先日、30年振りに家族とスキーを楽しんだ50代派遣社員E。
大学時代にスキーサークルに所属していたEは「2級相当」の腕前。
30年振りで上手く滑れるのかと不安に思ったもののすぐに感覚がよみがえり加齢な、間違えた華麗な滑りを取り戻せたのでした。
が、滑っている中でどうしても違和感を感じるのでした。
それもそのはず、スキー板の形状が30年前とは決定的に変わっていたのでした。
スキー板の形状が変われば、求められる技術もスキーで快感を感じるポイントも変わってきます。
今回は、Eが感じたスキーにまつわるここ30年の変化について語ります。
50代以上のスキーヤー必読です!
前回の記事です。
この30年の変化
この30年、世界は様変わりしました。
30年前といえば1996年。
Eが最後にスキーをしたのもその頃でした。
1995年にリリースされたウインドウズ95がこれほどまでに世界を一変させるとは、当時思いもしなかったE。
携帯電話が爆発的に普及したのも確か1996年。
2026年現在と比べれば、生活様式も経済活動も人々の思想も隔世の感がありますよね。
そんな中で、Eがこの30年で最も変わったと体感したのが、スキー板とスキーの技術なのでした。
ちなみにEのスキー技術は「2級相当」(詳細は前回記事参照)。
2本のスキーを平行にしたまま、そこそこの急斜面でかなりのスピードでターンできるし、昔でいうウェーデルン、小回りターンも得意としていました。
たいていのゲレンデでは上級者として君臨できるレベルです。
ただ、モーグルの選手が滑るような巨大なコブ斜面は滑れません。あれは曲芸、別スポーツといってもいい次元です。あんなコースを持っているスキー場自体が稀だし。
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スキー板の新旧比較
スキーの今と昔を知るE。
スキー用具全体を見ると、スキー板以外はそう変わってはいません。
ニット帽が主流だったのがヘルメット主流になったのは小さな変化のひとつではあります。
スキー板が昔と今で変化した。
その境目はかなりはっきりしているようです。
1996年。
ちょうど30年前です。
ではスキー板の何が変わったというのか?
これです。
※Chat GPT調べ
| 昔のスキー板 | 今のスキー板 | |
| 長さ | 180~200センチ | 155〜175cm |
| 板の形状 | ほぼ直線 | 強いサイドカーブ |
| サイドカーブの 回転半径 | 30m前後 | 12〜20m |
| 重さ | 重い・慣性大 | 軽い・取り回し良 |
この中でも、今と昔のスキーの滑りの感触を大きく分けるのがサイドカーブの回転半径なのです。
「長さもだいぶ違うじゃないか」と思うでしょうが、それは恐らくサイドカーブの変更によるものではないかと。
スキーの中央付近の幅が狭く、トップとテールの幅が広くなることでスキーのサイドに円弧ができ、その円弧によって雪の上でターンが可能となるわけです。
サイドカーブの半径が小さくなったということは、トップとテールの幅が昔より広いわけですから、スキーが長くなればなるほど幅が広くなる。

