さて、今年2024年2月に日本に移住し、フィリピンの運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるという一大事業に取り組んだ妻。
各種書類を集めて書類審査に通過したところまでを前回記事で語りました。
次はいよいよ免許センターでの「知識確認」、そして「技能確認」。
「確認」という名称ですが、実質合否の判定がされる「試験」です。
ちなみに妻は約5か月の期間を経て7月に見事、日本の運転免許証を手に入れました。
今回はEが見た、妻の外免切り替えの技能確認の教習体験記をレポートします。
「知識確認」「技能確認」の情報収集
4月下旬、妻は都道府県の免許センターの本庁で無事書類審査を通過。
その場で、茶封筒に封印された提出書類を返却され、次のステップへの簡単な説明を受けます。
それがこれです。
①次は地元の免許センターで「適性検査」「知識確認」「技能確認」を受ける。
②まずは適性検査(視力検査)、次に知識確認。
③知識確認を通過すると技能確認が受けられる。
④技能確認は、準備ゼロではまず通過できない。
⑤免許センターの周辺に外免切り替えの「教習所」がある。
⑥その「教習所」なら免許センターのコースで実技の練習できる。
⑦技能確認は試験場内で行われる二つのコースがあり、そのうち一つのコースを走る。
といったところです。
技能確認の二つのコースは、日本人が教習所などで実際に受ける仮免試験のコースに比べればはるかに短く、難易度も低いようです。
「バック」や「縦列駐車」、「坂道発進」、「踏切り」などはなく、あるのは普通の周回の他に、信号や一時停止があったり、「S字」や「クランク」を通過するというだけのもの。
とはいえ、運転免許証を取るにあたり、教習所の仮免や卒検より免許センターでの一発試験が難関であることは周知の事実。
自動車学校に行かずに免許センターで何度も落ちた末にやっと免許を取れた、などの話も聞いたことがあるし。
この時点では戦々恐々としていた妻とE(特にE)。
⇒ 「外免切り替え」の詳細についての警視庁のHPはこちら
現時点で判明していないこと
一方、まだ判明していないことといえば、
①「知識確認」ってどんな問題が何問出る? 何点取れば通過?
②「技能確認」って難易度はどれくらい?
③「教習所」の教習って内容は? 料金は?
まず知識確認ですが「外免切り替えの知識確認」などという超レアケース向けの問題集などがあるはずもなく、ネットで探してみるも情報は少ない。
見つけたあるウェブサイトは例題が10個ほど載っていただけで、普段運転しているEでも知らないような知識もあり。
知識確認って割と難易度高い?
さて、肝心の技能確認。
まずは書類審査の時に言われたように地元の免許センターに電話で問い合わせてみました。
すると、免許センターの周囲に3件ほど外免切り替えの技能確認の教習をしているところがあるとのこと。
教習所の名前と電話番号を3件分聞き出す。
職場の昼休みにその3件に電話。
相当先まで予約が取れないと断られたり、忙しそうで邪険な対応をされたりしたけど、3件目でようやく対応がまともそうな教習所が。
もうそこしかないんで妻の教習をお願いします、と。
教習料は1コマ50分で6,000円。
た、高いですよね?
最近の教習所の補習の料金ってこれくらい?
なにしろ免許を取ったのはかれこれ30年以上前のバブルの頃で、今の相場はわからず。
最短で空きのある土曜日に予約を取りました。
外免切り替えの技能教習
と、5月中旬のある土曜日に妻とEと小学一年生の娘もつれて「教習所」へ。
まずわかったこと、「教習所」とは世間一般的にイメージされる、実技練習用のコースを備えた「自動車学校」とは違い、要するに単なる「小屋」です。
ガレージくらいの大きさの小屋に、ソファーと事務机とトイレがあるだけ。
指定の時間前に着いて入ると、「教習所」の人は誰もいない。
前の教習が終わると、いわゆる「先生」が生徒と戻ってきます。
そう、免許センターで「試験」だか「確認」だかに使用されるのと同型で、結構古めの車で戻ってきます。
さて、妻の教習が始まります。
Eのように通訳として同乗するケースは普通にありのようですが、娘も載せていいか聞いてみると、あっさりOK。
教習中に動画を撮っていいか聞いてみると、それもOK。
家族三人を乗せた先生は、目の前にある免許センターへ向かい、入り口でなにやらやり取りをした後、免許センターの試験コースへ入っていきます。
教習開始!
いよいよ教習開始。Eはスマホで動画を撮り始めます。
先生は、車の中でカタコトの英語も交えて妻に講義。
先生によると、とにかく安全確認が重要。
運転技術に関してはそれまで普通に道路で運転できている人なら問題ないとのこと。
妻は事前に、試験で走ることになる二つのコースはある程度頭に入れておきました。
この日の1時間目(50分間)の教習はこんな感じでした。
①まず先生が第1コースを走行。コース上で必要な確認事項をチェック
②いったん停車し車内でコース図上にチェック項目を書いた印刷物を見せて改めて説明
(Eはそれを写真に撮る)
③日本式安全確認「①ルームミラー②左右ウインカー③サイドミラー④斜め後ろ目視」を解説
④いよいよ妻が運転席へ。と、すぐさま車の前方を歩かないようにと注意される。
⑤発車前のルーティン、乗車前に前後方確認、ルームミラーの調整等を解説
⑥ひとしきり妻が第1コースを走ってみる。
⑦当然合格とは程遠い走り。確認事項の抜け多数、キープレフト不足、停止線オーバー、スピード不足など直される。
⑧S字とクランクは難なくクリア。
要するに、普段の運転に慣れて免許取得時の必須事項を忘れ去っているベテランドライバーの走りの典型でした。
Eがやっても大差なかったでしょう。
つまり、
普段公道で乗り慣れているドライバーにこそハードルの高い試験
なのです。
思い起こせばEも18歳で通った自動車学校(30代後半までペーパードライバーでした)。
とにかく車に乗れば確認、いや乗る前から確認、いったん車を動かせば何をするにつけ確認確認。斜め後ろは死角だから、何はともあれ目視しろ。
え、こんなにも確認しなければならないの?
