派遣社員による派遣社員のためのiDeCo講座の第三弾です。
投資のプロとはほど遠い素人の目線でiDeCoの解説をしています。
今回はiDeCoを始めたらどんな投資信託の商品を運用すればいいかを語ります。
Eの投資信託の掛金配分の変遷も紹介します。
プロの情報が知りたいという人は世の中にたくさんあるんでそちらをどうぞ。
プロの人たちの株式予想やおすすめファンドなどの投資情報は無数に世に出ています。
すると多くの人にとって問題が起こります。
用語がわからんから何を言っているのかわけわからん。
EはNISAの株式投資を始めた5年前から細かい投資の知識は無視してきました。
ローソクとかBPSとかEPSとかいまだにわかってません。
それでもコロナ前までは株式投資でそこそこの成績を残してきています。
投資で生計を立てたい、などと思っている人でなければ詳しい知識なんてなくても大丈夫です。
増してやiDeCoなら最低限の情報だけで充分利益が出せます。
前回の記事です。
iDeCoなら誰にでもできる
Eのような投資について特別な知識のない素人でも簡単に、かつ安全に投資で資産が増やせる方法が、投資信託と優遇税制を組み合わせたiDeCoの制度である、ということを語ってきました。
iDeCoの投資にもひとつだけ、運用する人の判断を必要とする作業があります。
それが、運用する投資信託の配分です。
iDeCoの投資の仕組み
無事に証券口座を開設し、最初の掛金を納入するとまず提供商品、つまり投資信託(元本保証の定期預金もあり)への掛金の配分をどうするかを聞かれます。
Eが利用している楽天証券では掛金を5%刻みのパーセンテージで配分します。
この取
扱っている金融商品は利用する証券会社・銀行によって全く異なります。
前回記事で紹介した楽天証券とSBI証券はiDeCoで選べる商品が多いことで知られています。
では、投資信託ってどんな種類の商品があるの?
投資の素人のEですが、iDeCoを始めるにあたり最低限の情報は入手して臨みました。
これにお答えします。
提供商品の種類
まず、投資のタイプ別ではこのような投資信託があります。
株式
債権(公社債)
リート(不動産)
それらの組合せ(バランス型など)
その中でも、各投資信託の方針としてこのようなものがあります。
インデックスファンド……特定の株式指数、債券指数と同じ値動きを目指して地道に利益を目指す。ローリスクローリターン。
アクティブファンド……ファンドマネージャー、アナリストなどが売買してとにかく利益を目指す。ハイリスクハイリターン。
また、国別、経済圏別ではこのように分かれている場合が多いです。
日本 アメリカ 先進国 新興国 全世界
では、こんなに様々な商品がある中で何を選べばいいんでしょうか?
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どの商品を選べばいいの?
と題しましたが、それは人それぞれです。
各人の投資の方針、資産状況、経済状況、はたまた性格によって千差万別です。
Eの場合は既にNISAの株式投資が現在進行中です。
日本国債の変動10年も保有しています。
そこは投資初心者の人とは状況は完全に異なります。
投資のタイプ
まず、どの投資タイプを選ぶ?
元本保証、つまり額面上の損失を出すことのない定期預金ですが、これは却下です。
掛金が所得控除できて節税効果はありますが、額面で損が出ることはないけど、ほぼ増えることもない。
前回の記事でも述べたとおり、これだと同じ100万円を定期預金に積み立てたとしても10年後には物価が上がって100万円の価値が下落してしまいます。
次に、不動産投資のリート(REIT)も却下です。
そもそも不動産投資の知識がない。
楽天証券のリートの運用成績をみても明らかによくない。
以上を総合して、Eは昨年末(2019年)の最初の掛金の配分は「株式」と「債権」、中でも「株式」中心で選択することにしました。
投資対象の国は?
