セブ・マクタン国際空港方面の夕暮れ

セブ情報

【速報】セブを襲った台風オデッテの被害実況、そしてリモート起業の未来は如何に?

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先日、12月16日(金)深夜にフィリピンはセブ島の真上を通過したスーパー台風オデッテ
セブ全域で、窓ガラスが割れたり家屋や電柱の倒壊、倒木、停電や断水、インターネット回線の遮断、道路の寸断などありとあらゆる被害を受け日常生活は、本日2021年12月18日(土)現在も復旧の目途なし。

Eもセブに住む家族と台風直撃前の16日午前から停電にネット不通の状態で音信不通

今回は台風オデッテのセブ直撃の様子を緊急速報します。
ついでに、セブの過疎地帯でのリモート起業の続報と今後の展望についても語ります。

スーパー台風発生

日本の地方に住むEはコロナ禍のせいで、セブの家族と長いこと会っていません。
そんなリモート家族状態もつい最近2年を経過したところです。

今週の初めころからでした。
Eは毎日頻繁にMessangerでセブの家族と連絡を取っているんですが、妻がやけに「風が強い」と言っていました。
セブの自宅はやや標高が高いところにあるので、まあいつものこと、としか思っていませんでした。

妻が言う風が日増しに強くなっていきます。
なるほど台風がフィリピンの東に台風22号、日本ではそう呼ばれています。
国際的に台風には人の名前が付けられます。
Eはかつて台湾に住んでいたことがありましたが、台湾では国際名に更に中国語の当て字をします。

今回の台風の国際名は「ライ (Rai)」、中国語名は「雷伊」
フィリピンでは日本と同じく台風に独自の呼称を付けていて、今回は「オデッテ (Odette)」

多くの台風はセブよりだいぶ北を通過するのでそれほど重大にとらえてはいませんでした。
いよいよ強風になってきたようで天気予報を調べるとフィリピンに台風22号接近中
しかも大型進路がセブに向かっているという。

妻と知り合ってから約7年、セブとの繋がりを持って以来初めて来る大型台風。
一体どうなるんだ、と動悸が


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台風前日 12月15日(水)

Eは夕方普通に帰宅。
この日妻は、最近通い始めたベーカリーの学校での実習の復習にと、自宅でチョコチップクッキーを新品のオーブンで焼く。
4歳の娘もお兄ちゃんたちも大喜び。

と、家族はごく普通に過ごしていたがEが「明日の台風大丈夫?」と聞くと妻は緊急用のライト兼ラジオの充電をしたり、タンクの水を充填したりと備えを始め、お兄ちゃんたちにもあれこれと指示。

ちなみにセブの過疎地帯にある自宅は停電やインターネット回線の遮断は日常茶飯事
セブの市街地にも増して頻発するため、日常的にある程度の備えあり。
水は地下水をモーターでタンクに組み上げて使っている。
飲み水は1ガロンのタンクを購入して使用。

寝る前はいつものようにスマホ越しにEが子守唄に歌を何曲か歌う。
妻と娘はたいてい1曲目で寝落ちするが自分が歌いたいから、たいてい三曲ほど歌う。

いつもの就寝風景
この時すでに結構な嵐になってきていた。
今年1月に営業を始めたSari Sariストア、その後増設したカラオケスペース共にその夜、客足はほとんどなかった様子。

この夜の時点では、迫りくる台風によってあれほどの大規模な被害がもたらされるとは予想だにしていなかったのであった。

台風当日 12月16日(木)

早朝、出勤前にモーニングコール。
するといつもならまだベッドの中の妻が何やら慌ただしそう。

聞くと、暴風雨のせいで部屋の窓から水が浸入してベッドが水浸しだとのこと。
日本の普通のサッシなら水が入ってくることはまずないが、実際のセブ自宅の密閉されているとは言い難い窓を知っているEは「なるほどあり得る」と納得。
妻はタオルで家じゅうの窓どいう窓の隙間をタオルで塞ぐ。
妻は「心配しないで、なんとかするから」と。

いよいよスーパー台風オデッテの接近。
気をつけてね、と言い残しEは出勤。

いつも休憩時間にもメッセージのやり取りをするが、この日は返信なし
Eのメッセージは向こうに届いてもいないんでああ停電始まったか、と。
退勤後のメッセージにも返信なし。