ここまでやる必要あるの?
と思いつつ、免許を手にするためには言われたとおりにやらざるを得ない。
ここは猿回しの猿になったつもりで確認の鬼となれ。
と、徹底的に確認を叩き込まれるものの、無事免許を取った暁には必要最小限の確認しかやらなくなるのが人間。
ましてや妻、フィリピンの運転免許証を取るときに日本のような猿回し式確認を教わっているはずもなし。
この日の冒頭に、試験で必要とされる確認の多さに「何これ?」と思うのは当然です。
教習中の妻 撮影:E
この日、2コマ(6,000円×2)の授業をいったん受けてみて、その後さらに教習を受けるかどうか決めることにしていました。
なにしろ教習料が高いから。
結果、この日は確認動作の矯正、キープレフト、スピードコントロールなどの基本に費やされ、第1コースしか回れませんでした。
Eから見ても合格は程遠い内容。
教習終了後に、追加で2コマの教習を予約しました。
その日は、帰宅後に撮影した動画を編集。
妻のスマホのSDカードに落として、次回の教習まで徹底的に復習してもらいました。
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その後の教習
約2週間後に二回目の教習を2コマ受けた妻。
冒頭は先生から「最初は何も言わないから、本番のつもりで走ってみて」と。
妻はルートを完璧に覚え、確認動作も暗記した第1コースを走ります。
が、実際に走ってみるとボロボロ。
いざ運転するとなると、ひとつに集中するあまり他が抜け落ちます。
例えば、左折時の4つの確認動作に集中すると、キープレフトがおろそかになって大きく膨らみます。
その後の時間で、第1コースを徹底的にリピート。
最初の50分間でそこそこ形になってきました。
ふたコマ目でようやく第2コースに入ります。
ルートだけはしっかり覚えておいた妻。
50分間で第2コースもそこそこまとまってきました。
Eから見て「これならいけるかも」と思えるレベルに。
先生からも経験上、もう受験の予約を入れておいてもいいのでは、と。
その当時の動向から、今だと2~3週間先には予約が取れそうとのこと。
先生の言葉を受けて、さっそく免許センターに予約の電話を入れました。
妻の試験日は約2週間後と決定。
その試験日の1週間前に、追加の教習を1コマだけ予約して直前練習。
妻が受けた教習は計5コマ。
教習料は3万円。
直前練習では、それまでは起こさなかったミスも。
停止線を踏んだり、左折で大きく膨らんだり、クランクで車輪がはみ出そうになるなど、新たな問題が発生したものの、急遽それらを矯正することで合格への距離を近づけることができたといえます。
合否の見込みは?
妻の合否の見込みについて、教習所の先生によると「大きな間違いをしなければたぶん受かるでしょう」とのことでした。
Eもそう感じました。
というのも、先生との5コマに及ぶ教習の中で得た様々な情報から「たぶんそこまで厳しく見られないだろう」と感じていたからです。
「そこまでではない」というのは、一般的に日本人が自動車学校を経ずに、免許センターでのいわゆる「一発試験」ほどの厳しい合否判定ではないであろう、という意味です。
とはいえ、先生は「一回で受かる人は少ない」ともこぼしていたので予断は許しません。
まとめ
その他、教習を受ける中で得た情報がこれです。
①知識確認(筆記試験)は10問中7問正解で合格。
②知識確認は文字が読めれば合格できるレベル。
③技能確認は、結局「確認」であって試験ではない
④技能確認は点数制ではないため「この人は運転ができている」というイメージも大事
と、知識確認は「超簡単」らしいということがわかりました。
教習所の先生によると、最近ミャンマーの女性が何度も知識確認で落ちたらしいんですが、その女性は日本語が読めないばかりでなく、英語も理解できないせいで落ちまくっているとのこと。
そういった言語の問題以外では落ちる人はまずいないようなので、ひとまず安心。
妻は英語で筆記試験を受ける予定なので、問題なし。
「技能確認」のことを、普段Eも妻も教習所の先生も「試験」とか「テスト」とか「Exam」として会話していましたが、名目上はあくまでも「試験」ではないのだそう。
免許センターの試験官も「この人が道路で走って大丈夫か?」といった視点で見るようなので、感覚や印象の部分が大きいとのこと。
Eは教習所に通う前に抱いていた大きな不安はかなり払拭されたものの、妻は試験に向けて緊張が高まっていきます。
いよいよ2週間後に妻の試験、果たして結果は如何に!?
詳細レポートをお待ちください。
次回をお楽しみに!