さて、お待たせしました
Eの約20年前のアジア放浪旅行シリーズの続編です!
旅も1か月と少しが経過。
バンコクに始まった旅。孤独なタイ北部周遊を終えてチェンマイからバンコクに帰還しました。
この後、マレーシアに南下することにしていましたが、久しぶりの都会、バンコクはカオサンロードにてしばし快適旅ライフを楽しむのでした。
前回の記事で「いよいよマレーシアに南下」と予告していましたが、その前にバンコクでの、Eがそれまでの人生で関わることがなかったあるタイプの人との出会いについて語ります。
チェンマイ発バンコク行きの列車、最後尾 撮影:E
➡前回の記事
『人生を変えたアジア放浪旅行 タイ北部編 深夜特急でチェンマイへ!』はこちら
バンコク帰還
夕方初の夜行列車でチェンマイを後にしたE。
早朝のバンコク、フアランポーン駅に戻ってきました。
フアランポーン駅構内 撮影:E(2015年)
久しぶりに見る雑踏のバンコク。再びバックパッカーの聖地、カオサンロードへ直行。
安宿" Mama's Guest House " のドミトリーにチェックイン。雑居部屋のベッドのひとつを占有。
とりあえずしばらくバンコクに滞在してマレーシア行きの手段を考えるとする。というわけでカオサン滞在中によく行った、カオサンロード東端を郵便局方面に少し入ったところにある、テーブルが足踏みミシンのレストランに向かう。
テーブルが足踏みミシンのレストラン(2015年撮影)
チャンビアのボトルのデザインが古い
と、カオサンロードを抜けていつものレストランのある道に曲がろうとしたその手前。
道端の小さな屋台のテーブルで、椅子の上であぐらをかいて何やら本を読んでいる日本人女性がいた。
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カオサンの屋台でパリピの女性と相席
もちろん日本人じゃない可能性もある。
が、金髪に近い髪色ではあるけど、ファッションからしてもどう見ても20代の日本人、そして読んでいるソフトカバーの本が日本語。
この頃、旅の先々で日本語の古本を読み漁っていたEですが、面白い本に出合える機会はどうしても少ない。この人なら面白い本を持っているかもしれない。カオサンにいるなら貸し借りできたりするかも。
ということで、その小柄な日本人女性に「なに読んでるんですか?」と日本語で話しかける(ナンパではありません、100%違います)。
彼女、みあちゃんが読んでいた本はロバートハリスという日英ハーフだかクオーターの作家の「エグザイルス」という旅紀行。
みあちゃんによると、その本は大のおすすめで読むのは2回目だから貸してくれるとのこと。
屋台のテーブルで相席を勧められてEはみあちゃんとしばらく話す。
色々話すと彼女についてこんなことがわかりました。
・長期旅行中でバリ島に滞在後、なぜかひとりでバンコクに
・バンコク滞在は残り2日ほど
・バリではサーファー仲間と一緒に行動、彼女はボディボードを
・日本では関西の某繁華街のキャバ嬢
そう、ギャルです、今でいうパリピです。
Eはそれまで、というか今に至るまでバンコクで出会ったそのみあちゃん以外にギャル系の知人って一人もいませんでした。
Eのイメージするいわゆるギャルは、ひとつ機嫌を損ねると「オヤジ、うぜーんだよ」などと罵倒されそうなこわい方々(当時のEはギャルと比べればオヤジではありましたし)。
それまでそういう系の人たちは一貫して敬遠していたんですが、みあちゃんは話してみると穏やか。同じパリピでもキャバ嬢という職業柄ホスピタリティにあふれていたりするのかな?などと。
ひとりでカオサンのど真ん中にあるやたらと大きな看板を掲げているゲストハウス " D&D Inn " に滞在しているみあちゃんは特に観光する場所も決まっていないようで、朝からこの屋台で朝食を取りながら読書をしていたとのこと。
じゃ一緒に観光しよう、ということになりお互い一旦ゲストハウスに戻り、昼間に待ち合わせ。
とりあえず一度行ったことのある定番中の定番スポット、カオサン近くのワットポーへご案内。
20年前のこの路地での出会いでした
右手前の建物は郵便局、写真は2015年
その日から三日間ほど、みあちゃんとバンコクの観光スポットを巡りました。
Eが前回のバンコク滞在で訪れていなかった場所も多数。
・カオサンから水上バスでバンコクのチャイナタウンへ、フカヒレを食べる
・パッポン通りのゴーゴーバー(彼女の要望です)
・チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットを散策
久しぶりに誰かと観光できて、楽しんだEでした。
バンコクのチャイナタウンのフカヒレは安くてボリュームたっぷり、最高でした。
そして何より、人生で初めてといってもいいパリピの人との出会いが新鮮だったこと。