画像引用:国内最大級のスキー場・積雪情報サイト「Surf & Snow」How To Ski【ギアマニュアル】スキー&バインディング
最近のスキーの形状を見る限り、これ以上長くなるとトップとテールが幅広過ぎになってしまうから、現在の170センチくらいまでが限界なのかなと。
なぜスキーにはサイドカーブがある?
Eが30年前まで使っていたスキー板は表にあるように「ほぼ直線」です。
大学時代に使っていたのは、「K2」というメーカーの「エクストリーム」という板でした。
190センチで持ち運びにはかなり重く、車を持たなかった当時のEは家から駅、駅からスキー宿への持ち運びにかなり苦労しました。
現代スキー板が軽いのは技術の進歩によるもので、強度を保ったまま軽量化が可能となったおかげです。
ただ、昔は重さのおかげでスピードを出した時の安定感が得られた感はありました。先日滑った時の板が浮いてブレる感じと比較しても明らかです。
当時のスキー板、確かに中央部の方が幅が狭いもののトップとテールもそんなに広くありません。
「それじゃ曲がりにくいだろう」と思うことでしょう。
その通りです。
昔のスキーは曲がりにくく、「角付け」だとか「体重移動」といった正しい技術によってはじめてスムーズに、雪面に必要以上の抵抗を与えず、「スピード」と「ターンの際に雪を切って返ってくる反動」による快感を得ることができるのです。
大学時代、新宿のVictoriaでスキー一式を買って京王線で持ち帰ったのを思い出します。
昔は上達しにくかった?
つまり、昔はスピードを出しながらスムーズに曲がれる技術を習得するのにかなりの時間がかかるスポーツでした。
小学生からスキーを始めてまともにパラレルが滑れるようになったのがようやく高校生、というE自身が証明しています。
正直、大学時代にサークルで「正しい技術」を学ぶようになってから「もっとサイドカーブが強かったら曲がりやすいのでは?」と思ったことはありました。
覚えているのが、高校生の時はまだ「正しい技術」を教わったことがなく、スキーと体を内側に傾けて無理やり曲がろうとして転ぶ、ということも何度かありました。
あの時、今のようなサイドカーブがあればもっと簡単に曲がれていたはず。
先日30年振りに滑った時、昔の感覚で曲がろうとしたら意図したよりも「勝手に曲がる」感覚があり、むしろ山側まで曲がってしまいそうになったことで、それを確信しています。
実際にスキーの歴史の中でも「もっと強いサイドカーブを」と思った人は昔からいたようです。しかもその理論はスキーの原初の頃からあったとか。
昔のスキー板が直線的だった理由
調べたところ(Chat GPTです)、これまた技術の進歩が鍵だったようです。
スキー板の進歩。
板の素材、エッジの素材、反発力、ねじれ剛性、量産化。
カービングスキーの普及にはそれらの問題が取り除かれた1990年代半ばまで待たなければならなかったようです。
それがまさに1996年、30年前。
そしてトップスキーヤーたちもワールドカップなどの競技の場においてカービングスキーによる成果を出し始めます。
タイムが縮み、転倒が減る。
スキー初心者も早く上達し、指導者も指導がしやすくなる。
昔のスキーの方が快適、快感だった、というEのようなスキーヤーも反論できない結果を突き付けられたという訳です。
オールドスキーヤーの苦悩
さて、スキーが大好きで冬になると何度もスキー場に通う人って全世界に数多いますよね。
大学時代のEがそうだし、当時は一大スキーブームでどこのスキー場も人でいっぱいでした。
ではなぜ人々はスキーが好きなのか?
これではないでしょうか。
・壮大な自然を楽しめる
・家族や友人との時間を楽しめる
とまあ、このあたりはスキーに限らずアウトドアのレジャーでは共通の楽しみ方ですよね。
Eも今回、家族とスキーに出かけて、娘は転びまくってさんざんだったものの、家族との時間を大いに楽しむことができました。
ただ、大雪であまり自然を楽しむ余裕はなかったけど。
では、スキーを滑る上での醍醐味はというと。
・スピードの快感を楽しむ
・ターンの際に雪を切って返ってくる反動を楽しむ
主にこれだと思っています。
そもそもスピードが出なければ楽しくも何ともないですよね。
車やバイクもスピードが出るからこそ楽しいわけです。
が、スピードは危険と恐怖と表裏一体です。
スキーも緩斜面なら一切曲がることなく直滑降で十分スピードを楽しめます。
が、その状況によって出せるスピードにも限度がありコントロールが必要となる段階があります。
そのスピードをコントロールするのがターンなわけです。スキー板をスライドさせることで行き過ぎたスピードを殺すわけです。
スピードを殺すターンに楽しさなんてあるのか?
と思うでしょう。
はい、あります。
スキーはターンの途中で、特に昔のスキー板だと、板が雪に食いつき、スライドによる振動と音が消え、次のターンへと踏みしめた谷足の荷重を抜く瞬間、得も言われぬ快感が訪れます。
これが「ターンの際に雪を切って返ってくる反動」です。
ただし、これが得られにくくなっているのが現代スキー板だとEは感じたのでした。

↑この人は今最高の快感を味わっていることでしょう。
現代スキー板の難点
Eが感じた現代スキー板の難点がこれです。
①サイドカーブが強いことにより、昔の板のように角付けで踏み込むと曲がりすぎる。
②踏み込めないことよって「反動」による快感が減る
③スキー板が軽いせいでスピードを出した時の安定感がなく、横に細かくガタガタとブレる感じがある
④スキー板が短いせいでスライドした時の制動力が弱い
曲がりすぎる、のは自分でアジャスト可能なので次に行った時に改善します。
反動の快感、については言葉で説明できない感覚の問題なのでどうにもならないんですが、これには前回レンタルしたスキーのエッジに問題があったのではないかと。
レンタルスキーのエッジはメンテナンスの時に、安全を考慮して緩めに研ぐらしいんですよね。
次回借りる時は「もう少しエッジをシャープにしてもらえませんか?」とリクエストしてみよっかなと。
価格:1809円 |
こういう「ダイヤモンドストーン」があれば簡単にエッジを研げます。
スピードは、あきらめるしかないのかと。
Eのようなスピード狂のスキーヤーはスピードの快感と恐怖感のせめぎあいの中のギリギリでスピードコントロールをするわけです。
現代スキー板がブレる感じがある以上、昔のように飛ばせないし、
そもそも脚力が衰えて昔のようなスピードコントロールもままならない
というのが50代半ばの現状でした~
現代スキー板の最強メリット
オールドスキーヤーには難点もある現代スキー板ですが、最強のメリットがあります。
これがあるからこそ技術革新によってカービングスキーがスキー界を変えたといっても過言ではない、そのメリットとは。
スキーが上達しやすい。
この一点に尽きるでしょう。
前回記事でも紹介したように、スキーを小学生から始めたEの上達は牛歩のように遅く、スキーが楽しいと思えたのもようやく高校生になったあたりからでした。
それまでは、寒いし、転ぶし、濡れるし、スキー用具は重いし、まるで苦行。
いつも「私をスキーに連れて行かないで」と思っていたくらいでした。
当時のように、周囲にスキーに行くのが当たり前の環境がなかったら、早々にスキーのない人生を歩んでいたことでしょう。
まとめ
「上達していく達成感」ってスキーに限らず、全てのことにとってモチベーションになりますよね。
昔のスキー板によって、スキーへのモチベーションもなかなか得られなかった少年E。
1996年以降にスキーを始めた人なら、あれほどの苦痛を感じることもなく(もちろんスキーが初心者にとってハードルが高いことは変わらないものの)スキー場に足を運べるようになったのではないでしょうか。
「ここ30年で変わったもの」としてカービングスキーについて語りましたが、30年前にとっくに変わっていて、今頃ようやくそれを実感しただだったという身もフタもない話でした。
Eは技術革新による現状を受け入れて、技術的にアジャストしながら今後の人生でスキーを楽しんでいくしかないようです。



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