ネットでニュースやTwitterを見ると台風オデッテの猛威のニュースが続々と入ってくる。

午後7時頃 風はかなり強くなっているよう。もちろん雨も。大型施設に避難する人々もいるとのこと
午後9時頃 停電、ネットが繋がらなくなっているなどの tweetがちらほら
午後11時頃 雨漏り、屋根が飛ばされた、などあらゆるソースから台風オデッテの猛威が伝えられる

台湾に住んでいたことのあるEは、日本よりはるかに南の国の発生したばかりの猛烈な台風の威力を経験済み。
台湾ではほとんどの家屋が鉄筋コンクリートでできているが、フィリピンでは柱は鉄筋コンクリートでも壁や屋根はトタン板という住宅がほとんど。柱さえないような家屋も多い。
かなりの割合の家が飛ばされる懸念大。

Eの自宅は、頑丈とは言えないまでも一応柱も壁も鉄筋コンクリート作り
とはいえ、今回の台風はEが人生で経験したどの台風よりも強力と思われる。
不安は募る

Eは家族に何度かメッセージするが、夜間の暴風雨の中で停電が復帰する見込みなどあるはずなし。
遅くまで起きて台風情報を見まくるがなすすべなくセブに最接近の中、

寝た。

すでに家族と連絡が取れなくなって約15時間が経過していた。
もう妻の危機対応能力に賭けるしかないが、結構信頼してはいる。

台風通過 12月17日(金)

いつもの時間に起床。
スマホを見るが、依然として音信不通

いくら考えてもできることは何もない
出勤する。
Twitterなどの情報では台風通過で雨風は落ち着いているよう。

仕事中も何度もこっそり着信を確認するも、音沙汰なし
昼の休憩に無駄とは思いつつ妻の親族にMessengerで安否の確認をお願いする。

親族もEの自宅と同じ地域に住んでいるわけだから停電もネット状況も自宅の家族と変わらないのは承知の上。
だが、うちの家族だけが何かに巻き込まれているという可能性もある。
もちろん、メッセージは向こうに届かない。

午後の仕事中、午後2時ちょうどについに

妻からのメッセージが!

昨日、というか今週は結構仕事が忙しかったがそれどころではない。
切りがいいところでトイレに駆け込む

個室にこもってMessengerを確認。
メッセージの内容は、

「家の屋根が壊れたけどみんな無事よ
「電線が全部壊れて停電、いつ直るかわからないわ」
二階が雨漏りしているの」
(※外国映画の吹き替え調)

と。
そして自宅と周辺の台風被害の写真も。


Sari Sariストアの商品がめちゃめちゃに床に散乱。
家の前の道路は倒木で塞がれ、近所のトタンの家は完全に風で崩壊している。
住人は今どうしているのか?

妻が二階の床の水たまりを拭く写真もあり。
そして、

娘の笑顔の写真も!

これが一番うれしい。
台風怖かっただろうに。雨漏りして不安だっただろうに。家や木が倒れて店の商品が散乱してどんなにショックを受けているかと心配していたけど、笑顔!

これに何より安心。
Eも無事でよかった、と返信。

が、そのメッセージは妻に届かず。
妻が停電、ネット不通の中、ダメ元で送ったメールが何かのタイミングで届いただけのよう。
ほぼ同時刻に妻の親族からもうちの家族の無事確認の返信メッセージが届いていた。
その後、午後4時頃にも妻からの「I love you.. I miss you..」関連のメッセージが一度届く。
Eも返す。

退勤後もなおMessengerは不安定。
帰宅する。

と、午後6時過ぎに妻からMessengerのコールあり!
ビデオコールの映像はかなり粗く、妻と娘が屋外にいる画面が現れる。

この場所は家の近所の路上で、停電でもなぜかフィリピンの通信会社の通信網にアクセスできるポイント。
自宅のWi-Fiの不通時、妻はEと連絡を取るのによくここに来る。
地元でも知られていて、家にインターネット回線がない地元民はここに集まる。
ちなみに妻のSari SariストアにはコインWi-Fiがあって30分5ペソでインターネットが利用でき、ご愛顧を頂いている。

実に36時間ぶりに連絡が取れた。
二人とも笑顔。とにかく笑顔に安心。
いろいろと被害状況を聞く。
が、いつもにも増して路上のネット回線が不安定で画面も音声も粗くて途切れ途切れ。

わかったのは二人が笑顔で深刻な状況ではないということだけ。
だが、顔を見れてうれしい。
1分と繋がらない状況で辺りは暗くなってきているため「もう家に帰っていいよ」となんとか音声で伝える。

