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人生を変えたアジア放浪旅行 タイ北部編 深夜特急でチェンマイへ! 

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さて、Eの20年前のアジア放浪旅行シリーズの続きです!
バンコクを皮切りに始まり、アユタヤ~スコータイと北上。
今回はさらに北に進み、タイ最北のチェンマイ、チェンライ、メーサイなどを訪れた約20年前の一人旅の記録です。

このタイ北上の旅は同時に読書の旅でもありました。
一人旅の持てあます時間、いろいろな要因であまり人との出会いのなかった期間でしたが、幸運にも多くの良書に出会えました。

今回の記事では前半は旅の記録、後半はその当時読んだ本『深夜特急』について語ります。

前回の記事です。

お堀に囲まれたチェンマイの街

スコータイのバスターミナルからチェンマイのバスターミナルへとたどり着いた時、バンコクから始まったアジア放浪の旅は4週目にかかったところでした。
ちなみにEは出国前に、タイ周遊の旅のためにわざわざ60日間滞在できる観光ビザを取得していました。

大都会バンコクでは各国の旅人と出会いを謳歌していたEでしたが、タイ北上を開始したアユタヤ以降の旅はドミトリーのある安宿が見つけられず、ほぼ単独行動のみとなっていました。

歴史の街、アユタヤとスコータイを過ごしたEは少しばかり遺跡やお寺の観光に飽きがきていました。
そんなわけで、城壁に囲まれた町チェンマイのターペー門をくぐったEは、街を囲む城壁やお堀がもたらす歴史の雰囲気だけを感じることにして、特に観光することもなくチェンマイの旅のひとときを過ごしたのでした。

チェンマイの入口ターペー門の城壁 撮影:E

チェンマイ滞在の過ごし方

チェンマイでもやはり旅人と出会えるドミトリーの宿は見つからず、最安の150バーツほどのシングルルームを転々としました。
で、何をしていたかというと城壁内のあちこちのカフェやレストランに長居しての読書でした。

一度入ると食事とドリンクで2~3時間は居座っていたと思います。
ま、カフェ+読書+長居、の3点セットは昔から今までEは日本だろうがタイだろうが、果てはパキスタンだろうがところかまわずやってきたことなんですが、Eの一人旅はこの時期なにしろヒマでした。

チェンマイの地図   引用元:Google Map



それともうひとつ、この時期避けていたことがあります。
それは、

英語で話すこと、

でした(汗)。

何のために旅に出る前に3か月毎日、駅前留学の英会話の授業に通い続けていたんだ、と思うことでしょう。
全くその通りです。
そもそも旅の目的は、現地の人々や世界中の旅人と交流し、海外移住のきっかけを作ること。
この調子では移住のきっかけどころではありません。

初の海外長期旅行で、日本語は通じず、現地タイ語もわからず、英語でしか意思疎通のできない日々。これが結構疲れるんです。

ですが、大丈夫。
この時のEの旅に時間の制限は一切なし。旅を3か月続けようが半年続けようが、何の制約もありませんでした。
と、最終的には約1年もの間旅を続けることになるわけですが。


街は正方形のお堀に囲まれています。 撮影:E

チェンマイの路上での出来事

英語疲れしていたEは、チェンマイ滞在中に何度か日本人に話しかけました
街を囲むお堀沿いの道路にあった地元レストランで昼ご飯を食べていた時のこと。
Eが食事をしていると、隣の席に日本人の女性二人が。

話しかけてみると二人は関西から旅行にきていた20代の姉妹で、Eと似たような日程でバンコクからチェンマイにたどり着くという長旅をしていました。
このT姉妹とは、この後再びバンコクでもカオサンロードのカフェで偶然再会したり、翌年Eが帰国後にバイク旅行で関西を訪れた時にも待ち合わせて二人と再会するなど、旅で知り合った多くの人たちの中でも長く交流をもった友人のひとり(ふたり)です。

T姉妹と食事を済ませた後、三人で別の場所に行くことになりました。どこかは全く覚えていないんですが、たぶん何かおいしいものか、面白いもの売っている場所か何かだったと思います。
お堀沿いの道路を渡ろうとしたんですが、いつものように交通量が多く車が途切れなくてなかなか渡れない。

しばらくすると、Eたちの手前で一台の車が停車してくれて渡れるように。
停まった車の運転席を見ると、現地に住んでいるのか西洋人の男性が。しかもこちらに向けて、ニッコリ笑顔。

「え~、欧米ってこうなの~」とEは感心しました。
見知らぬ人に親切、そして笑顔
これって日本人は絶対にやらない、いやできないですよね。

もちろん旅で出会った西洋人が全員そうだというわけじゃなく、というかそんなさわやか親切を受けたのは後にも先にもその一回きりなんですが、それにしても日本の道路で横断歩道でもないのにわざわざ停まって、お年寄りでも子供でもない歩行者を渡らせてくれるドライバーに出くわす可能性って限りなくゼロに近いですよね。

確率論でいえば欧米にはそういった「さわやかスマート親切」を普通にできる人が、わずかだとしても一定割合はいるということでしょう。

欧米やるなー、と見直す一方で、あーでもカオサンロードの外国人旅行者の中には自堕落に深酒して人に絡んでた感じの悪い西洋人もいたしなー、と当時は911のテロ事件の後でもあって「欧米ってどうなの?」と思っていたEのかねてからの疑問に一石を投じる出来事でした。
一方、T姉妹はというとその西洋人ドライバーのさわやかハンサムスマイルに目がハートになっていました。

