世界のスタンダードとはかけ離れていますよね。
妻は高校を卒業して16歳から働き始めていたそうです。
その後(2013年)改革が行われて義務教育はこのような制度に代わりました。
幼稚園 | 1年 |
小学校 | 6年 |
中学 | 4年 |
高校 | 2年 |
計 | 13年 |
日本との違いは、小学校入学前に1年間の義務教育があること、日本でいう高校卒業までが義務教育であること、です。
実際に全ての子供が13年間の義務教育を満了しているかというと、そうでもないようです。
妻の親族でかなり貧しい家庭のある子供は、家の仕事を手伝うため中学の途中で学校に通うのをやめさせられそうになりました。
それを妻や他の親族が(Eも)サポートすることでどうにか今も学校を継続していますが、そのような途中離脱は特に農村部ではよくあることのようです。
ちなみにセブの公立の学校はパンデミックによってこの2020年4月頃から約1年3か月間、対面授業はストップしています。
「モジュール」と呼ばれるパソコン教材で授業に代わる教育が行われています。
しかも昨年6月に始まった学年が今現在も続いていて、みんなまだ進級できていません。
コロナ禍はセブの公立学校のカリキュラムまで狂わせていたんですね。
もうひとつフィリピンの学校スケジュールで違うのが、入学時期です。
うちの中学生のお兄ちゃんの公立校の平常時の例ではこうなっています。
・入学・始業 6月
・長期休み
夏休み 4~5月
X'mas&正月休み 約2週間
これって日本はもちろん、欧米や、Eがかつて住んでいた台湾とも微妙に違うんですよね(台湾は9月始まり、6~8月が夏休み、春節が長期休み)。
将来うちの娘がセブ⇔日本の間で転校や進学をすることになった時に少しネックになる可能性も。
ちなみに上記は公立の学校(パブリックスクール)の例であって私立の学校(プライベートスクール)は8月始まりが多いようですが、学校によって差があるようです。
お家で一人でお勉強する娘K
セブの田舎の子どもの生活(コロナ禍)
家族はセブ島のかなり田舎に住んでいます。
つい最近すぐ近くに家を建てて引っ越してきた家庭がありましたが、それを含めても見渡せる範囲に家が5軒くらいしかありません。
ちょうど去年(2020年)のロックダウンが始まった頃にラプ‐ラプ市から引っ越してきたので、中学生のお兄ちゃん二人はこっちの学校に登校していません(過去には近隣に住んでいて通っていたことがあります)。
もし登校するなら距離的に徒歩の通学は困難で、無免許ですがスクーターで通うことになります。
妻は近くの実家から1時間以上かけて歩いて通っていたそうです。
フィリピンは小学校入学前の1年間、5歳児の義務教育がある、と述べましたがもちろん5歳以前の生後数か月~4歳児にも日本の幼稚園や保育園のような学校があります。
が、Eの家族が住む田舎にはありません。
そして、Eの娘はこれまでのところ、同年代の子供と遊ぶ機会が極端に少ないです。
お兄ちゃんはいつもよく遊んでくれますが、10歳以上離れています。
最近引っ越してきた家庭の子供はお兄ちゃんと妹の二人兄妹ですが、どちらも3つ以上年上。
この年代で3歳差はかなり成長度が違いますよね。
日本と違って外国は使う言語の問題もあります。
娘が現地のビザヤ語を話すようになってしまうと、パパと会話ができなくなる。
ということで妻は普段英語で話すようにしていて、現在娘の主な言語は英語です。
越してきた兄妹は英語ができるようで、そこは幸いでした。
その他には、従兄弟と会って遊ぶことがあるくらいです。
従兄弟にはほどんど英語が話せる子がいません。
そのせいか、この間越してきた女の子の方と遊んでいて、ちょっとしたケンカで女の子が娘を足で蹴る形になった時に、うちの娘が痛いというよりはショックでひどく泣いてしまいました。
同世代の子とのつき合い方、特にケンカに慣れていないせいじゃないかと思います。
知育だとかいろいろありますが、とにかく娘を同年代の子供たちと遊ばせたい!
ついでに妻やお兄ちゃんのセブ訛りの英語ではなく、正しい英語を身につけさせたい。
というわけで幼稚園に通わせたい。
で、セブの幼稚園を調べてみました。
セブの幼稚園事情
セブ市、そして国際空港があってビーチが密集するマクタン島のラプ‐ラプ市にはたくさんの私立の幼稚園があるようです。
大きく分類するとインターナショナルスクールとプライベートスクールとがあります。
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インターナショナルスクール
私立の学校、まずはインターナショナルスクール。
要するに、主にフィリピンから見て外国人の生徒が通う学校ですね。
これ、めちゃめちゃ学費が高いです。
中学、高校になると年間100万円以上かかる学校もあるようです。
幼稚園はそこまで高くないにしても超セレブが集まってそう。
セブ市のインターナショナルスクールのひとつ「Cebu International School(CIS)」。ここは高校など上のクラスは学費が100万円超えのようです。
⇒ Cebu International School(CIS)のHPはこちら
なるほど、HP内の写真からして西洋人の子供が多そう。
国際バカロレアプログラムの教育をしているとのこと。
聞くからにセレブですね。
プライベートスクール
一方、普通のセブ家庭の子供が通うプライベートスクール。
こちらはインターナショナルスクールに比べると学費はお手頃。
数もたくさんあります。
中でもEが気になっていたのは、モンテッソーリ教育の学校。
実はラプ‐ラプ市に住んでいた時にお兄ちゃんをプライベートスクールに通わせようかということで調べていて行き当たったのがラプ‐ラプ市にいくつかあるモンテッソーリ校でした。
その時は、お兄ちゃん二人があまりにも勉強しないのと今の家を建てて引っ越したのとで実現はしませんでした。
セブ市もラプ‐ラプ市もいくつもモンテッソーリ系の学校があるようです。
その中でも純モンテッソーリ教育の学校が「The Abba's Orchard a maria montessori school」。
⇒ The Abba's Orchard a maria montessori school のHPはこちら
この「モンテッソーリ教育」というのは最近、将棋の藤井聡太さんが幼稚園の時に受けていたことで話題にもなっているようです。
しかも最近(2021年2月)、北フランスにある最古のモンテッソーリ学校の幼稚園クラスに密着した『モンテッソーリ子どもの家』というドキュメンタリー映画も公開されていました。
さてこの「モンテッソーリ教育」って何?
