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人生を変えたアジア放浪旅行 マレーシア南下編① マレー鉄道とペナン島、そして読書

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お久しぶりです。
Eの20年前の人生を変えたアジア放浪旅行シリーズの続編です。

バンコクに始まり、タイ北部旅行、バンコク帰還と、ここまでで旅を始めて約1か月半。
いよいよタイを離れます。南下します。
そう、次の国はマレーシア

マレーシアという国は正直旅行前にほとんど情報を集めていませんでした。
1か月半ほど滞在し、この後も放浪旅行中に度々立ち寄るタイはしっかり日本から持ってきていました『地球の歩き方 タイ』

そしてもう一冊のガイドブック、地球の歩き方も持っていました。
タイトルは『東南アジア 個人旅行マニュアル』
そう、アジア全体の広範囲な国々を対象に広く薄い情報のみ。
このガイドブックを頼りにタイからマレーシアを目指すのでした。

というわけで今回はマレーシアの北の入口、バタワース~ペナン島への道のりをお伝えします。

前回の記事です。

バンコクからマレーシアへ

タイの次の国はどこにしようかと考える。昔からとにかく南国への憧れが強かったEはやはり南を目指す
マレー鉄道のチケットを購入。

そのチケットというのは、バンコクのフアランポーン駅から南のマレー半島に長~く伸びるタイ南部をすっ飛ばし、国境を越えてマレーシア北部のバタワースという駅を終点とする、所要時間約20時間の寝台特急列車なのでした。

もともと小さすぎてパンパンだったところを、なにかと荷物が増えてさらにはちきれそうになったバックパックを背負って昼過ぎに出発のマレー鉄道の列車に乗り込む。
乗る前に駅構内で夕食と翌日の朝食のためのパンや水を購入。

マレー鉄道の旅、車中で読書

車両はタイ北部に向かう時に乗った列車と比べると、エアコンも効いているし格段にきれい。
席は向かい合わせになっていてそれぞれ一人掛け。窓は固定されていて開けることはできなかった。
出発するとバンコク市内をゆっくりと進み、徐々にスピードが上がる。

バンコク市内の鉄道はこんな感じ



バンコクの市街地を抜けタイ南部の田舎の景色に飽きてくると、読書など。
その当時読んでいた本はバンコクのカオサンロードの古本屋で買った、和辻哲郎の『 風土 -人間学的考察 』

和辻哲郎著『風土 -人間学的考察』

この昭和の初めごろに刊行された学術書はいろいろな意味で面白かった。
内容をざっくり言うと、そこに住む人間の性格や文化はその土地の自然環境、風土が影響するというもの。

例えば、湿潤なモンスーンの土地の人間は受容的・忍従的になる。乾燥の砂漠の人間は戦闘的生活様式を持つ、など。
ただし、和辻氏の学説には賛否両論があるとのこと。
何より面白いのが著者の和辻哲郎氏の世界の宗教や歴史への造詣の深さ

そしてあの時のEにとってなにより面白かったのが、まさに旅の只中にあったアジアの地や、これから目指すことになる地、インドなどについての言及、分析があったこと。
そして、当時の(戦前の昭和)の日本人がどう日本の風土の影響を受けて今に至ったかなど、知的好奇心をかき立てずにはいられない良書だった。

帰国後に買いなおしたEの蔵書



ちなみにこの車両でEの向かいの席には若くて背の高い西洋人の青年が座っていた。
彼もやはり分厚いペーパーバックの本に読みふけっていて、そのタイトルを見ると『The Whale』
アメリカの小説家メルヴィルの『白鯨』だった。

なるほどEもそうだったが、長旅は普段気軽には読めない著作に取り組むのに適している。

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マレー鉄道で車中泊

さて車窓の夕陽も沈み、辺りは暗くなり車内の照明が灯されました。
すると頭の上からベッドが降ろされ始めます。
向かい合わせの座席はひとつにつながり、やはりベッドとなり客席が二段ベッドの寝台に早変わり。

