社労士 社労士試験逆説勉強法

社労士試験逆説勉強法 新章② 合格発表までの過ごし方

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社労士受験生のみなさん、合格発表が近づいていますね。
自信満々で合格発表を待つ人もいれば、選択式で撃沈して来年に向けて動き出している人もいることでしょう。

今回は8月の試験から11月上旬の合格発表までどう過ごすべきかについて語りたいと思います。

来年もまた挑戦しますか?

中には、もう来年の試験はあきらめてしまった人もいるかもしれません。そういう人はもはやこんな社労士ブログ記事なんで見てもいないことでしょう。

Eは社労士試験を途中であきらめることを全然否定はしません
理由は、社労士試験は合格をに頼る部分が大きすぎる上に、合格して資格を取っても、合格した人の中で将来社労士資格を人生にプラスに活用できる人が極めて少ないからです。

運に左右される試験

合格するのが100人のうち5、6人
最大のネックはこの5、6人という合格者数がかなりの部分(選択式の難問奇問という)運によって決定されるくじ引きのような試験だということです。

他の記事に詳しく述べているので省略しますが、社労士試験は選択式という出題形式と毎年誰も見たことがないような難問奇問が出題されるという試験問題の傾向によって大きく運に左右される試験になっています。
今年(2020年)も日本中のどの予備校も予想しない、過去の統計資料について問われる問題が出ました。

完璧に勉強して高得点を取る実力がある人でもこういった問題には対処しようがありません。
合格基準点を突破できるかどうかはまさに運です。

再挑戦をするならこの事実を正しく認識した上で決断するべきです。


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厳しい社労士業界

合格するのが毎年100人のうち5、6人。
さらにその中で資格を活用できる人が、かなり多めに見積もって合格者100人のうち30人とします。
ということは、来年の試験を受ける人の中で合格して資格を生かせる人の割合は100人に1か2人ということになります。

この試算を考慮すると、Eは今年不合格になった人に「せっかくここまで勉強したんだから来年もがんばれ」などという無責任なことはとても言えません。

Eはこれから社労士を目指して社労士試験の勉強を始めようとしている人にはほとんどの場合、やめた方がいい、とアドバイスします。

しかし、もしその人が、親が社労士事務所を経営していたり、既に営業力や企画力、経営者としての資質などのビジネススキルをを持ち合わせていて、社労士資格を得ることによって更にビジネスを成功に導ける能力を兼ね備えている人なら、ぜひ挑戦するように勧めます。

そうでない限り、Eは基本的に自身の経験からも社労士受験をお勧めしていません。
一度立ち止まって冷静に自分のスペックと相談してみてください。

独立開業に必要なスペック

社労士を含めて国家試験によって独占業務が許される、つまり免許を与えるタイプの業界は、まず資格試験というかなりの難関を突破しなければ参入することすらできません。

参入するだけでかなりのエネルギーを消費し、多くの犠牲を払います。
その後でようやく業界に足を踏み入れても数々の理由により、ほとんどの人が弾かれてしまう世界です。

社労士として独立開業して成功するという定型モデルは結局、会社を起業してベンチャー企業の社長として成功する、ということと変わりません。
むしろ参入するのに試験の合格が必要となる分、一般の起業よりハードルが高いです。

国家試験の中でも社労士の市場は大きいとは言えません。
人をそこそこの数雇っている経営者でなければ社労士の顧客とはなりません。
都会ならまだしも、例えば地方にあるEの地元では無数にあるわけではありません。
少ない顧客の取り合いです。

しかも既に雇っている顧問の社労士(税理士も)を乗り換える経営者はEの経験からいっても少ないです。
都会は都会で競合が多くて厳しいです。

社労士の世界も顧客を集め、競合と差別化をし、経営者として人と金を動かすための高度なビジネススキル、センスが必要となります。

ベンチャー企業の成功率(というか生存率)1年後で40%、10年後で6%というデータがあります。
これは全体の平均ですが、社労士などの国家資格業務は古くからある業界です。
ITなどの新興産業に比べても参入は難しくなります。


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その方が効率がいいかも?

社労士資格を就職に生かす

なら、社労士資格を持って社労士事務所か会計事務所に就職すればいい、という考え方もあります。

社労士資格があることによって、他の一般職員よりいい給料が得られることは間違いありません。
Eも会計事務所に就職した時、社労士資格があることによって他の無資格の職員より入社時点で既に給料はよかったです。

ただ、Eのように地方在住で合格当時既にアラフォーだった者には社労士就職は厳しい環境でした。

そもそも社労士を雇っている事務所がEの通勤可能範囲に数社、片手に余るほどしかありませんでした。

Eは司法書士事務所で働いて相続登記等についての知識があったことや中国語ができる(外国人技能実習生の監理団体もやっていた)ことでどうにかある会計事務所に引っかかりました。