Eはもともと日本株100%で個別銘柄の株式投資をしていました。
が、その当時からアメリカの株式を買いたいと思っていました。
なぜなら、アメリカの株は優良だからです。
日本の上場企業、東証1部や2部、ジャスダックやマザースって、企業の業績が悪くなったとしてもあまり入れ替わらないらしいです。
ところがアメリカの株式市場、ニューヨーク証券取引所やナスダックは上場の基準が厳しくて、ちゃんと利益を出している企業でないとすぐに上場廃止になって入れ替わるそうです。
つまり超ざっくりいうと、アメリカの株の方が儲かる、っていうわけです。
が、個別の銘柄で取引しようとするとアメリカの企業についてイマイチ知識に乏しいのと、為替も関係してくるのでEはなかなか踏み出せずにいました。
ところが、投資信託なら個別銘柄を考える必要もないし、毎月定額の積み立てなら長期にわたる積み立てだから為替の上がり下がりも平準化されます。
これはもうアメリカ株を選ぶしかありません。
では、インデックスファンドにすべきかアクティブファンドにすべきか。
前述のように、Eは既に株式投資というハイリスクハイリターンの投資を進行中です。
また国債、中でもローリターンの代表ともいえる日本国債も保有しています。
iDeCoではその中間で行きます、
株式のインデックスファンド中心、
という選択になりました。
ただEでも知っている投資の鉄則のひとつに「リスク分散」というものがありす。
それも加味して最初の掛金の配分はこのようにしました。
米国株 30%
先進国株 30%
全世界株 20%
日本株 10%
先進国債権 10%
とりあえずこれで半年は変えずに様子を見よう、ということでEのiDeCo生活が始まったのでした。
状況変化と見えてきたこと
1月に運用をスタートしてすぐに大きな市場の変動がありました。
コロナショックによる世界的な株式大暴落です。
2か月分(23,000円×2)を積み立てたところで資産が6千円以上のマイナス。
初心者なら焦ってiDeCoを始めたことを後悔するところでしょうが、そこそこ投資経験のあったEは逆に喜びました。
開始二か月目という長いiDeCo運用の初期に低い株価で投資信託に積み立てることで、後々株価が回復した時に利幅が大きくなるからです。
これも前回の記事で紹介しましたが、4月以降株価は回復してEのiDeCoもそれに伴って、利益が2万円以上になったり1万円を切ったりと好調ながら激しい上がり下がりを繰り返しています。
Eの5年の投資経験(短いけど)の中ではこれほどの変動がある年は初めてです。
全てはコロナショックという稀有な社会変動のせいでしょう。
掛金配分の初期設定から半年後、コロナショックからの回復も落ち着いてきてからは何度か配分の変更をしました。
・やっぱり「楽天・全米株式インデックス・ファンド」という米国株は一番利益を出しているんで配分を増やす
・「たわらノーロード先進国株式」というファンドは好調な上にとにかく手数料が安い(0.1099 %と全商品中で最安)
・先進国債権は利益が少ないか損失との間の往復なんで全カット
・「楽天・インデックス・ファンド(DC年金)」という債券中心のバランス型の商品に手を出してみたけど結局米国株にフォーカスするためシフトチェンジ
高リスク商品には相変わらず手を出していません。
手数料も結構重視していて、配分している中で一番高いものでも「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の0.212%です。
というわけで現在の配分はこうです。
米国株 40% (楽天・全米株式インデックス・ファンド)
先進国株 35% (たわらノーロード先進国株式)
全世界株 15% (楽天・全世界株式インデックス・ファンド)
日本株 10% (たわらノーロード 日経225)
と、4つに絞り米国株と先進国株の割合が増えています。
あくまでもリスク分散の意味で「たわらノーロード 日経225」という日本株を残しておきました。
これは経験からきています。
米中貿易戦争の頃などに世界の投資家が米国株を売って資金を日本株に投入する、などの原因で外国株安、日本株高、という状況が起こったのを何度か見ているので、そういうケースに備えて残したわけです。
またもや評価額に変動あり
これまでもEのiDeCoの運用益を紹介してきましたが、前回下がった評価額にまた変動がありました。
こうなりました。
10月末 20,241円→11月初め 9,635円→11月上旬某日 18,719円
EのiDeCo資産状況(2020年11月上旬某日)
こうして日々の変動はありますがEがiDeCoの満期、掛金積み立てを年金として受け取る約10年後にはある程度利益確保の行動をとる必要があります。
満期前に取るべき行動
59歳の1年あたりでは各投資信託の利益額がMAXに達したと思われるタイミングで定期預金に振り替えて利益を確保する、などです。
例えばあと1年ほどで60歳を迎える、というときにこのような変動があったとします。
わかりやすくするためあくまでも10年後の仮定ですが、この時は景気も好調でこの数年でも全体の株価が好調の年だとします。
そして翌月にはコロナ以来の10年振りのパンデミックによって翌年に60歳を迎えるまで株価上昇の見込みはない、とします。
<仮定 iDeCoの評価損益例>
某月第一週 60,000円
某月第二週 75,000円
某月第三週 90,000円
某月第四週 60,000円
この場合、第三週の90,000円に達した時点で定期預金に振り替えれば、その後の値下がりの影響を受けずに最大の利益が確保できます。
ただiDeCoの場合、普通の株取引と違って「売る(定期預金に振り替える)」と決めてすぐその日に売れるわけではないんでタイミングは難しくなりますが、このような行動をとる必要が出てくるでしょう。
通常の株取引もそうですが「利益が出た時にいつ売るか」、これが投資の最も難しい部分だと経験からも実感しています。
まとめ
iDeCoの運用にこれといった正解があるわけではありません。
使い方はホントに千差万別です。
恐らくですが、派遣社員のみなさんはもう充分に老後の資金に余裕があって、普段所得が多すぎて高額の税金を払っているから少しでも節税にと思ってiDeCoを始めた、というのでは決してないと思います。
派遣社員のEもそうですが、老後資金に不安があるから投資で少しでも増やし、節税もできるiDeCoに飛びついた、という人が多いかと思います。
だから絶対に損失は出したくないですよね。
それならEのように最初の半年くらいはローリスク商品(インデックス)で様子見をしましょう。
日々運用成績を観察する中で勝負できる商品があったら少しずつ参戦してみる、というやり方が最善だと思います。
今回のiDeCoシリーズはこれで一旦終了となりますが、状況に変化があったら逐一記事を挙げたいと思います。
次回をお楽しみに!