さて結果は如何に?
50代派遣社員Eの2025年の健康診断の続編、今回は完結編です。
前回記事では昨年の腹部超音波検査で腎嚢胞が見つかり、それが遺伝による多発性嚢胞腎だった場合には、脳動脈瘤の合併リスクがあり、ひいては脳卒中という重大なリスクにつながること。
そしてEの親族にはくも膜下出血の既往が多くみられ、E自身が脳動脈瘤を遺伝している可能性が50%あることを知ってようやく医療機関に足を運んだ、というところまでを語りました。
今回は、Eが医療機関を訪れ、頭部MRIの検査結果が出るまでのいきさつと、Eの脳動脈瘤の有無の結果を発表します。
前回の記事です。
医療機関を訪れる
Eの脳には脳動脈瘤があるのかどうか?
長年の懸念をはっきりさせるのは、とにかくそれを知ることが第一。
その方法としては、頭部MRI検査による画像診断を受ける必要があります。
しかし、過去に医師に言われたような脳ドックは保険適用されないためかなり高額。
それに、脳動脈瘤はもとより多発性腎嚢胞を発症していたらそれこそ腎機能に影響があって、将来人工透析が必要となるなんてこともあり得ます。
よって、正攻法の「まずは町医者に行く」ことにしました。
だって、脳ドック高いから。
Eが調べたところ最低でも3万円はかかります。

5月に町のクリニックを訪れ、大病院にて先月8月下旬に最終的な結論が出るまでの経過がこれです。
①たまたま近くに腎臓専門の内科医のクリニックがあり診察を受ける。
②医師に健康診断で腎石灰化と腎嚢胞が発見されたこと、親族にくも膜下出血の既往歴があり脳動脈瘤を懸念していることを伝える。
③クリニックで再度、腹部超音波検査を受ける。
④画像により腎嚢胞はそれほど多くないこと、腎石灰化があるのは年齢からして普通である、との診断を受ける。
⑤とはいえ、脳動脈瘤の遺伝の可能性は高い(50%)わけだから大病院で検査を受けるよう紹介状を書いてもらう。
と、次からは有給休暇をとるなどして大病院に通院することとなります。
大病院に通院
紹介状を持って大病院に。
それからの過程がこれです。
①紹介状を持って大病院へ行き、内科医の診察を受ける。
②内科医に、来院の主目的は脳動脈瘤の有無を知ることであると伝える。
③医師の指示により、尿検査と血液検査、腹部MRI検査を受ける
④3つの検査の結果、医師の診断は「腎嚢胞の数はギリギリ多発性嚢胞腎の要件を満たすもの」だった。
と、ここまでが大病院での検査の前半です。
気付いたでしょうが、前半でEが受けた検査は「頭部」ではなく「腹部」MRI検査。
まずは腎臓の嚢胞を徹底的に調べたわけです。
その結果、尿検査は正常。
血液検査も腎機能の数値は正常。Eが気にしていた腎機能を表すクレアチニンの数値は昨年と同じで「0.97mg/dL」(1.00mg/dL以下は正常)。
そしてすでに受けた腹部超音波検査より、もっと詳しい腎臓の画像診断をしたのが「腹部MRI検査」。
MRI検査はCT検査と似たイメージですが、違いはこれです。
MRI検査:磁場と電波を利用して体の断面を撮影。高い組織分解能をもつ。金属が体内にある場合は受けられない。
CT検査:X線(放射線)で体の断面を撮影。骨や肺の検査に適している。放射線の被ばくがある。
今回の検査にはMRI検査が適していたわけですね。
ちなみに今回のMRI検査は保険適用で、Eが支払った料金は6千円台。
安いとは言えない金額ですが、これを受けることにはもうひとつの意味があります。
それは、Eの嚢胞に「多発性嚢胞腎」の診断でなければ、Eの目的である「頭部MRI検査」が保険適用にならないのでした。
病院を脳ドック代わりにしようというEの目論見は、そうそう甘くはなかったわけです。
確かに「多発性嚢胞腎と脳動脈瘤の合併の懸念」という医学的根拠がなければ、頭部MRI検査を保険適用する義理はないですよね。
結果の画像はEもざっと見ましたが、ネットで調べた時に見た腎臓全体が嚢胞だらけの「多発性嚢胞腎」の画像とは全く違い、腎臓に嚢胞がいくつか点在しているだけ。

画像引用:MSDマニュアルHP 「多発性嚢胞腎 (PKD)」
ただ、医師によると「嚢胞の数はギリギリ多発性嚢胞腎の定義に当てはまっている」とのこと。
特に、家族にくも膜下出血の既往歴があるということでこうなりました。
⑤後日、頭部MRI検査を受ける。
⑥検査結果、脳動脈瘤の有無を聞く。
⑦今後の方針を決める。
頭部MRI検査は7月下旬の猛暑の日、平日午後に行われました。
Eは午後に半日有給休暇を取って病院へ。
前回の腹部MRI検査と全く同じ装置の中に入りました。
その際は、体内に金属がないかしつこいくらいに聞かれます。というのも装置の内部では強力な磁場が発生するので大変な事態になるのだそう。

