セブに住んでいた家族が2月に日本に移住して、早4か月。
その間、娘の小学校入学、学校行事に日本語の勉強など、多忙な日々。
ようやく落ち着いてきたものの、今後の日本での生活のために、まだまだやるべきことがあります。
それが「フィリピン人の妻が日本の運転免許証を取得する」。
外国で取得した運転免許証は、諸条件はありますが、日本の免許に切り替えて取得することができます。
その際に、外国の免許証の日本語訳を入手するというひと手間が必須です。
この翻訳、なんでもいいというわけではありません。
今回はEの妻が実際に体験した「外国運転免許証の日本語訳の入手方法」について解説します!
日本の運転免許証の取得方法
では、そもそも外国人が(または外国で運転免許証を取得した日本の運転免許証を持っていない日本人が)日本で車を運転しようと思ったら、次の三つの方法が一般的かと思われます。
①自国で国際運転免許証を取得する
②自国の運転免許証(外国運転免許証)を日本の運転免許証に切り替える
③日本で日本人と同様の方法で運転免許証を取得する
この三つの中で、最も取得が簡単なものは①の国際運転免許証でしょう。
Eもこれまでに何度も国際運転免許証を取得して外国で車やバイクを運転したことがあります。
試験系は一切なしで写真を用意して手数料を支払うだけで取得できます。
ちなみに、Eはまだ実物を見たことがありませんがフィリピン発行の国際運転免許証はこういう感じのよう。
なるほど日本で発行されるものと同じような感じですね。
画像引用:The International Driver's License of IDL Services Inc.HP
https://www.international-license.com/
国際運転免許証は取得は楽ですが有効期限が1年で、再取得には本国に戻らなければならないという欠点があります。
一方、②の「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える」(以下「外免切り替え」)という方法は、日本の居住地の免許センターで更新が可能という大きなメリットがあります。
そして日本人なら誰もが知るように、③の「日本人と同様の方法で運転免許証を取得する」という方法は、他の方法より圧倒的に時間と労力とお金がかかります。
よって、Eの妻の場合はもちろん却下です。
そんなわけで、フィリピン妻の運転免許証については来日した後で「外免切り替え」をすることに決めていました。
がこの選択、最善ではありませんでした。
かなりの想定外がありました。
フィリピンの運転免許事情
というのもEの「外免切り替え」の印象が、台湾で日本語教師をしていた頃に、日本に移住した台湾人から聞かされていたものだったからです。
同じ外免切り替えでも、台湾人とフィリピン人ではかなり手続きの要件が変わります。
その原因がこれです。
①フィリピンは偽物の運転免許証が非常に多く出回っている
②フィリピンの運転免許証は非常に簡単な試験で取得できる
これ、妻からもその実態を聞かされていますが、フィリピンは想像を絶するニセ免許証の多さ。
おまけに、Eは妻が運転免許を取得するときに、その状況を逐一報告を受けていましたが、とにかく試験がゆるい。
実際妻が免許を取得した直後はまともに道路を乗り回せるような技術では当然なし。
当時妻から「今日道路で走ってみた」という報を聞くたびに肝を冷やしていたものでした。
そんなフィリピンですが、その結果どういうことが起きるかというと、
①外免切り替えの際の必要書類が通常より多い
②外免切り替えの際に知識確認(学科試験)と技能確認(技能試験)が必須
となります。
①の必要書類はフィリピンの運転免許証の場合は別途、フィリピン政府発行の「運転免許証明書」とそのアポスティーユ、運転免許取得時(または更新時の)オフィシャルレシートが必要となります。
これは日本の免許センターで提示するフィリピンの運転免許証がニセ物でないことを証明するためのものです。
②について、正確に言えばフィリピンは「知識確認、技能確認を免除する国等」に含まれていない、ということになります。
ちなみに試験が免除される国は29か国あるようです。
つまり、免許センターででそこそこの事前準備を必要とする筆記試験と実技試験を受けなければならないのです。
