今回の派遣先(厳密には派遣ではありません)、若干のストレスがあります。
というのも前派遣先の工場から今のIT系の派遣先に移った時、新しい職場の状況がさっぱりつかめていませんでした。
が、ようやくわかってきたのはIT業界の独特な働き方です。
しかもEの状況が法律的にグレーゾーンの部類に入っているということもわかってきました。
現在の雇用状況
今現在、どういう状況の中で働いているかをまとめます。
この資格を取るつもりはありませんが内容がところどころ役に立つので読み物として読んでいます。
※詳しくは画像をクリックしてください。
Eの現在の労使関係
雇い主は地元の派遣会社で。
職場は東京の有名企業の情報通信技術部門のサテライトオフィスなんですが、職場仕切っているのは業務委託を受けた地元のIT企業。
職場に東京の有名企業のスタッフはいません。
働いているのはほとんどがさらに業務委託を受けている地元のその他のIT企業の社員たちなんですが、Eの場合はさらにそれら企業がEの派遣会社に人集めを依頼してEが送り込まれている。
サテライトオフィスのスタートアップから働きはじめて現在東京のスタッフから日々業務引継ぎのレクチャーをオンラインで受けていますが、指揮命令系的には地元IT企業の配下にあります。
労働契約の内容
派遣労働者としての契約ではありません、労働契約書上は。
「派遣」の文字は契約書のどこにもなく、普通の有期労働契約で契約書だけ見ると派遣事業をしているある会社の(社名からは派遣会社とはわからない)一般的な有期契約労働者(フルタイムで働くフリーターのようなもの)です。
就業場所が派遣会社の住所と違っているんで、契約書だけを見ると「この会社の支店か店舗で働いている?」くらいにしか見えません。
が、実際は東京の有名企業の委託を受けた地元IT企業の指揮命令で働いています。
という、複雑怪奇な働き方事情です。
業界の構造的問題
5月のGW明けに働き始めた時には「何じゃこれ」と頭の中が「?」だらけでした。
職場には派遣労働者が多く集まるのかと思っていたら、周りはベテランエンジニアだらけ。
派遣会社を介してきているのはEともう一人だけ。スタートからダントツに一番仕事ができないちょっとだけパソコンに詳しいド素人、ペーペー。
自己紹介の時、東京の有名企業に対しては直下のIT企業のスタッフとして、職場的にはその下のIT企業のスタッフとして、でも契約上は派遣会社のスタッフ。
状況が理解できていなかったEは「はぁ?」
ということは、東京が直下のIT企業に支払う報酬はEにわたるまでにその下のIT企業と派遣会社の3社に搾取されて届いているわけです。
でも、こういう「業務委託」とか「請負契約」とか「準委任契約」ってIT業界では常識らしいんですよね。
実際、引継ぎのレクチャーをしてくれている東京の有名企業のスタッフも組織表を見ると90%が業務委託の外部の人たちという。
元社会保険労務士のEとしては、これ違法じゃないの?ってどうしても思います。
労働者派遣業界では、二重派遣の禁止は常識です(ですよね?)。
Eは派遣会社からこの話があった時から二重派遣じゃないの?って何度も確認しています。
担当から「業務委託契約だから大丈夫だそうです」と言われてとりあえず納得しました。
今にして思えば「みんなやってるから問題にされる可能性はほぼないから大丈夫」という意味で「法律には触れないから大丈夫」という意味ではなかったわけですね。
法律的には労働基準法第6条にこうあります。
何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
「中間搾取の排除」を目的とした条文で、業として労働者を紹介して手数料を受け取るという搾取が禁止されていて、罰則もあります。
が、労働者派遣法に基づいた形の派遣だけは法律で認められています。
Eの場合は、二重どころか「三重派遣」、「多重派遣」です。
Eが東京の有名企業の業務の労働をして得た報酬は、二つの地元IT企業と派遣会社が手数料などの形で搾取しています。
「悪質」といってもいいくらい、契約書の内容とかけ離れた労働実態です。
このEの「偽装」労働契約は完全に違法に当たると見ています。
労働基準監督署に通報したらまずEの派遣会社に調査が入って最低でも「指導」は受けるレベルと確信しています。
Eはかつて、超ブラック会計事務所で働いていた頃、同僚と結託して労働基準監督署に匿名で通報して調査が入り、わずかではあったけど改善がなされた、という実績とノウハウもあります。
だからといって今すぐ通報、ということはもちろんしません。
労働法の知識は武器になります
Eはこの違法状態をのちのちの交渉材料として、今は静観するつもりです。
なんの交渉材料にするかというと、