が、検査中は特に体に何も感じません。
検査は全部で30分ほどで終わり。
半日有給で後はのんびり過ごしました♪
料金はもちろん保険適用で、前回と同じ6千円台。
腹部と頭部の合計で1万3千円ほど。
脳ドッグよりは安く済んだし、腎臓と脳動脈瘤の両方を診てもらえたからよかったかな。
検査の1週間後に発症した尿路結石は見抜けなかったけど。
後はいよいよ結果、長年の懸念である脳動脈瘤の有無を知ることとなります。
脳動脈瘤の診断結果
結果を聞きに行ったのは、お盆をいくらか過ぎた8月猛暑の日。
その時のEの心情は、八割方脳動脈瘤はないだろう、と予想していました。
Eの親族がくも膜下出血を発症したのは全てEの現在の年齢より若かったから。ただ、これは医師にも話したけど、全く根拠にはならないとのこと。
ここまでセーフだったんだから、「もともと脳動脈瘤は遺伝していなかったのでは?」という楽観的な推測でした。
しかし、残り二割は「脳動脈瘤があったらどうしよう」という恐怖。
それについても当然ネットや動画で情報を集めていたE。
脳動脈瘤の治療には「クリッピング術」や「コイル塞栓術」といった手術が必要です。
開頭手術やカテーテルを入れて動脈瘤に血液が流れない処置を施すのだそうです。
脳動脈瘤が存在するのであれば、それらの手術を受けることはやむを得ない、というかぜひ手術を受けて、脳卒中のリスクを回避したいものですが、果たして結果は。

画僧引用:Medical Note HP 「脳動脈瘤の治療はするべき? 治療の判断基準、治療方法について」
Eの番号が呼ばれ診察室に入ります。
医師は腎臓のことを話し始めます。
「腎嚢胞は大丈夫だと思う」と医師。
Eは「そういえば、この間のMRI検査の1週間後に尿管結石にかかりましたよ」と。
医師、「そうなの?画像には特に何もないけどね…」と。
あの激痛に見舞われた時、なぜ直前に受けたMRI画像でわからなかったのか疑問でしたが、改めてみてもわからないよう。やはり、シュウ酸を多く含む素焼きナッツの爆食いが原因だったのか?
いまだに謎です。
先日発症した尿路結石についての記事です。
医師はなおも腎嚢胞について「小さいから」とか「嚢胞が原因で腎機能が落ちることはないでしょう」だとか、忘れているのか前回の診察と同じ内容を繰り返します。
Eはしびれを切らして、最大の関心事を聞きだします。
「ところで頭部MRI検査はどうでした?」
さあ、緊張の瞬間です!
「あー、頭の方は大丈夫でした」
あ、そう。
なんとあっけない。
数十年も前から気になっていて「家族に迷惑かけたら」だの「手術を受けなければならないかも」だの心配に心配を重ね、最初にクリニックに行ってから3か月以上もかかってやっと聞き出しか結論を、まるで「あー昼飯、食べました」くらいの軽さで言われるなんて。
「それが頭の方はですね、う~~~~~む。………………大丈夫でした!」
くらいにもったいぶってもらえないものなのでしょうか~。
ま、大丈夫でよかったです。
2分の1のくじ引きで当たりを引き当てたわけですね。
マジでよかった。
今後の方針
とりあえず脳動脈瘤の方は終了。Eとしても脳動脈瘤による、くも膜下出血などの脳卒中は100%起こらないものとして生きていきます。
母親がくも膜下出血を起こしたのと同じ状況、冬の寒い日に自宅のトイレでいきむときに「あ、頭の血管大丈夫かな?」などと脳動脈瘤の破裂を心配する必要もなくなりました。
腎嚢胞の方は、医師によると「ギリ、多発性嚢胞腎の定義に当てはまる」らしいですが、実際の画像を見てもネットで見るような全体が嚢胞だらけの腎臓とは全く別物。
医師もどうしようか思案の結果、念のため1年後にまた腹部MRI検査をすることに。
もう1年後の予約も取りました。
まとめ
かくしてEの、ほとんど半生と言ってもいいほど長きに渡った脳動脈瘤の遺伝の懸念を、ようやく晴らすことができたのでした。
特に日々脳卒中の恐怖に怯えていた、というわけでは全然なかったんですが、こうしてひとつの懸念が払拭されると、なんとも心が軽くなるものです。
ただ、Eにはもうひとつ遺伝による重大な疾病の可能性があります。
父親が発症した2型の糖尿病です。
現在その兆候はありませんが、父親が糖尿病を発症したのは70代前後だったので、Eも今後いつ発症するかわかりません。
⇒ 糖尿病と遺伝についてのHPはこちら
糖尿病の予防などについても今後、当ブログ記事で語る予定です。
次回をお楽しみに!