そうでなければ、せっかく取った社労士資格を全く生かせずに終わっていた可能性が濃厚です。
それも結局、その会計事務所は地元でも有名な超ブラック企業で長くはもたず、独立開業は途中であきらめました。
ついでにいえば、その事務所があまりにも過酷な労働環境だったせいでほとんどの職員が短期間で辞めてしまうおかげでEが入社することができたとも言えます。

資格を生かして就職できて、安定して働ける環境があるかどうかもリサーチしておきましょう。

目の前の試験という目標ばかりに目が行きがちですが、その先にある現実にも目を向けましょう。
今は冷静にそれができるタイミングのはずです。

合格発表までの過ごし方

Eは社労士試験に1回不合格になり、1回合格しました。

不合格だった年は、択一式で合格点に足りないことを自覚していました。
でも選択式は全部クリアーしていたので、万が一択一式の合格ラインがものすごく低くなることに期待をかけていました。

が、やはり択一式が2点足りずに不合格

合格した年は、選択式でそれほど難しいとはいわれていなかった科目(労基法・安衛法)が2点しか取れず、救済はないだろうと絶望的な気持ちで合格発表を待っていました。

が、奇跡の2点救済で超ラッキー合格


2011年試験の選択式、「労基法・安衛法」は非常に微妙な難易度で、2点救済がされるかどうかはかなり微妙なラインだったはずです。
ですから、Eの合格はホントにラッキーだったとしか言いようがありません。

ご想像のように、この合格発表までの2か月あまりをEは実にもやもやした精神状態で過ごしたのでした。

そんな中でも苦しい試験勉強の間に、試験が終わったらやろうと思っていたことを思う存分やりました。
1年目は試験が終わってしばらくして台湾旅行に行きました。
当時は3年住んだ台湾から帰国して間もない頃だったので、もう飛んでいきました。
その後は台湾ドラマのDVDを蔦谷で借りてを見まくりました。
外国のドラマは10話くらいで終わる日本のドラマと比べてはるかに長いんで2か月たっぷり堪能しました。

  懐かしき台湾の街並み

2年目は合格の可能性に賭けて、会計事務所に就職するケースに備えて簿記3級の試験勉強を始めていました。

不合格かもしれないのに勉強しなくて翌年の試験が不安じゃないのか、と思うかもしれません。
安心してください。社労士試験は記憶力テストです。
1年目の勉強で基礎ができていれば、固定記憶の蓄積がそこそこあれば、11月から再開しても大丈夫です。

2年目以降の勉強計画

今年の試験が1年目で、合格にほど遠い点だった、という人は今まさに現在進行形で勉強を進めていかなければなりません。

他の記事でも語っていますが、試験まで10か月あるこの時期は、『固定記憶』を蓄積するための時期です。

Eは過去の記事で何度も語っています。
社労士試験というテストはほぼ『記憶力試験』であり、Eがこの『社労士試験逆説勉強法』シリーズの中で勝手に決めた名称ですが、試験勉強で意識すべきは『固定記憶』と『短期記憶』試験開始時間に最大限持ち込む、ということです。

前回の記事です。

試験直前は、覚えにくい項目をとりあえず試験時間まで持続させるために、『短期記憶』を脳に極限まで蓄積させて試験を乗り切る、俗にいう「詰め込み」をします。
当然この作業は試験直前でなければ意味がありません。
おおむね試験2か月前、7月に入る頃からこの『短期記憶』を意識した勉強を始めます。

試験までまだまだ時間のある時期は、試験範囲全体を基本書を読み込みながら確実に脳に刻み込まれて長期間忘れることのない「固定記憶」を作り上げていきます。
覚えにくい、すぐ忘れる項目は流すだけで後回しにして勉強効率を上げます。

合格発表まで勉強をしなかった理由

前述のように、Eは8月の試験が終わったあと合格発表までほとんど勉強しませんでした。
特に合格した2年目は不合格が濃厚だと思ってたのに一切勉強しませんでした。
その理由はこれです。

・試験勉強、特に猛暑の中の直前猛勉強で疲れ切っていた
・無勉強期間を翌年の試験勉強のモチベーションにつながる
・ある程度固定記憶ができている2年目は11月から始めても遅くない
・もし合格していたら試験のための勉強など役に立たない

直前期のつらい勉強も、試験が終われば解放される。
これを自分に許すことによって最も重要な短期記憶を作るべき直前期を乗り越えられます。
大きなモチベーションになります。

試験前の最も苦しい時期は、『試験が終わったらやりたいことリスト』を書きだすことで乗り越えることができました。

まとめ

来年の試験に向けて、今はまだ余裕がある時期です。
まず、もう一度試験に挑戦するのかどうかを考えてもらいたいです。

あれほどの犠牲を払って本当にリターンがあるのかどうか。
それほど厳しい業界です。

全てを受け入れて再挑戦をするなら今はリフレッシュに使うのも手です。
試験が近づくにつれてどんどんやりたいことができなくなります。
今のうちにやっておきましょう。

次回をお楽しみに!

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