路上のネットスポットが唯一の通信手段である以上、この夜はこれ以上連絡は取れないとあきらめる。
セブ全体が電柱が倒れまくって停電の中、過疎地帯の電気が復旧するわけもなし
Wi-Fi ルーターに電力が供給されない限り自宅にいる家族との連絡は取れようもない。

何はともあれ、さすがEの家族。
こんな壊滅的な状況の中でも笑顔で明るく生き抜いている。

台風通過翌日(本日)12月18日(土)

本日、現在午後8時過ぎ。
終日家族からの連絡はなし。

現地の状況を想像すると、

停電継続中
・スマホの充電切れ、バッテリーパックも残量ゼロ。充電の手段なし(そのため音信不通)
・タンクに貯めた地下水は節約して数日は持つはず
ガスもボンベが数日持つはず
飲み水はSari Sariストアの販売用の在庫が数日分あり(ソフトドリンク、酒類も豊富)
食料もSari Sariストアのパン、米、インスタント食品、乾燥麺、ビーフン、缶詰等豊富
調理もガスボンベ、炭火、たき火など各種対応可
・本日晴天、雨漏りの心配はなし(屋根の修復は後日)
・写真を見る限り自宅は屋根以外の損傷なし、ガラスの割れもなし
・標高が高く常に涼しいため冷房不要

と、ニュースで見る市街地の被害の様子に比べるとマシな方かも。
将来的に自家発電機の導入の検討が必要。

余裕があったら食料や水など、地域の人々に通常価格で売ってあげてほしい。
Eと次の連絡が取れるのは数日後かもしれない。
数週間後、でないことを祈る。

なにしろ電力復帰は、あの過疎地帯に電力を供給する大元の都市部が復旧してからになるだろうし、道路という道路が倒壊物で塞がれて移動も困難であろう。

引き続き妻の生存能力を信じるしかないけど、マジで信頼している!

ここ最近のリモート起業の状況

と、突然の災害で大変なことになっているセブですが、1月に始まったEの家族の起業に進展がありました。

まず、近況としてはカラオケサービスを始めました。

どういういきさつか近くに住んでいる妻の兄弟が(というか親族みんな近くに住んでいる)半年ほど前にカラオケマシーンを購入。
なぜかEの自宅横のサブスペース(?)に設置してあります。
妻のバースデーパーティーの時にもそのカラオケマシーンが活躍しました。

https://twitter.com/i/status/1408676726368923651

このカラオケマシーンとスペースをお客さんに有料で貸し出し、ついでに簡単な飲食も提供するサービスを始めていたんですが、何しろ雨が多いセブ
なかなかこのスペースを使える日が少なかったんですが、思い切って屋根を設置。


屋根の設置工事もそう安くはなく、せっかく設置するなら商売として成り立つためにサービスを充実させねば。
ということで来月からハンバーガーショップを始めることにしました。
ハンバーガーを焼く鉄板みたいなのが約5,000ペソ。

このスペースのマネジメントに任命されたのが下のお兄ちゃん
さっそく試作を。



そして将来的なビジネス展望について。

今月から妻がベーカリーの学校に通い始めました。
プロ向けの本格的なコースで、内容はケーキ、パン、スイーツ全般です。

その目的はもちろん、将来ベーカリーショップを開業します。
とりあえず自宅でパンを中心に開業して、上手くいけばセブ市街で店舗拡大、となんとなくの青写真を描いています。

開業時期は、未定です
なにしろ落ち着きつつあったコロナ禍もオミクロン株でなお長期化。
そんな折に今回の台風被害

Eは現在、セブ渡航のためのビザ申請書類の準備中
面倒な書類も入手し、ほぼ揃いましたが、これから妻に日本に送ってもらわなければならない書類もあります。
セブ市街地にたどり着くのもままならない現在の被害状況では申請も遅れそうです。

しかも、本日ベーカリーの実習授業があるはずが台風で中止(と連絡があったわけではないけどできるわけなし)。
いろいろ物事がEの家族の計画を邪魔してくれる。

Eの家族の将来の見通しを遮る霧はまだまだ晴れそうにありません。

まとめ

差し当たって、今回の台風オデッテの被害状況の報告とE家族のリモート起業の状況報告でした。
これほどの大規模な被害では停電の復旧でさえ数日かかることでしょう。
とにかく無事を祈るしかありません。

今後の状況は当ブログやTwitterで発信していきます。
これからも暖かく見守って頂ければ幸いです。
ではまた!


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結局、災害時はこういうのが一番役に立つのかも。あとは水と。
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