映画『モンテッソーリ子どもの家』の本編映像(YouTube)
この映像を見ると自分の子供にも受けさせたくなります。
モンテッソーリ教育「子供の家」とは
モンテッソーリ教育についてWikipediaで調べてみました。
というのもWikipediaの創始者のジミー・ウェールズ氏もモンテッソーリ教育を受けていたとのことです。
【モンテッソーリ教育】
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
モンテッソーリ教育(モンテッソーリきょういく、英:Montessori education または the Montessori method)は、20世紀初頭にマリア・モンテッソーリによって考案された教育法。
イタリアのローマで医師として精神病院で働いていたモンテッソーリは知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させた。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになる。
シュタイナー教育と共に、既存の教育に不信感を持つニューエイジャーの支持を集めた。
ということのようです。
また、独特の「教具」を使った「感覚教育」が特徴のひとつのようです。
【感覚教育】
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
モンテッソーリ「子供の家」の教室に入ると、整然と並ぶ色とりどりの「教具」と呼ばれる木製玩具が目に飛び込んでくる。これらはモンテッソーリの感覚教育法に基づく教材で、モンテッソーリとその助手たちが開発した。モンテッソーリ教育法では教具の形、大きさは無論、手触り、重さ、材質にまでこだわり、子供たちの繊細な五感をやわらかく刺激するよう配慮がなされている。また、教具を通し、暗記でなく経験に基づいて質量や数量の感覚を養うことと、同時に教具を通して感じ取れる形容詞などの言語教育も組み込まれている。
とにかく「モンテッソーリ教育」は藤井聡太さんを筆頭に、オバマ元大統領(こっちが筆頭?)、Amazonの創立者のジェフ・ベソス氏など数多くの著名人が受けていたようです。
まあモンテッソーリ校はフィリピンにも多くあるように、世界140か国以上に普及しているようで「それだけ生徒がいれば著名人も多いのも当然だろう」、「Eが卒業した日本大学も日本一社長が多い大学といわれているけど、学生数も日本一ならそりゃ社長も多いだろう」、といわれればそれまでです。
でも、オバマ元大統領もモンテッソーリ教育を受けていなければ大統領になれていなかったかもしれないし、日本大学出身の社長たちも日本大学に通っていなければ社長になれていなかったかもしれないじゃありませんか!
そんなわけで、妻と協力してセブのモンテッソーリ教育を行っている幼稚園の調査を始めました。
複雑な家庭事情
過去の記事を読んでくれている人はこう思うでしょう。
「あれ?起業してSari Sariストアを開業したんじゃないの?」
「近所の空き家を買い取ってキッズルーム付きのカフェを開くんじゃないの?」
と。
過去の記事です
はい、実は少し前までEも妻も起業に関してはイケイケだったんですが、娘の教育問題のことは心の隅に追いやっていたところがありました。
5歳からの義務教育のみを受けさせるなら今のセブの田舎の自宅で、Sari Sariストアを営業しながらカフェに挑戦することも不可能ではありません。
1-6-4-2の義務教育全ての校舎がお兄ちゃんの学校と同じキャンパスにそろっているので、妻が車で3人の子供を送り迎えすれば、事業継続もできなくはありません。
近隣に妻の親族が多く住んでいるため、これまでも妻の従兄弟や姪などをアルバイトとして店番兼家政婦として雇ったりもしていました。
が、子どもの教育に勝る優先事項はないかな、と。
買い取った空き家は現状使い道がなくて放置していますが、ホントに安く買い取ったんでいつか機会があれば。
というわけで、ここでいったん起業計画は中断します。
コロナ禍前は、娘が小さいうちは日本の学校に通わせて日本語ネイティブにする計画でした.
ところがコロナ禍を含めいろいろな事情で難しそうな状況。
というわけで今後こうすることになりそうです。
・多くのプライベートスクールの幼稚園が始まる7~8月に向けて情報を集める
(入学試験が終わっている学校もあるかも)
・入学する学校が決まったら学校近くにアパートを借りる(※要駐車スペース)
・週末は自宅に帰る
・お兄ちゃん二人には平日は自活してもらう
まとめ
コロナ禍が収まっているとは全く言えない状況ですが、対面授業を行っている幼稚園があることは確認済みです。
それと、セブの幼稚園は保護者の送り迎えはもちろん、日中も学校でなにかと子供の世話をするために保護者が学校の内外で待機していたりするようです。
お兄ちゃん二人は自活することになりますが、普段から家事全般を手伝っているし近くに親族がたくさん住んでいるので大丈夫でしょう。
そんなわけで、娘の教育の行方についてこれからもお伝えしていきます。
次回をお楽しみに!