昨年2024年8月から地方工場で働く50代派遣社員E。
それまで働いていた有名上場企業の地方工場では、卓越したポテンシャルを発揮して職場でのスキルをガンガン上げた結果、3回の計200円の時給アップを勝ち取った実績がありました。
が、現在の派遣先では派遣社員の仕事は毎日固定。日々の成果に個人の技量は反映されることはなく、時給が上がることもない。
という過去の成功手法が通用しない職場環境。
それでも「時給アップ達成ゲーム」での勝者になることをあきらめないE。
この春もやりました「ひとり春闘」を。
その結果、70円という微妙な額の時給アップを達成したのですが…
一昨年に「ひとり春闘」で時給アップ達成をした時の過去記事です。
「ひとり春闘」開始前
今回の「ひとり春闘」、始まりは2月下旬。
派遣会社の担当からメールが来ました。
こんな内容です。
担当:
お疲れ様です。
更新確認の連絡です。
4月から6月の3か月更新になりますが、更新でよろしいでしょうか?
なお、4月からの時給については先方検討中です。
決まり次第ご連絡いたします。
え!
「時給については先方検討中」と。
派遣社員になって8年ほど経ちますが、こちらからの働きかけなしに向こうから時給を上げるなどということは今までに一度もありませんでした。
こいつはありがたい、と返信メール「更新でお願いします」と即答したEでした。

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4月直前
Eの派遣会社では2018年から給料明細がウェブ上で通知されるようになり、2年ほど前にスマホアプリもできて、雇用通知書(派遣労働契約書)もアプリ上で通知され、【合意】をクリックすることで押印することなしに契約が成立するようになりました。
4月からの新たな雇用通知書がアプリ上で送られてきたのが3月下旬。
仕事の昼休みにメールを受け取り、さっそくアプリを開いて4月からの3か月契約の雇用通知書を確認。
さて、時給はいくら上がっているのでしょうか~!
と、
時給が今までと変わってないじゃないか!
動揺するE。
どういうことだ。あんなに期待させておいて何も変わっていない。
これは何かの間違いだ。そんなはずはない、これは夢か!
Eはしばらくして動揺が収まると、こう思い至りました。
よし、担当に確認してみよう
アプリの【合意しますか?】の問いを無視して閉じ、とりあえず昼休みが終わり勤務に戻ったE。
仕事なんかうわの空で(うわの空でもこなせる簡単な業務です)、担当にどうメールを返そうかと思案するE。
あまりに考え込みすぎて、機械に入力する数値を間違えてエラーを出したりなど。
その日の勤務終了。
思案の結果、くれぐれも「時給については先方検討中」との前言を撤回することのないようこんな文面を送りました。
E:
4月からの雇用通知書を拝見しました。時給は変化なしのようです。
ここのところ世の給与水準も上昇傾向のようで、近隣のチェーン飲食店では時給が私の時給と同額で、プラス土日出勤他のインセンティブ、などという募集広告も見られます。
パート、アルバイトより派遣の方が時給がいい、というこれまでの一般的概念も崩れつつあり、現在の時給では働く上でのモチベーションを保つのも難しくなることも考えられます。
そういった社会状況を踏まえて、もう一度時給について先方に再考を促していただけませんでしょうか?
そう。
「モチベーションを保つのも難しくなる」と、このままでは現派遣先では働けない、とほのめかしたわけです。
もうこうれはあれです。
「ひとり春闘」再び、です!

Eが毎日飲むコーヒー豆も値上げが響いています。
昨今の給与傾向
それに、メールに記したように世の給料水準って上がっていますよね。
メールを送った日の少し前、E家族は近所のファミレス「サイゼリヤ」を訪れたんですが、入り口で案内待ちをしている時に目に留まったのがパート・アルバイトの募集広告でした。
ファミレスの時給がなんとEの派遣の時給と同じ1,000円台前半。
Eはそれまでの固定観念を覆されました。
Eの固定観念とは、
派遣社員の時給は、直接雇用の非正規労働者の時給より高い
というもの。
実際、1~2年前はEの住んでいる地方ではファミレスなど一般的なアルバイト・パートの時給は800から900円台といったところで、工場派遣は1,000円台前半が相場だったはずです。
確かに世の中では賃金上げの必要性が叫ばれて、大企業を中心に賃金アップが実現していると聞いてはいたものの、これほどまでに派遣社員の時給が世の中から取り残されていたのかと、愕然としたのでした。
もちろん、この1~2年は物価も高騰。
ガソリンも値上がり、コメの価格は2倍になるなど国民全体が生活の質を落とさざるを得ない始末。
E家族も週に一回の外食の時に、値上げのせいで入るのを控えるようになったレストランも多数あります。
もはや賃上げは、なくてはならない生存にかかわる問題ともなってきているのでした。
さて、Eの「ひとり春闘」メールは派遣先の企業に響いたのでしょうか?
時給アップ実現か?
担当からの返信は、あっけなくその日の夜8時過ぎに来ました。
担当:
昇給を派遣先に打診してあります。
5月から変わる予定です。
なんだ、時給アップは実現するわけね。
しかも全派遣社員一斉で。
けど、「4月から」と言っていたのに「5月から」と話が違っていたことは確か。
おかげでEが長々と時給アップの催促みたいなメールを送る羽目になったというわけ。
とはいえ、この時点で時給がいくらアップするのかは不明。
それがわかったのは4月下旬。
再びアプリに雇用通知書が届いたとのメール。
アプリを見ると5月から2か月の契約となっています。
そして、
70円の時給アップ!
要するに前回の3か月の契約内容のうちの時給だけアップデートした、ということのよう。
70円の時給アップというなんとも、
「上げたくなくてしょうがないんだけど、世の趨勢からいって時給据え置きでは他社との競合で求人の応募は見込めなくなるし、50円程度アップしても焼け石に水、といって100円も上げたら利益が減って今までのような役員報酬をもらうのは厳しくなるしな~」
といった思案の痕跡がくっきりと残る金額を見ることとなりました。
その割に4月からそれまでの作業着、というかユニフォームを総入れ替えで材質もよさそうなものに替わる、といういらん経費を使っているし。
いっそ100円、予告通り4月から上げろよ!
と、心の奥底で密かに思ったEでした。
まとめ
2年ぶりに時給アップの美酒に酔うEでした。
が、過去の時給アップは「己の実力で勝ち取った、己のみの成果」であった一方、今回は「世の趨勢の後押しで、企業の都合で全員に行き渡ったおこぼれ」に過ぎません。
達成感なき時給アップでしたが、まあよしとします。
もし上昇額が50円だったとしたらさらに「ひとり春闘」を継続するつもりでしたが(派遣先変更、派遣会社変更も視野に入れていました)、まあよしとします。
第三のビールで乾杯!
これからも派遣社員Eの時給闘争の道のりをレポートしていきます。
次回をお楽しみに!