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Eの想定外
これがかつて台湾人の外免切り替えの話を聞かされていたEの想定外でした。
台湾は29か国の「知識確認、技能確認を免除する国等」に含まれていて、彼らはみな書類の提出だけで日本の運転免許証を取得で来ていたのでした。
来日から3か月ほど経過した2024年6月現在、妻は「書類審査」を通過して「知識確認、技能確認」の準備、練習の段階にいます。
これは後から知ったことですが、「知識確認、技能確認」、特に「技能確認」は免許センターのコースを走って、いわゆる「実技試験」を受けることになります。
この「実技試験」が一筋縄ではいきません。
何の準備もなくぶっつけ本番で試験を受けに行ったら、日本の運転免許証を所持していて普段から運転している日本人でもまず合格できないでしょう。
それなりの費用と時間をかけて、然るべき場所で教わる必要があります。
これについては後日、当ブログで報告します。
以上のことを踏まえて今になって思えば、というかフィリピン人にとっての「外免切り替え」について正しい情報を把握できていたのなら、こうするべきでした。
①来日前に国際運転免許証を取得しておく
②国際免許証により来日後すぐに日本で運転ができるので、国際運転免許証の有効期限までに腰を据えて外免切り替えを完了させる
この方法が「日本で運転する」という目的を満たすのに最善の方法だったと言えます。
が、後の祭り。
とにかく、なる早で外免切り替えを完了させるしかないというのが現状です。
地方在住のE家族、妻も運転できないとどうにも不便です。
書類審査の必要書類
では、今回の本題に戻ります。
そもそもの「外免切り替え」のステップはこうなっています。
書類審査(要予約)
↓
適性試験(要予約)
↓
知識確認(学科試験)
↓
技能確認(技能試験)
↓
免許証交付
予約が取れるまでの期間だの、試験の難しさだの、問題は多数あるわけなんですが、今回の本題は別です。
まずやらなければのが書類審査のための書類集め。
その書類集めの段階で、おそらくほとんどの人がやったことのない「あること」をやらなければならなくなります。
それが、
外国の運転免許証の翻訳を入手する
です。
外国運転免許証の日本語訳の入手方法
都道府県によって、また切り替える免許証の元の国によって違いがあるでしょうが、外免切り替えに必要な書類はおおむねこうです。
外国の運転免許
在留カード
パスポート
国籍の記載された住民票の写し
外国の運転免許証の日本語翻訳文
翻訳といえば、外国で発行された証明書等を日本の役所に提出する時に、その日本語訳が必要となることはよくあることです。
Eも実際、日本で婚姻届けを提出したり、ビザ申請をする際に妻や娘の出生証明書などの日本語訳を自分で作成して(ネットでひな形が簡単に入手できます)、自分で署名したものを提出したことが何度もあります。
自分で翻訳してそれが通用する場合、費用はタダです。
が、今回の外免切り替えで必要とされる翻訳文は、自分で翻訳したものはあっけなく却下です。
有効となる翻訳は下記の機関が発行したもののみです。
・当該国の駐日大使館(ただし、台湾の運転免許証については、台湾日本関係協会)
・日本自動車連盟(JAF)
・ドイツ自動車連盟(ドイツのみ)
・ジップラス株式会社(台湾、アメリカ合衆国、ベトナム社会主義共和国、中華人民共和国、フィリピン共和国、香港特別行政区、ウクライナ、ミャンマー連邦共和国、ネパール)
警視庁HPより
さて、この中でEの妻が選んだのは、
日本自動車連盟(JAF)による翻訳
でした。
理由は、
①当然「ドイツ自動車連盟」とやらは不可
②当該大使館、つまりフィリピン大使館では東京の六本木まで足を運ぶ莫大な手間と費用がかかる
③ジッププラス株式会社の翻訳文はウェブサイトによると「6,000円」と高い
④日本自動車連盟(JAF)によるものは「4,000円」、なによりE自身がJAFのロードサービスに加入していて馴染みがある
といったところです。
ちなみにジッププラスは料金が高い。
と、ディスっているだけみたいに思われるので別情報を付け加えておくと、書類審査後の技能試験の対策動画の提供サービスなども行っているようです。
そのジッププラス株式会社の料金がこれ。
ジッププラス株式会社の外国運転免許証の日本語翻訳サービスの料金
画像引用:ジッププラス株式会社HP
