50代派遣社員Eの妻は外国人。
昨年2024年に日本に移住し、今年の10月からパートでの就活を始め、来日1年半にして技能実習生として働いていたのと同じ、縫製工として働き始めました。
前回記事では、妻が日本語が未熟なせいでなかなか就活に本腰で動けなかったことを語りました。
そこでEが提案したのが、ハローワークを利用して就活をする、ということでした。
今回は妻が如何にしてハローワークの助けを受けて面接、そして就職にこぎつけたのかを解説します。
前回の記事です。
ハローワークに登録
前回記事でも語りましたが、日本で働く意欲はあるものの具体的なプランがない妻に対して、Eはこんな考えを持っていました。
①ハローワークで求人を探し、紹介してもらう
②妻がフィリピン、日本共に経験のある縫製業なら採用の可能性が高い
③飲食業などの土日や祝祭日の出勤を求められる業種は現実的でない
そう、日本語が未熟だと、例えばパートの募集広告を見ても、応募先に電話するだけでも躊躇しますよね。
そもそも外国人は求めていない応募先も多いことでしょう。
実際、Eは新卒で外食産業に就職してレストランの店長をしたことがありましたが、そこそこ高級店だったのもあって、アルバイトの募集広告を出しても日本語が拙い外国人からの応募の電話があっても「あーすいません、もう決まっちゃったんです~」と断っていました。
応募してくる外国人の方もこれって精神的にきついはずですよね。
ハローワークのメリット
Eはこれまでに何度もハローワークを利用して就活をしてきた経験から、こういった外国人の妻にとってこういったメリットがあることを知っていました。
①なにより日本で一番求人が多い
②希望の応募先にハローワークの職員が電話してくれる
③その際に応募可能かどうかを応募先に確認できる
④さらに面接の日時を決めてくれる
⑤その上、必要書類も確認してくれる
⑥応募先によっては応募する前に職場見学ができる
といった具合に、応募したい職場が決まったらハローワークの職員がお膳立てしてくれて、外国人の妻が最初に採用担当と言葉を交わすのは面接当日、となる訳です。
勇気を振り絞って電話をしたのにけんもほろろに断られる、という求職者の心が折れる体験をしなくて済むわけです。
Eはこれらのメリットを妻に伝え、「これなら大丈夫でしょ?」と聞くとなおも躊躇。
何に躊躇したかというと「ハローワークで日本語がわからなくて困るから」と。
確かにそう。
というわけで10月のある日、Eは仕事を1時間早退して、妻と(小学生の娘も)待ち合わせて3人でハローワークへと足を運んだのでした。
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ハローワークへ行く!
さてハローワークに到着。
平日の午後5時台の地方の小さなハローワーク。なんとE家族以外に利用者はほんの数人。
求人検索をするパソコンを利用している人はゼロでした。
確かに、Eが最後にハローワークを利用した10年以上前には、ホームページの求人検索では募集している会社名や住所などの詳細は閲覧できなかったけど、現在では求人票のPDFも閲覧できるし、ダウンロードも可能です。
実際、Eと妻もホームページで縫製業でパート可の求人を2つピックアップして、求人票をプリントアウトして持参。
その2つを選んだわけは、条件が妻に合っていることの他に、「特記事項」としてこうありました。
「子育て世代応援求人」と。
それがどういう位置づけなのか、どんなメリットがあるのかは不明ですが、2つの内のひとつは「子供の保育園や学校関係での必要な休日は応援」とも書かれています。
これ、安心感ありますよね。
⇒ ハローワークの求人サイトはこちら
さっそく受付。
Eが妻が外国人で求職したい旨を伝えると、カウンターに呼ばれEは妻に付き添います。
娘は、スマホ片手に待合で待っててね。

見たところEより年上の初老のハローワークスタッフが対応。
ここはほとんどEがしゃべります。
妻がパートで仕事を探していて、すでに応募の候補が決まっている旨を伝えると、まずは妻のハローワーク求人登録を。
スタッフがひとつひとつ聞きながら、登録の項目を埋めていきます。
時折妻にも質問が振られ、妻も答えます。そこそこ日本語の受け答えもできていました。
ハローワークの求職番号も割り振られて、いよいよ本題です!
いよいよ求職開始!
さて、Eはプリントアウトしておいた求人票をスタッフに見せます。
二つの会社はどちらも縫製工の求人で、労働条件も酷似していました。
概ねこんな感じです。
①時給は最低賃金
②全く別の場所にあるものの通勤時間車で20~25分ほど
③日中の4~6時間勤務
④「子育て世代応援求人」
というもの。
あまりにも似ているんで、妻もどちらかといわれても決め手がない感じ。
とりあえず妻は縫製業は嫌いではないし、他業界よりは採用されやすいであろうことも理解しているし、一応この二つの求人に応募することは納得しています。
で、第一候補としたのが、なんとなくですがEの派遣先に近い職場の方。
スタッフに、とりあえずこっちに応募したいと伝えます。
するとスタッフ、「会社見学できますけど、しますか?」と。
Eは妻にスタッフの言葉を通訳。妻は「見学したい」と。
スタッフはさっそく会社に電話。その会社は社長が採用担当のよう。
結果、妻がその会社を見学する日程が決まりました。
当然ですが、会社見学には妻一人で行きます。
そこでE、追加でスタッフに聞いてみます。
「もう一つ別の会社も見学できますか?」と。
スタッフは「できますよ」と。
妻もOKでもう一つの会社もスタッフが電話して、別日に会社見学を手配してくれました。
妻、会社見学へ!
そんなわけで、翌週妻は二つの会社に見学に行くこととなりました。
妻一人で行った来たんで、Eは当然様子はわかりません。
妻によると、どちらも以前妻が働いていた職場とそう変わらないようでした。ただ、扱う製品の傾向が違うとのこと。
使っているミシンも扱えそう、と。
さてどっちに応募する?
ここで妻、二週間近く熟考します。
途中地元のフィリピン人の友人が、あるスーパーで働き始めることになり、フィリピン人仲間のいる職場に心が動きます。
家族でそのスーパーに下見に行ったりしましたが、週末勤務、盆や正月勤務も避けられないことから断念。
さんざん悩んだ挙句、会社見学をした縫製工場のうちのひとつに応募することにしました。
その決め手が何だったかというと、
見学の時に社長から「ぜひ来てね」と言われたから
だったのでした。
まとめ
ハローワークの見学は、面接とは全く別物です。
見学したからといって求職は必須ではないし、見学者はハローワークに渡された紙を持参して会社に提出しますが、そこには会社側に対して勧誘や面接に類似する質問等はしないようにと書かれています。
妻が応募を決めた、社長の「来てね」の一言は勧誘には当たらないまでも、応募しても雇ってもらえるかどうか不安に思う求職者の気持ちをつかむには十分だったようでした。
再びハローワークを訪れ、いよいよ妻は面接に乗り込みます。
どうなることでしょうか?
次回をお楽しみに!