50代派遣社員の職歴紹介シリーズ、再開です!
Eがバブル崩壊期に新卒で就職した東京の外食産業、レストランチェーンの会社。
前回は入社式と新入社員研修の様子についてお伝えしました。
今回はいよいよ店舗に配属。研修で学んだことの実践の業務が始まります。
大学時代にアルバイトで外食産業の経験のあったEですが、高級レストランでの接客業で果たして通用したのでしょうか?
ところで、なにしろ30年以上前の記憶なのでところどころ曖昧です。
前回の記事です。すいません、実に1年3か月振りのシリーズ更新です…
新入社員、配属!
久しぶりの投稿なんで前回までのおさらいです。
バブル期に大学時代を過ごし、まるでお金の方からこっちにやってくるかのように錯覚して世の中を舐めた就職活動を始める。が、あまりにも能天気な就活ぶりで唯一採用されたのがレストランチェーンの会社。
比較的高級の部類にはいる全国に数十の店舗を持つ会社で入社式を迎え、続いて新入社員研修を体験。
研修ではそれなりの爪痕を残し、いよいよ店舗への配属の日を迎えた、というわけです。
さて、店舗配属の当日。
全新入社員が本社に集まります。
順番に新入社員の配属先が発表されていきます。
配属先決定!
やがてEが呼ばれたのは三軒茶屋にある店舗。
Eの大学、日本大学商学部は校舎が世田谷区砧という世田谷通り沿いにあり、大学時代に渋谷でアルバイトをしていた頃にはバイクで大学から世田谷通りを行き、三軒茶屋で国道246号線に合流して渋谷へと通っていたものでした。
と、場所はよく知っているものの三軒茶屋は通り過ぎたことがあるだけで、そこに何があるのかさっぱりわからず。
Eは学生時代から、京王線の仙川駅と小田急線の成城学園前駅の中間に住んでいたので(仙川駅の方が近い)、通勤はそのどちらかで新宿方面に乗って、途中で路面電車の世田谷線に乗り換えればいいのかな、と頭に浮かびます。
新入社員たちはひと通り配属先の発表が終わると、お迎えの従業員に案内されてそのまま店舗へと移動します。
三軒茶屋の店舗からはEの二つ上の先輩の大卒女性社員ワタベさん。
そしてEと同じく三軒茶屋の店舗配属となったのは総勢7名。
その内訳は、
大卒営業男子:1名(Eです)
高卒接客女子:2名(タナベとホリ)
高卒調理男子:3名(ササオカ、他)
高卒調理女子:1名(ミズタニ)
Eは100人以上いた新入社員研修では高卒社員とは関わる機会が少なく、同じ三軒茶屋に配属となった高卒6人とはほぼ面識なし。
一緒にフロアで働くことになる女子2人も言葉を交わすのはその日が初めてでした。
一方、大卒3年目のワタベさんは新入社員研修に先輩社員として来ていたうちの一人で、店舗配属後の業務についての紹介を新入社員の前で語ってくれていたので、もちろんEは顔を覚えていました。
実はワタベさんの方は、実はその時すでに自分の店舗に配属される新入社員のメンバーを知っていたのでした。
なので、大卒後輩社員のEを見つけて「あー、この人か」と密かに認識していたとのこと。
ちなみにワタベさんはマネージャーという役職を与えられていて、三軒茶屋はニ店舗目だそうです。
ワタベさんはこの数年後に会社を退職し、Eも同時期に名古屋に転勤することになりますが、Eは在職中は割と仲良くさせてもらって、お互い別の店舗に異動してからも二人で他のレストランの見学に行ったり、飲みに行ったこともありますが、決して付き合ってはいません。
店舗初日
さて総勢7名の新入社員が店舗に着いたのはちょうどお昼時。
店の宴会場に通されますが、折しもランチタイムのピーク時間真っ只中。
調理場もフロアも従業員は忙しくて新入社員どころではありません。
料理長登場
しばらく待たされて、やってきたのは料理長。
50代と思われる無口で笑顔がなく貫禄のある人物で、調理場で着る白衣をまとっての登場。
圧倒されるE以下新入社員を尻目に料理長は「昼飯にするから、メニューから好きなものを頼めよ」と。
さすがに高額なメニューは気が引けるので、各自庶民的な、というか二十歳前後の若造たちが高級レストランのコアなメニューを見てもわかるわけがないので、そこらのレストランでも見る一般的な料理を注文。
あとから思えば、ランチタイムの激務の中で新入社員のために料理人の皆さんが料理を作り、フロアで働く皆さんが料理を運んでくれていたのでした。
後にEも経験しますが、忙しい最中のこういった会社都合的な業務はややイラっとします。

店長登場!