と、日本語翻訳文が一通、6,000円。
送料が520円、コンビニオンライン印刷なら送料はなしと思われます。
一方、JAFの料金は日本語翻訳文一通、4,000円。
コンビニオンライン印刷で、当然送料はなしです。
別途セブンイレブンのマルチコピー機で印刷する際に印刷料金が1枚20円かかります。
フィリピンの運転免許証の場合は別紙があるので2枚で40円かかることになります。
というわけで長い前置きでしたが、Eの妻が利用した日本自動車連盟(JAF)によるフィリピンの運転免許証の翻訳文の入手方法を解説します。
日本自動車連盟(JAF)によるフィリピンの運転免許証の翻訳文の入手方法
と、ようやく本題に入るかと思いきや、フィリピンの運転免許証の翻訳、ひいては外免切り替えの書類審査で必要となる書類について言及しておく必要があります。
フィリピン免許証に必須の書類
日本自動車連盟(JAF)で運転免許証の翻訳文のウェブ申請に必要な書類はこれです。
※印にご注目を。
現在有効な外国運転免許証の表面・裏面の画像データ
※下記(1)(2)の国については免許証の情報を補足する書類が必要です。
(1)中華人民共和国免許証の場合は副頁の表面・裏面の画像
(2)フィリピン共和国免許証の場合はオフィシャルレシートの画像
前述のように、ニセ物が横行しているフィリピンの運転免許証は信用がありません。
よって他国では必要のない書類が必要となります。
それが、
オフィシャルレシートの画像
です。
「は?」となりますよね、日本人なら。
というのも、フィリピン国内においても免許証の現物は信用がなく、公的には免許証を発行した時の手数料を支払った時の政府発行の「オフィシャルレシート」なるものが免許証がニセ物ではないことの証明となっているようです。
実はEの妻、最初の運転免許証取得時の「オフィシャルレシート」は日本に持ってきていませんでした~
オフィシャルレシートの画像。
これは運転免許証取得時のものではありません。
さっそくセブにいるお兄ちゃんに連絡して探してもらいます。
が、見つからない。
「ダメか」と思いきや、妻は別のものを日本に持ってきていました。
それは、
LOT(Land Transportation Office)発行の運転免許証証明書とそのアポスティーユ
です。
こういった証明書です。
※画像は加工されています
この運転免許証証明書は、この後の免許センターの書類審査でもオフィシャルレシートと共に必須の書類だったわけで、妻のファインプレーでした。
さらにこの運転免許証明書が本物であるというフィリピンの外務省(DFA)によるアポスティーユという証明書が必要になります。これがないと運転免許証明書は日本での効力がありません。
アポスティーユなるものは、かつてEがコロナ禍期にフィリピンに渡航するためのビザを取得するときに、いくつかの書類に日本の外務省による認証(アポスティーユ)を受けたこともあり、結構一般的に使われる制度です。
ただ、運転免許証証明書とそのアポスティーユが必須かどうかは在住の都道府県によるかと思います。
※画像は加工されています
日本自動車連盟(JAF)の翻訳文の入手方法
ではさっそく日本自動車連盟(JAF)のウェブサイトをクリックします。
⇒ 外国運転免許証の日本語翻訳文についての概要はこちら
と、概要をつかんだ上で申請へと移ります。
⇒ JAFの運転免許証翻訳文 申請サイトはこちら
上記をクリックすると、このような画面が表示されます。
メールアドレスの登録が必要になるので、まずは[申請手続き]をクリックします。
表示された画面を下にスクロールして、下記の画面で[同意する]にチェックを入れ[メールアドレスの登録に進む]をクリックします。
次の画面にメールアドレスを記入して[メールを送信]をクリックします。
登録したメールアドレスにJAFからのメールが届くので、認証してください。
メール内のログインURLへ、または最初のURLに戻ってログインします。
ログインすると下記の画面が表示されるので[申請手続きを開始する]をクリックします。
次に下記の画面が表示されます。
現在【情報入力】の段階です。
画面をスクロールして[申請情報]に必要事項を記入します。
全部記入したら下記の[確認しました]にチェックを入れて[次へ]をクリックします。
画面が切り替わると【免許証登録】の段階に入ります。