見えている範囲だけでも耳の後ろと首の後ろにタトゥーが入っていて、Eより5,6歳年下のこの女性。普通なら絶対Eからは近づかないタイプ。
でもみあちゃんは、Eの勝手な偏見「オヤジ、うぜーんだよ」とはほど遠いタイプ。ひと言で表すなら、Eにはまぶしすぎる存在。
男女の違いはあるとはいえ、彼女はEにないものをたくさん持ち合わせている人でした。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット
撮影:E(2015年)
その「Eが持ち合わせていない」部分とは、
少なくとも出会ったばかりのEには、暗さとか悩みがありそうなところが一切ない、見せない。
マイナスな話題でも悪口や汚い言葉を一切使わない。
みあちゃんとは、この1年に及ぶ放浪旅行の途中でもう一度別の場所で再会するし、その後の人生でも何度も会う機会があったんですが、バリ島で一緒に歩いているとき(つき合ってはいない、100%何もなし)、道でサーファー仲間に合って話したりする様子を見ても、実に相手を気分良くさせる話し方をする、など。
例えば、一般的に別れ際って「また遊ぼうね」的なことを誰でも言うことがありますが、その言い方が社交辞令でなく、いかにもホントにまた遊びたさそうな印象を与えてくれる、といったような。
もちろんその界隈では男女両方からの人気者。
当初キャバ嬢という職業柄身に着いたスキルなのかな、と思っていましたがどうやら違います。
というのも彼女はほどなくしてキャバ嬢は卒業、その後10年も細く長い交流が続きますが、いつ会っても常に明るい人気者でした。
もちろん、Eもみあちゃんと話していると元気が出ます。
人生で行き詰まった時などに、何度か元気をもらいにみあちゃんに会いに行ったものでした。
彼女は長旅を終えると、上京してIT系のスキルを身に着け、以前から続けていたある副業も軌道に乗り、都会で強く生きていくのでした。
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旅ならではの出会い
Eがそれまで敬遠していたギャル、パリピの人との出会い。
偏見を持っていたEでしたが完全に見直していました。
だからといってEが急激に方向転換してパリピになったわけではありません。
どう考えてもEには、みあちゃんたちのようなパリピの素質はありません。
その後バリ島でみあちゃんと再会、彼女のサーファー仲間とも遊んだりしたんですが(Eはサーフィンはしてません)どこか落ち着かないというか馴染めませんでした。
正直、バリのサーファー達のパリピ振りにはかなり引きました。
とはいえ、それまで偏見を持っているがために近寄りがたかったギャル、パリピの人たちとの交流はその後の人生のプラスになりました。
彼らの、とにかく明るく、ひたすら人生の楽しいこと、心地いいことを求める姿勢に「こういう人生の楽しみ方もあるのか」と感心しました。
帰国の夜、みあちゃんはボディボードの入った、肩にかけるとEでも骨折しそうなほどの重い荷物とともにドンムアン空港へ(現在のスワンナプーム国際空港はまだない)。
ところで、みあちゃんに借りたロバートハリスの旅紀行本『エグザイルス』。
すらすらとあっという間に読み終わってお返ししました、面白かったですよ。
内容は前回記事で紹介した、沢木耕太郎の『深夜特急』のような旅紀行。
正直、他の旅紀行ものと比べて主人公の著者自身があまりにもかっこよすぎ、女性にモテすぎていて、旅の前に想像していたよりはるかに孤独で、毎日がわくわくに満ちている、というにはほど遠い地味な旅を続けていたEにはストーリーにあまり親近感が持てない、という部分はありました。
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Eは彼女がバンコクを離れた翌日、再びフアランポーン駅を訪れてバンコク発、マレーシアはバタワース行きの長距離列車マレー鉄道の切符を買うのでした。
バンコク、チャオプラヤー川の水上バスにて
この頃、髪がだいぶ伸びてきていました。
まとめ
Eはこの1年に及ぶ放浪旅行の果てに、ある悟りの境地に至りますが、その悟りに至る思索にはパリピのみあちゃんの生き方から影響を受けています。
これまでの記事で、自由に日本語の本が手に入らない外国で、普段なら絶対に手に取ることのない本を読むことで、それまで知らなかった世界を知ることができたというエピソードを語りました。
バンコクの道端でのパリピのみあちゃんとの出会いも、旅でなければ一生なかったものでした。
多くの旅人を引き寄せるカオサンロードと、知らない人にも気軽に話しかけられる自分の性格に感謝です。
いよいよマレーシアに南下します。
次回をお楽しみに!
この英会話レッスン、世界のいろいろな国の講師と英会話の学習を通じて交流ができるようです。
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