豪華な昼飯も終わり、ランチのピークタイムも過ぎ、いよいよ店長がやってきます。
料理長よりは若めで40代と思われる割とイケメンの店長。
ただ第一印象からしてそうだったんですがこのイケメン店長、ややボンクラです(すいませーん)。
正直、三軒茶屋の店の管理はかなり甘々でした。
人員管理もできてなくて、繁忙時にも接客メンバーの頭数が足りないこともしばしば。店長を補佐する核となるようなリーダーが育っていないため、日常のオペレーションもかなり雑。
実際この店長は、バブルが崩壊して会社全体の業績が落ちると現場の業務から外されることになります。
配属早々にEはフロアが管理する備品や消耗品、飲料類などの発注を任されますが、未経験の上ちゃんと指導してくれる人もいなくて、何がどれくらい必要かわからず勘で発注。
おまけに店のゆるゆるな環境もあり(言い訳です)バイト感覚で働くEがやっているため、発注ミスが日常茶飯事。
発注の不足に気付いて当日の早朝にEが自宅から会社の工場に緊急の発注の電話を入れたり、ひどいときはディナータイム直前に気付いて直接店舗工場に取りに行ったこともあり。
幸い工場がバイクで20分くらいのところにあったので、Eが通勤に使っていたバイクで取りに行ったことも。
そんな有様でも特に指導もなくEは店舗を移動となる翌3月までこんな不手際を繰り返すのでした。
と、料理サイドの新入社員4人は調理長と別室へ。
Eと二人の高卒女子社員は部屋に残りひととおり店長が店の特徴を説明してくれます。
こんな感じでした。
①会社内でも大型クラスの店舗
②客単価は高く、個人や企業の個室での会食・宴会も多い
③店舗には一般席と100人以上収容の宴会場がある
④従業員は慢性的に不足気味
⑤社員には「営業」もしてもらう
⑥12月は忘年会シーズンで忙しい
など。
料理長同様に結構無口な人なんですが、接客のベテランだけに語り口は穏やか。
新入社員は3か月間は試用期間扱いなので残業は厳禁。
朝から本社に出向いたEたちはその日は夕方5時頃に勤務終了。
高卒社員のタナベとホリは近郊にある社員寮へと帰り、Eは路面電車世田谷線に始発の三軒茶屋駅から初めて乗り、下高井戸駅で京王線に乗り換えて仙川駅へと帰還。
これがこれからの通勤経路となります。
通勤時間は徒歩込みで約50分(アパートが駅から遠い)。一般のサラリーマンよりだいぶ遅い時間の出退勤なので全ての経路で座れます。

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店舗での勤務開始!
翌日は昼の開店時間よりだいぶ早めに出勤。
ランチタイムに働く人たちの前で顔合わせ。
ほとんどがパートの主婦の方たちですが、他に初めて顔を合わせるマネージャーがいました。
50がらみと思われる女性社員、ナカノマネージャーです。
3年目のワタベさんもマネージャーですが、はるかに格上。多くの固定客を持ち、大いに売り上げに貢献するベテランです。
社内でもやり手で有名なマネージャーでしたが、店舗の管理能力はほぼありません。
顔合わせの後は、嵐のようなランチタイム。
当然何もできない新入社員が戦力になるわけもなく、接客サイド3人は教育担当のワタベマネージャー(以下、ワタマネ)と別室へ。
店舗OJT開始!