想定1 契約打ち切り対策
ベテランエンジニアの中でどう頑張っても彼らにスキルではかなわない。
とりあえず人数合わせに人をかき集めているうちにEが引っかかって採用されたに過ぎないという可能性が高い。
事実、サーバーを動かすためのコマンドを書いてバッチファイルを作るなどの作業は(最近覚えた知識です)現状ベテランエンジニアにやってもらうしかない状態。
もし、スキルのあるエンジニアがEと同等かそれに近い条件で雇えるとすれば、
Eの現職場での立場は常に危うい状況。
それが現実になって契約終了を打診された時。
➡ 多重派遣の通報をちらつかせて、契約打ち切りは関係4社にとって損、と思わせる😎
想定2 時給アップ交渉
ベテランエンジニアぞろいの職場とはいえ、日常業務に高度なプログラミングなどのスキルは不要。
現在、地元の一般の派遣社員よりEの時給ははかなりいい。けど、Eの手元にわたる前に既に3社から手数料が差っ引かれている。
業務は総合的にITリテラシーを理解していけばとりあえずやっていける。
事実、引継ぎが終わって流れ始めている業務はEでも充分こなせている(もちろんそこまでにかなり勉強しました)。
1年もすれば業務に習熟して例えベテランエンジニアをEの代わりとして雇っても、同レベルの業務を覚えさせるには時間がかかる状況になっているはず。
Eも同等以上の条件の職場に移るろうと思えば可能になっているかも。
➡ 時給アップの交渉をする。渋ったら多重派遣の通報をちらつかせる😎
などなど、いろいろな場面で切り札として使えそうです。
実際のところ職場ではどうなの?
現在、同世代のベテランエンジニアと2人組で作業をしています。
彼にはITの知識をたくさん教えてもらったし、業務もEのできないことはほとんどやってもらっていてものすごく感謝はしているんですが、かなり意識高い系の人で、ちょっとやりずらいです。
Eは労働契約がどうとかは置いておいて、派遣会社から派遣されてきているんだから派遣気分満々で働いています。
スキルアップはしたいけど、東京スタッフに働きかけてまで業務をどんどんもらって、「どうですか、こんなに仕事できますよ」とばかりに実力を見せつけたいとはさらさら思っていません。
そもそも忙しいの大嫌いです。
Eはそんなだから、この仕事もあの仕事も任せてください的なやる気はできるだけ見せたくないし、10できそうでも5か6くらいしかできそうとは言わないようにしています。
これはもう派遣社員の道を選んでからの習性です。
5か6しかできない、と言っておいて8、9、10とできればその逆に比べて印象がいいからです。
これは普段からやっている他のことからの応用でもあって、例えばEは20分遅刻しそうなら待っている相手に電話する時は30分かかるといいます。
そうすれば相手の期待より10分早く着くから早いな~、と思われて印象がいいじゃないですか。
20分で着くと言って不測の事態で30分かかったら遅いな~、と思われますよね。
そんなわけで先週、結構難易度の高い作業の移管が行われたんですがこんなことがありました。
コマンドプロントに何度かコマンドを打ち込んでする作業のレクチャーを事前に受けた後に「できるでしょ?」と聞かれたんで「1回自分でやってみないとわかりません」と答えたら、こんなの1度聞いたらできるはずだ俺はそういう環境でやってきた、とご立腹だったようです。
コマンドプロンプト、エンジニアは「DOS窓」と呼んでいるようです。画面はところどころ消してあります。
その後期限が悪くて一日じゅう何かにつけて小言を言われ続けました。
扱いが難しくて。
めんどくせー😩
まとめ
人って、所属する集団で上位の地位を占めることができればその集団で居心地よく過ごせますよね。
Eにとっては前の派遣先がそうでした。
圧倒的な生産量を稼いで、工夫ができて、トラブルに対処できて、人に教えられて、しかもところどころ抜きながら余裕でできている。
上が抜けていって派遣でありながらなくてはならない存在になる。
まさにキングでした。
今の職場では構造的にEはどうやってもスキルを持っているエンジニアにはかないません。
今そこにある業務はこなせるようになったとしても、新しい業務が来た時に、なんじゃこれ?となる場面が発生することになるでしょう。
しかも、上が抜けたとしても入ってくるのはまたエンジニアの可能性大。
以前のような地位に上り詰めるのは至難の業。
とにかく彼らって何でも知ってて何でもできるんですよ。
と、今後についていろいろと考えているEでした。
次回をお楽しみに!
もっと早くエンジニアを目指すべきでした。Eもこの講座を受けてみたいです。
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