客席と寝台の両用の列車に乗ったのは初めてだったのでなんと効率的なことかと感心。
薄い掛布団も配られ就寝時間となりました。

Eの席番は下のベッド。西洋人の青年が上のベッド。
やがて照明も消され、寝台特急で車内泊となったのでした。

タイ→マレーシア国境越え

ぐっすり寝ていると列車が停車。
あまり聴き取れない言語で何かがアナウンスされる。
外はすっかり日が昇っている。朝8時を回っていた。

乗客がパスポートを持って車外へ出ていく。
あ、国境ね。
Eも慌てて人々に遅れて車外に出ました。

ちなみにこの放浪旅行の最中、Eは貴重品を防犯上このように携帯していました。

パスポートは巾着袋に入れてTシャツの下でたすき掛け、常に左のわきの下に
財布はズボンの右前のポケット、外ではその上から右手をポケットに入れて歩く
現金やトラベラーズチェック(その昔、流通した小切手みたいなもの)は防犯用のウエストポーチに、ウエストポーチはズボンの下の腰のあたりに(時々トイレで落とす…)

これは結局1年という期間に及んだ放浪旅行の間ずっと続けていたせいで、放浪旅行を終えて日本に帰国した後のある夜、寝ているときにわきの下にパスポートがないのに気付いて飛び起きたこともありました。

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列車を降りるとイミグレーションがあり、パスポートにスタンプを押してもらい列車の客席に戻る。
旅の間、基本いつもしっかり寝ていたので朝8時台はまだ眠いEだったが、寝台は客席に戻される。

用意していたパンと水で朝食を。
初めて見るマレーシアの車窓を眺める。それまでのタイの風景とあまり変わらない。
再び『風土 -人間学的考察 』を手に取り読んだりするが、時々うつらうつらとうたた寝を。


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バタワース駅に到着

昼頃に終点、バタワースに到着しました。
涼しい車内から出た瞬間、南国の熱気に包まれる。

ふと周りを見ると何もない。
建物といえるものがほとんどない。民家すらない。

バタワース駅のプラットフォーム 撮影:E



Eの目的地はペナン島、ジョージタウン。
なるほど、バタワースというのは単にペナン島の最寄り駅だったわけですね。

列車を降りた乗客の列について駅を出る。
すぐ近くにペナン島へ渡るフェリー乗り場がありました。
この旅で初めて見る海。
その海の色は、

エメラルドグリーンでした!

おおー、と心の中で叫ぶ。
緑系の色をした海を見たのはEの人生で後にも先にもこのペナン島だけでした。
いやー、きれいでしたよ。

そしてこの時もうひとつ気づいたことが

燃えるように暑い!

そう、これまで滞在したタイも充分に暑かったんですが、ペナン島の暑さは半端じゃありませんでした。
ここのところ日本の夏も40度近い暑さになることも珍しくありませんが、まさに近年の日本の危険な猛暑日と同レベルだったのがペナン島、そしてその後に訪れるマレーシア各地の暑さでした。

結構な人数を収容できる大型のフェリーに乗りこみました。
対岸のペナン島は目の前で、15分ほどで到着

一日に何本も便はあって運賃は現在、大人は1.2リンギット(約30円)のようです。
格安ですね。帰りのペナン島からバタワースの便は料金なし無料です。

引用元:Penang Insider ホームページ
https://www.penang-insider.com/butterworth-to-penang-ferry/



エメラルドグリーンの海の上、燃えているかのような熱い海風の中をペナン島へ。
この時、この期に及んでも、マレーシアについての詳しいガイドブックを持たなかったEは、いまだペナン島についての情報をほとんど持ち合わせていなかったのでした。

ペナン島へのフェリーの船上から、高層ビル「コムタ」が見える
撮影:E



さて、ペナン島とはどのような島だったのでしょうか。
この後Eはどうやって宿を探し、このペナン島で何が起こるのでしょうか。

次回をお楽しみに!

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