まずは、ワタマネからメニューについての説明。
と、店舗で提供されるグランドメニューには百を超える料理があり、メニューは日本語名と外国語名の両方が併記されています。
そして、店舗内では日本語名でなく外国語名でやり取りされていて、新入社員研修では全メニューの両方の名称と料理概要が載った資料が配布されていました。
新入社員はゆくゆくはそのメニューを全て覚えなければならないわけです。
Eは店舗配属初日の時点でどこまで覚えたかというと、大卒のたしなみとして新入研修期間の5日間に自習して日本語名外国語名とも全て覚えておきました。
高卒のタナベとホリはというと、ひとつも覚えていません。
恐らくメニューの資料を開いてもいなかったでしょうが、まあそんなもんでしょう。
ちなみに、同じ大卒のワタマネもEがメニュー名をすべて覚えていたことには驚いていました。
Eも一応この時までは意識高めではあったのでした。
その他、宴席などでは大皿に盛りつけられた料理を個別に取り分けをする作業があるため、取り分け用のスプーンとフォークを使った取り分けの練習をしたりしました。
こんな感じで持ちます。


画像引用:Goodie Foodie Japan HP
「サラダの取り分け方|スプーンとフォークでおしゃれにサーブ!」
その日はディナータイムから実際に料理を一般席のテーブルに運ぶという業務をすると告げられました。
ワタマネからそのための所作をひと通り習い、いよいよ客席デビュー。
客の目の前に料理を置くときは当然ですが、日本語のメニュー名で「〇〇でございます」と。
この作業で必要となる知識は、
①客席番号と外国語メニュー名が印刷された料理チケットと、調理場で出来上がった現物料理が一致すること。
②客席で提供する時に日本語メニューが言えること。
となります。
もちろん①はこの先現物をたくさん見て覚えなければなりませんが、②のメニュー名についてEは高卒二人に10馬身くらい引き離してリードしていたわけです。
はいそうです、これ自慢です。
新入社員生活
そして、ランチタイムのメンバーの前ではやや緊張気味のEたち新入社員でしたが、ディナータイムは違います。
なにしろ学生アルバイトがたくさん出勤してくるからです。
大学時代に複数の飲食店でアルバイト経験があるEには慣れ親しんだ環境です。
これこそEの真骨頂(?)です。
ちなみに、このレストランチェーンの会社は全般的に見た目のいい人材を採用している傾向があります。
サービス業なので当然ですが、客から見て不快に感じる従業員を客席に出すわけにはいかないので、アルバイトにしても応募してきた中から男女とも見た目のいい方を採用します。
当然、数年後に店長になったEもそうしていました。
また会社の採用活動で、就活の大学生が集まる懇親会に若手店長としてEが出席した時にも採用担当の人が「あの学生はすごく優秀だけど、ヒゲが濃すぎるから採用は難しいかも」などと話しているのを小耳にはさみました。
ということは、この初日に出勤してくるアルバイト学生にはそう、見た目のいい男女が多くいたわけです。
Eのみならず、高卒のタナベとホリも楽しくなってきます。
特にタナベとホリは店舗配属早々にお気に入りの大学生男子ができます。
もちろん学生時代のように男子大学生たちとも初日から仲良しになり、Eはこの後ずっとアルバイト気分で毎日を過ごすことになるわけです。
そりゃーもう、毎日楽しくて。

そう。
店長がボンクラで(ホントに失礼…)店舗の管理体制がゆるゆるなこともあり、Eは将来店長になるための大事な1年を完全にアルバイト気分でのほほんと過ごすのでした。
「この調子じゃこの先店長になってもロクなことにならないだろ」と思った人もいることでしょう。
が、大丈夫。
2年目に配属される店舗でEは性根をたたき直され、鍛え上げられて4年目に店長になった暁には見事な業績を残すことになります。
あ、これはまた自慢です。
そんなEには絶好のパラダイス環境の中で、ワタマネの指導の下、料理を客席に運ぶという仕事を覚えた配属二日目でした。
まとめ
そうなんです。
バブル期に大学時代を過ごしたE。テキトーだったのは就職活動だけでなく、新入社員時代の一年間までもアルバイト気分でチャラチャラと過ごしてしまうのでした。
日々どのような業務をしていたのか?
チャラチャラ過ごしていたせいで何か失敗もあったのか?
職場での出会いはあったのか?
最初の配属先、三軒茶屋での職場生活については次回お伝えします。
近日公開予定です。
次回をお楽しみに!
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