このページで下記の書類の写真データを添付します。
①運転免許証(表面)
②運転免許証(裏面)
③オフィシャルレシート
フィリピンの運転免許証の場合は①②の他に、③のオフィシャルレシートの添付が必須です。
が、Eの妻の場合は申請時点では③のオフィシャルレシートがなかったので代わりに運転免許証明書の写真を添付して、無事受け付けてもらえました。
後々免許センターの書類審査でオフィシャルレシートは必須となりますが、妻が昨年免許証の更新をした際にWEB上でオフィシャルレシートを受領していたことがのちに発覚し、ダウンロードして無事に提出することができました。
ここまでの、Eの妻の経験によるフィリピンの「オフィシャルレシート」についての情報をまとめると、こうなります。
・JAFの運転免許証明書翻訳の申請の際はオフィシャルレシートの代わりに「運転免許証明書」を添付しても受け付けてもらえる
・書類審査の際は運転免許証取得時ではなく、更新時のオフィシャルレシートでも受け付けてもらえる
・近年、オフィシャルレシートはWEB上で発行されているはず
というわけで、運転免許証の表裏とオフィシャルレシートの写真データを用意したら、下記に添付(登録)して[次へ]をクリックします。
次に【内容確認】の画面が表示されます。
問題がなければ画面下の[お支払い手続きに進む]をクリックします。
このあとは【お支払い】の段階へと進みます。
料金4,000円をクレジットカードで支払いました。支払いはクレジットカードのみです。
支払いが済むと【申込完了】となります。
するとこのようなメールが登録したメールアドレスに届きます。
あとはコンビニ印刷の準備完了のメールを待ちます。
「所要日数」は「2週間程度」となっていましたが、Eの妻の場合はだいぶ早くメールが届きました。
運転免許証の翻訳文のコンビニ印刷
Eの妻(というか作業したのははぼE)の場合、3月の土曜日に申請、直後に受け付けのメールが来ます。
それから4日後の水曜日にJAFから「コンビニ印刷の準備が完了しました」のメールが来ました。
所要日数2週間となっていたのに、驚きの速さ!
このようなメールです。
このメール文(というかスマホ)を握りしめてセブンイレブンへ!
コンビニはセブンイレブンのみです。セブンイレブンのマルチコピー機で翻訳文を印刷します。
メール内にURLがいくつか貼ってあって、それをクリックすれば詳しい印刷方法が記載されています。
例えば[セブンイレブンのマルチコピー機の使い方]のURLをクリックするとこのようなPDF画面が表示されます。
説明通りに操作すれば簡単に印刷できます。
印刷の際に[印刷番号]の入力が必要です。
これを調べておきます。
メール内の[印刷番号の確認手順]の下のURLをクリックしてJAFのサイトにログインします。
[発行状況の確認]をクリックして[申請状況]の欄の[予約番号]が、メール内で言う[印刷番号]に当たります(なぜか呼び方が違います)。
これはパソコン画面ですが、セブンイレブンに足を運ぶときはスマホを持っていくケースがほとんどかと思われます。
スマホ画面はこんな感じです。
※画像は加工されています。
前述のように、フィリピンの運転免許証の翻訳文は[別紙]を含めて2枚です。
マルチコピー機で40円を支払い、ようやく翻訳文が入手できました。
それがこれです。
フィリピンの運転免許証の[別紙]がこれ。
この後の免許センターの書類審査では2枚とも必要となります。
以上が、日本自動車連盟(JAF)による外国免許証の日本語翻訳の入手方法の全容です。
まとめ
今回の作業を通じて、Eも妻もフィリピンの運転免許証の国際的信用度がこれほどまでに低いということに驚きでした。
国が違えば、免許証翻訳の必要書類は最小限で、筆記試験も実技試験も免除で、今頃とっくに免許証を取得して日本の道路を乗り回していたことでしょう。
とはいえ、移住前に国際運転免許証を取得しておきさえすればなんの問題もなかったわけですが…
Eの妻が体験したフィリピンの運転免許証の日本語翻訳の入手方法、ひいては外免切り替えの概要等、参考にしていただければ幸いです。
今から約10日後、Eの妻は免許センターで筆記試験と実技試験(実技は筆記が受かった場合のみ)を予約しました。果たして結果は?
今後もフィリピンの運転免許証の外免切り替えの実際について妻の体験をもとにレポートしていきます。
次回をお楽しみに!