夕方になるとどこからか象たちが家路につきます。 撮影:E

お堀の横のカフェで読書

このあとさらに北の小さな街、チェンライやメーサイなども訪れましたがこれといって収穫なし。

どこに行ってもタイ式のお寺がガイドブックにはあるけど、どこが違うのかよくわからず。
出会いといえば、チェンライでも日がな一日ヒマで、宿のタイ人従業員の5歳くらいの娘と一日中遊び倒していたことくらい。

というわけでこのチェンマイ~チェンライ~メーサイの約2週間の間には結構多くの本を読みました。
その中の一冊、バックパッカー小説の古典がこれです。

Eの蔵書『深夜特急1 香港・マカオ』沢木耕太郎著

バックパッカーのバイブル『深夜特急』

1980~90年代に刊行された、沢木耕太郎氏の旅紀行小説『深夜特急』は現在、新潮文庫で全六巻を読むことができます。
この小説はEが旅に出る数年前(1990年代後半)に大沢たかお主演でテレビドラマ化されてもいたんですが、Eは『深夜特急』の存在を知りませんでした。
内容は、26歳の青年が携帯電話もインターネットもなかった時代にアジア~ロンドンへの放浪の旅紀行。現在に至るまでバックパッカーたちのバイブル的存在になっています。

が、タイで洋書や日本の文庫本を売っている古本屋を訪れると、やたらとこの本を目にしていました。
恐らく、タイを訪れたバックパッカーが旅先で読んで古本屋に売っていったんでしょう。
これが読んでみるとすぐに夢中になりました。

Eがこの後に訪れようとしていた多くの国がの小説に登場しています。
旅に出る前にざっと立てていた旅のプランはこうでした。

① まずタイ国内を巡る
② その後南下してマレーシア、シンガポール 
 →この頃、ここまでのプランは決定していた
③ かつて戦争のあったベトナムを見る
(Eの子供の頃はベトナム戦争真っ只中だったこともあり)
④ 人生観が変わる、として有名なインドは必須
イスラム圏の国を見る
⑥ どこかの国でボランティアに参加する
⑦最終到達地点はトルコのイスタンブール
(結局たどり着けませんでしたが)

このEのプランのうちの多くの国が『深夜特急』に描かれています。

Eがチェンマイで手に取った最初の『深夜特急』は1巻の【香港・マカオ編】ではありませんでした。
たまたま寄った古本屋で買ったのが何巻だったかは忘れましたが、Eがこれから訪れようとしている国のうちのどこかでした、たぶん2巻か3巻。
そこにはEの旅からさらに遡ること20年前の沢木氏の旅紀行が描かれていて、それはもう夢中で読みました。

シリーズ各巻の内容はこうです。

1巻 香港・マカオ
2巻 マレー半島・シンガポール
3巻 インド・ネパール
4巻 シルクロード
5巻 トルコ・ギリシャ・地中海
6巻 南ヨーロッパ・ロンドン

深夜特急1 香港・マカオ (新潮文庫) [ 沢木 耕太郎 ]

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感想(1件)

ここに出てくる主人公の若者は、あまりにもかっこよくてスマートです。
旅先で思うようにいかない出来事まで、どこかかっこよく描かれています。

実際のEの旅は、英語を話すことに疲れて引きこもって本の虫になっていたり、お腹を壊して夜中に何度もトイレに通ったり(この放浪の旅、インドにて)、来る日も来る日も何とか旅人をだまして金銭を巻き上げようとする現地人に辟易して話しかけられる度ににらみつけるようになっていたり(これもインドで)。
かっこよさのかけらもありません。

Eの長旅の日々はこの先、退屈や孤独や疲労といった痛みでおおわれていきます。
このタイ北部の旅は、すでにその痛みの予兆が忍び寄っていました。
しかし、この旅がいつまで続くのか、次の行先がどこなのか、それさえわからなかったこの時期のチェンマイで『深夜特急』はEの心をとらえました。

本を読むために何度も通ったカフェ 撮影:E



『深夜特急』は旅の空気の只中にいたEの心に響きましたが、もちろんこれから旅立つ人にも響くはずです。

沢木氏の、携帯電話もインターネットもなかった時代の旅。
Eの、日本の携帯電話は当時外国では全く使えなかったけど、インターネットカフェでネット使えた時代の旅。
現代の、スマホでいつでもだれとでもつながれ、大量の情報が得られる時代の旅。

旅の様相はテクノロジーによってこの40年で激しく変わりましたが、初めて訪れる国で最初の一歩を踏みしめた時の歓喜、故郷を遠く離れた不安、嗅いだことのない異国の匂いが鼻孔を突く時の戸惑いや期待はいつの時代も変わることはありません。

『深夜特急』で40年前の、そしてこの『負けない派遣社員』ブログで20年前のアジアの旅が追体験できます。


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まとめ

この山岳地帯に近く、朝方には肌寒さを感じるタイ北部の旅では、あまり人との出会いはありませんでしたが多くの良書に出会いました。
三島由紀夫の『音楽』、森鴎外の『渋江抽斎』、池澤夏樹の『スティル・ライフ』などの傑作が手に入ったアジアの古本屋は意外と侮れません。

このあとEは再びバンコクに戻り、マレー半島を南下します。
マレー鉄道で灼熱の国マレーシアを訪れます。

さて、マレー系と中華系の二つの民族が同居するマレー半島とはどんなところなんでしょうか。
次回をお楽しみに!






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